時の砂
風 ふきわたる 雲
時 ながれゆく 空
飛んでゆく
どこまでも
麦わら帽子に
夏の風
入道雲が 天高く
あなた みつけて 握手する
木陰の下で 笑ってる
まなざしの上 陽射しの下
夏の風
ふうっ と 息を ふきかける
あつまって
あなたに ふった
砂粒ほどの 小さな文字
さらさら さらり さら さらり
時間を超える 砂時計
耳にきこえた メロディー は
そのまま 空に 流れてく
言葉 と ともに 宙に 舞う
呼んでいる 誰かの声が
今は昔 想い出す
眠れぬ天井 眺めては
チク タク カチリ 振り子時計
言葉が 流れる
夜の どこか
こぼれる 星に
目を とじて
ここにいるから
どこへも行かない
言葉に できずに
消えてゆく
月の ゆれる 水面に
そっと 浮かべる
あなたの 声
畳の上に ころがった
ぽたぽた ぽたり 天井に
雨漏り しずく 落ちて来る
あなたの 涙 落ちて来る
ぴちゃり と 頬に くっついて
私と 一緒に 落ちてゆく
深夜の ラジオ 天気予報
雨 のち 晴れ と 流れゆく
ピアノ曲 が 流れゆく
まるで 悲しい 雨模様
繰り返される 鍵盤に
あなた のせて 聴こえゆく
オカリナが 月 よんでいる
どこからか
隙間 風 入ってく
通り道 風 たっている
あなたが 呼ばれ 立っている
遠い 面影 残してる
夏の風
天高く
あなた みつけて 握手する