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マグナムブレイカー  作者: サカキマンZET
第3章 西と東 赤の書編
104/170

第104話 喧嘩は図体だけじゃない!

更新です。久々の戦闘となります。

 ゆっくりと入口のドアを開き、中の様子を注意深く観察する。

 倉庫の中は暗がりで辺りは何も見えない状態だった。これでは暗闇から敵が襲われても対応できない状態だった。


「……暗いわね、ちょっと待ってて懐中電灯を――え?」


 懐から小型の懐中電灯を取り出し、辺り一面照らそうとした。が、修二に左手で静止させられて、懐中電灯を懐へと仕舞う。


「刑事さん、記憶力は良い方か?」


「えぇ、でもどうして?」


「今から、ここは少し眩しくなるからな。その明かりで敵が配置してる場所を暗記して、俺に教えてくれ」


 敵の気配を察知した修二は一華へ場所の暗記を頼んだ。


「何言ってるの? 相手は武器を持ってかもしれないのよ? 貴方が強いとはいえ……」


「ここは信じろ、数分で片付けてやる……やるぞ!」


 一華は修二が一人で全員を倒すという無謀な行動を止めたかった。が、ここは信用しろと強調され、信頼するしかなかった。

 そして修二は右掌に小さな『太陽』を作り出し、天へと向かって投擲した。


 天井に衝突した『太陽』は大きく目映い光を放ち、暗闇を照らした。すると周りには目映い光で目が眩む、武装した集団がいた。

 一華は修二を盾に辺りを確認し、敵の配置を全て暗記した。


「品川さん、記憶したわ」


「はいよ!」


 激しく照らしていた『太陽』を自然消滅させ、戦闘態勢へと入る。


「先ず、正面に五人いたわ。それから……」


「作戦会議はいらねぇ! ぶっつけ本番でやる!」


「ちょっと!」


 作戦を練るのかと思い、敵の配置を話そうとしていた。が、修二は先に暗闇へと走り入って行った。

 自分勝手なことに一華は怒りを隠せなかったが、暗闇から修二ではない悲痛な叫びが倉庫に木霊していた。


「次!」


 大きい声で修二は一華へ次の場所を尋ねる。


「……右ロフトに七人」


 すると物の数秒には敵であろうという叫び声が、再び倉庫内に響き渡る。


「次!」


「左ロフト、四人」


 一華はそう告げると鉄が大きくへこむ音が響き、左ロフトから靴の衝撃音が聞こえた。

 するとロフトから銃による発砲音等が鳴り響いた。が、それは無茶苦茶に周りへ発砲していて、修二の居場所を突き止められていなかったのだ。

 暫くすると発砲音は鳴り止み、静寂が倉庫を支配していた。


「電気点けるぞ?」


 暗闇の中から余裕ある元気な声で、修二から尋ねてきた。

 電気を着け辺りを見渡すと、そこには待機していた武装集団が倒れており、ロフトにもグッタリと倒れる者もいた。

 倉庫内は無骨な内装で郵送された木箱に囲まれていた。


「凄い……物の数秒で倒しちゃった」


 これに関しては一華も認めざる得ない状況となり、呆然としながら驚愕していた。


「だが、当の本人がいねぇ……」


 そう修二が気になったのは、海道を襲った『土の覇気使い』がいない事だった。


「逃げたとか?」


「横浜の時は動き止めて空っぽにしてから逃げたんだろ? じゃあ、このまま証拠品残して逃げる訳にもいかないかもしれねぇな?」


 それは修二の予測通りだった。倉庫の事務所から先程とは違う、覆面を被った大男と覆面集団が出現し、前へと立ちはだかる。


「まだリーダーは現れそうにないな。刑事さん、大男以外は任せる。できそうか?」


「……えぇ、任せて。貴方こそ、ここを任せても大丈夫なの?」


「なんとか頑張る」


「分かったわ……こっちよ!」


 真っ先に一華は大男以外へ威嚇射撃をし、倉庫から出て、広場で戦うことにした。

 大男以外の覆面集団は一華を捕縛するため、修二を素通りし、追い掛けた。


「さてと、アンタと俺とのタイマン勝負だ。アンタ無口そうだしな勝手な推測するぜ? 俺を無視してまで刑事さんを追いかけさせたってことは、アンタは幹部クラスの人間なんだろうな?」


