第1話 脳が破壊される光景を見た青年の反応は...!?
メモ帳にあったお話です。
正直言ってお気に入りです。
こんにちは。
僕はある村に住む青年。
いわゆるモブなんだけどね。
そんな僕に彼女が出来たんだ。
とっても優しくて笑顔が素敵な美少女で、僕には勿体無いくらいだった。
でもね、ある日の夜中に見てしまったんだ。
あるCランク中級冒険者と浮気してたんだよ。
僕はそれを発見した時冒険者の顔を見て、金髪美青年で金髪美少女である彼女に釣り合ってるなと思ったんだ。
これは少し仕方がないかな。
僕ってさ、よく女の子と間違えられるんだよね。
だから多分、なんちゃって少女(村人)よりイケメン(エリート)の方に行っちゃったんだろうなぁ。
彼女も僕に見せたことのないとびきりの笑顔でね。
なんかもうやばかったね。
そのあと彼らが宿屋に入っていったんだ。
そこで僕は隠密スキルを使って付いていったんだ。
凄かったねあれは。
僕とはキスもまだしたことないのに合体までしちゃってるとは...。
しかも既に身ごもってるらしいじゃないか。
彼女曰く、いつ別れを切り出せば良いかわからない。
彼曰く、別れる時この様子を見せつけてやろう。
彼女はそれを聞いて笑みを浮かべた。
あぁ、どうやら天使ではなく悪魔だったのか。
いやでも良かった。
こんな悪女とは付き合っていられない。
僕の初めては本当の天使に捧げるんだ。
いってることが気持ち悪いって?そこは気にしないで欲しい。
彼女が見つかるかの問題はまぁなんとかなるでしょう。
僕はあの悪女に秘密にしていることが一つある。
一月後に求婚と同時に驚かせようとずっと秘密にしていたことだ。
実は僕ね、A ランク上級冒険者なんだ。
冒険者っていうのはA〜Fまであってね。さらにそこから下級、中級、上級って分類されるんだ。
その中でエリートと呼べるのはC中級からA中級まででね。
A上級は神の使いって比喩される精鋭揃いなんだ。
え?僕はどういった能力を持っているのかって?
隠密だよ。
僕の隠密って修行期間が普通の人より長かったせいか、隠密発動させると気付く人がいないんだよね。
ただ単に才能が開花しただけなのかもね。
怖いね。
そんでね、僕ね、今思い出したんだけどね。
前世日本人だよ。
今説明してる最中に思い出したよ。
だからなんだって話だよね。
だから僕は荷造りして今村の入り口にいるのさ。
もう村から出ることにしたよ。
僕だけ独り身の村ってなんなのさ。
っていうか長老世代の人達いないし、僕と同世代しかいないってどういうことよ?
もうリア充のラブオーラに充てられるのはたくさんだ。
僕が前世で最後に見た風景はイルミネーションで彩られて、ラブオーラの凄まじいリア充の溜まり場となった家の最寄り駅の広場だった。
とても...寂しいクリスマスの日だった。
....とでも思ったかい?
僕がこの世界に来た本当の原因は、友達とホームパーティーでケーキの早食いをやった。
そして、喉を詰まらせて今に至るわけだけどもね。
けど、不思議な事に今に至るまでどういった親に育てられたかに付いての記憶が無いんだよ。
この淡青色の髪に橙色に輝く瞳はどういった人物から遺伝したのか非常に気になる話だ。
でも身長が150満たなかったのは悲しいかな。前世だと165はあったのに。
という事で気晴らしに全力で走ってこの国の首都に来たよ。
距離は大体40kmぐらいなのに30分ほどで付いたよ。
やっぱり神の使いと喩えられる冒険者って化け物みたいな身体能力してるなって思う。
だって全然息切れしてないもの。
これ気づいたんだけど、チートなのでは?
でもそこまで努力した覚えはないから成長チートだろうね。
ここまできたらステータス見たいよね?
ほら、これが見たいんじゃろ?
