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異世界(?)転生(?)させちゃった。  作者: クエンさん
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オークがある意味人を救う⁉

「…どうも。」

「どうも。」

十秒の沈黙は三分に感じられた。




 俺は出川直人。大学を卒業して大手の会社に入った。23歳独身だ。今、一番欲しいものを聞かれたら、真っ先にかの有名な名前を書いただけで人を殺せるノートをもらうだろう。なぜかって?それは、俺が新世界の神になるためだ!もちろん冗談だ。本当の理由は、、

「出川!言っていた書類今日のうちに完成できるんだろうな?」

 そう、デス〇ートが欲しい理由はこれだ。今、鬼滅のワイパーと同じぐらい話題な、パワハラ上司だ。こういう時いつも、適当な返事をするのだが、今日はガツンと言ってやる。

「僕が新世界n」

「なにか言ったか?」

「何もありません。今日中に絶対終わらせます。」



「もうちょっと早く終わらせられるようにしろよな。」

「はい。すいません。」

 なんか、もうしんどい。だが、土日は休みだ。ゆっくりしよう。

 俺は、家に帰る途中、すごい本を見つけてしまった。タイトルは『闇の儀式集6』だ。1巻から5巻までが気になるが、今それはどうでもいい。この儀式集の中にすごいのがあった。どんなものかというと、『うざい上司の右乳首をひりひりさせる儀式』というものだ。なぜ上司限定で右乳首限定なのかは分からないが、やってやろう。材料は、

 うざい上司の名字が書かれた紙

 牛乳

 BBレモン

 ニラ

だ。いろいろ謎だが、牛乳とBBレモンは冷蔵庫にある。ニラは、、、もうネギでいいだろう。あとは紙切れに『おくだ』と書いてこの四つをバケツに入れる。そして三分かき混ぜる。

 どんどん中が光ってきた。これで終わりだろうか、、、ん?バケツの中から何かが出てきた。なんだろう緑のボールのような、、

それはよく異世界転生系アニメに出てくるオークだった。

「…どうも。」

「どうも。」

十秒の沈黙は三分に感じられた。

 間違いなく原因はネギだ。そしてなぜ、よりにもよってオークなのだろう。かわいい妖精とかではないのか、、、あいつの名前だ。

どうしよう異世界転生させちゃった。

「あの、お名前はなんていうんですか?」

「名など、ありません。もし私を呼ぶときに困るのであれば、マスターが名前をお付けください。」

「マスターって俺のこと?」

「はい。」

 名前か。せっかくだし何かいい名前でも付けよう。じゃなくて、こいつをどうやって、元の世界に帰そう。もしかしたら『儀式集』にあるかもしれない。

あったわ。『召喚した魔物をもとの世界に戻す儀式』ってのが。

「まず、闇の儀式集2の63ページの儀式を終わらせる。その後、ニラをみじん切りに、、」

「、、、」

「マスターどうかされましたか?」

「2巻どこだよぉぉぉぉぉ!」

 俺は少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走って6巻の置いてある場所に行った。

だが、何もなかった。

「おかえりなさいませ。」

「ただいま、、」

 某ブラジル密林サイトにも2巻は売ってなかった。



 結局、俺はこいつとともに過ごすことにした。名前は『マリモ』だ。理由は頭だけ見えたときマリモに見えたからだ。 

 暮らし始めて二日が経ったが、マリモの生活力にはびっくりだ。特に料理がうまい。勝手に食材も買ってきてくれる。店員さんにオークとばれないのかは気にしないでおこう。

 俺は、マリモにずっと気になったことを聞いてみた。

「お前、元の世界に帰れなくて、寂しくないの?」

「さびしい時もありますが、この日常が楽しいので全然大丈夫ですよ。」

「そうなのか。」

「はい。」

「日常が楽しい か。」

「マスターは楽しくないんですか?」

「マリモといる時間は楽しいよ。でも会社の上司がなぁ。」

 マリモに言っても無駄だと思うが俺はパワハラ上司の愚痴を言った。

「そんなことがあったんですね。マスターの気持ちを相手に伝えないんですか?」

「伝えたいんだけど、言ったら会社クビにされるよ。」

「そんな物事を言いたいけど言えないとこで仕事をするのはよくないと思います。」

俺は、この言葉で自信がついた。



 月曜日、マリモが作ってくれた、ピザトーストを食べて会社に向かった。

「おい、ボケ川!コーヒー買ってこい!」

今日の俺は違う!

「嫌です。」

 ギョッとした目で周りがこっちを見てきたが全く気にしない。

「お前、俺の言うことが聞けんのか!?」

「聴こえていますが聞きません。」

 大丈夫だ。今の俺には主人公補正がかかっていr

「クビだ帰れ。」

俺は無言で荷物をまとめて帰った。正直終わった。



「ただいま。」

「おかえりなさいませ。」

 俺の顔と、夜に帰ると言ったのに3時に帰ってきた事から何となく悟ったのか、マリモは無言で、キッチンに行った。何をするのかと思ったらマリモは暖かいスープを作ってくれた。

「俺、違う職に就くことにするよ。」

「頑張ってください。」

 お母さん、女性でも、人間でもない方を好きになってしまいそうです。お許しください。


 結局俺は、この若さで、大卒ということもあり、何とか職に就けた。

ここは、前の会社と違い、上司はとてもやさしいおじさんだった。

 ここで、俺は美人に恋をするとはまだ、誰も知らない・・




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