ほれほれ
────
赤棺 柚葉 lv76
男 狩人
HP615
MP351
攻撃力420
防御力291
素早さ397
状態異常耐性A−
スキル
隠密lvEX
暗殺術lv8(8/9)(クリティカル率80%)
特殊スキル
地球の加護(ダメージ軽減20%)
オタク魂(状態異常耐性に二段階ボーナス)
狂人の目(命中率40%ボーナス)
忍者の血筋(素早さにボーナス)
乙女たる男(HP200、MP50ボーナス)
─────
な?チートじゃろ。
数値が思ったより小さいなんて悲しい事言わないでよ?
さて、今日はギルドでやけ食いだ。
大荷物でガチャガチャうるさい状態でギルドに入る。
ちなみにガチャガチャ鳴っているのは家に置いてあった鍋とフライパンと鉄の箸をリュックから吊るしているのでぶつかり合っている音だ。
正直とても目立つ。
そういえば本部に来たのって冒険者登録に来た時以来だから2年振りだな。
あの時も今と同じぐらいの身長だったけど、テンプレ的な事は無かったなぁ。
流石本部と言いたいぐらい統制が取れていて絡もうとしていた輩が他の冒険者に抑えられていたからね。
今回もそんな事は起こらずに酒場のカウンター席に着く。
「いらっしゃい、二年振りだな坊主」
「覚えていたんですか、マスター?」
「ああ、当たり前だ。こんな印象の強い人間に会うことなんぞ人生に一度あるかないかだ」
「印象の強いってこの見た目ですか?」
「あと声もな。もう20のおっさんとは思えん見た目をしているし、初めて見た時はどこかのご令嬢がお忍びで来たのかと勘違いしたさ」
「ははは、自分も20になったのに結局身長がこのままだとは二年前の自信は予想出来ないですよ」
「それはご愁傷様なこった。そういえば、幼馴染の彼女さんはどうした?元気にやってるか?」
「あぁ、それね。うん、確かに元気にヤってるよ」
「ん?ニュアンスが微妙におかしくないか?」
「そこに気付くとは流石マスターだ。僕の彼女...いや、あの女は天使の皮を被った悪魔だ」
「おいおい、どうしたんだ。平和な話じゃ無さそうだな」
「あの女は金髪イケメンと夜な夜な合体していたんだよ。しかもどう別れを告げるかヤりながら相談していた。するとあのイケメンは合体の様子を見せつけながら別れを告げてやると良いって言ったんだ。その時あの女はどんな反応したと思う?」
「あっ(察し)」
「なんか僕に見せた事の無いとびきりの笑顔を浮かべながら大賛成したんだよ....」
「そりゃ、お気の毒に...てか、なんでそんな事まで分かったんだ?」
「僕が『影の死神』って呼ばれているからに決まってるじゃない」
「いや、そうか。坊主が影の死神か。ん?つまり坊主はヤるのを分かっていて見に行ったという事か?」
「....」
「自分からダメージを負いに行ってどうすんだよ」
「いや、せっかくだからあの女の裸を見てやろうかと思ってさ」
「20のおっさんが何やってんだよ。もうガキじゃあるまいし」
「...仰る通りです。ということだからやけ食いします」
「やけ食いなんかせずに今日はもう休んだらどうだ?神の名が付いているという事はA上級なんだろう?ギルドの高級宿を無料で使えるんじゃないのか?」
「なにそれ初耳なんだけど」
「お前、ギルド登録した際に絶対説明があったはずだぞ。聞いてなかっただけじゃないのか?」
「確かにそうかも。登録が終わった瞬間に薬草集めとゴブリン退治に飛び出したし、その時に受付嬢が何か説明してた気がする」
「最後まで人の話は聞いた方がいいんじゃないか?」
「まぁ、だとしてもだ。ここで僕がやけ食いするのは変わらない」
「あーそうかよ。で、何にする?」
「どっさりチーズグラタンの巨漢サイズでトッピングはホワイトソース。それとふわふわスクランブルエッグのトマトソース抜きで勿論巨漢サイズ、ドリンクはジョッキでミックスフルーツジュース」
「それ、食べきれんのか?」
「食べきれなかったらアイテムボックスに保存するから問題無し。はいこれ料金」
「はいよ、確かに受け取った。んじゃちょっと待ってな」
この後規格外すぎてやっぱりアイテムボックスに保存する事になったのは言うまでもない。
しかしストックは無いです。
私としては早く第2話が読みたいんですけどね。
作者は私なのにね(笑)