 自分勝手な推理だが、確かに修二の言っている事は不思議と腑に落ちていた。


「……」


 大男は修二には返答せず、右足を大きく後退させ、右肩と上腕を修二に見せ、身体を前へと出した。

 何かしようとは察していた。それはアメフトやラグビーとかで見られるタックルの体勢だった。


「来いよ」


 修二はガード等せず、仁王立ちで大男のタックルを待っていた。

 その言葉を放ったと同時、遠くから大男は助走つけず修二へ猛烈に向かって行った。

 修二は避ける気配もなく真っ正面から受けるつもりだ。


「……」


 大男のタックルは修二の胸と腹に衝突し、吹っ飛ばず接触していた。大男は追撃として足にも膂力を込め、思い切り押す。


 押されている修二は足のみで耐え、後ろまで下がっていた。足へ力を込めている為、摩擦により焦げた靴跡が出来ていた。


 暫くすると大男から体力は切れて、大量に発汗させ、激しく肩で息をしていた。膝から崩れ落ち、虚ろな瞳で修二を見上げていた。


「図体はデカくても体力がねぇ見かけ倒しか……ほら、そこで休んでろ。もうアンタには用がねぇからよ」


 そう修二は何もしていないのだ。修二はただ立って、相手の体力が切れるのを待ち、力が掛かっている反発エネルギーのみで大男を倒したのだ。

 そして興味がなくなると右片手のみで大男の左脇を持ち、邪魔にならないよう端まで運んで行く。

 疲弊しきっている大男を座らせて、倉庫中央まで歩き戻る。


「おい! 次はテメェの番だ。早く出てこねぇとしらみ潰しに火の玉ぶつけんぞ!」


 それは隠れている者に対しての脅しだった。

 すると裏口からスポーツキャップを被り、口元を布で覆い、ブカブカのデニムを履いた。小柄の男が現れた。


「お前は確か海道で暴れたリーダーだな?」


「え、えぇ……そうです……」


 海道と出会った時より威勢がなくなり、脅えた様子だった。


「どうした? 何をそんなにビビってんだよ? お前も『覇気使い』なら、ここまで近づいて戦えよ?」


「そ、そうじゃないんです。俺、このギャングのリーダーとかじゃなくて……」


 するとリーダーと思わしき男の背後から、称賛するような拍手をしながら大男が現れた。

 その大男が前へ出ると、リーダーも後ろから追尾して中央まで修二に近づいて行く。


「へぇ~すっかりと騙されたぜ。アンタいい人そうに見えて、ソイツ等を操ってたな?」


「噂通りの実力ですよ。品川修二さん、貴方を是非とも仲間に引き込みたいぐらいですよ」


 その大男の正体は……水城将だった。


「おい、もう良いぞ。お前の犯罪歴は無くなった事にしてやるから消えろ」


「は、はい!」


 リーダーの男は脱兎の如く裏口へと逃げ出した。


「アンタみたいな奴は海道の時にはいなかったよな?」


 修二は懐から煙草を取り出し、ジッポライターで着火し、少し一服する。


「はい。俺は近くで観察していました。神崎忍を一目見ようと隠れていたんですよ」


「なんだよ。俺じゃねぇのか……そんで? その神崎忍に何か用があったのか?」


 東京にまで知名度があったのかと期待した。が、忍の名前がアッサリと出て、少しショックを受けた修二だった。

 ついでに忍を狙う理由を尋ねたのだ。


「会長が連れて来いとの命令だったんですよ。けど、もう海道にはいなかったらしいですね。少し骨折り損のくたびれ儲けな気分にさせられました」


「アイツはそういう奴だ。自分勝手な『最強』だからな?」


「でも、思わぬ収穫もありました。品川修二さん、貴方が『覇気使い』だとは……それも使いこなしている」


「前置きが長ぇんだよ。俺に一体どうさせようって言うんだ?」


 遠回しに何か伝えようとしているのが、気分悪くなり、修二は凄味で水城を威圧し、要件を尋ねたのだ。


「……そうですね。では、品川修二さん――私達の仲間になりませんか? 『覇気使い』しか存在しない世界を目指して」


「あ?」


「私達、『アトラス財団』の一員として働きませんか? それも貴方にとって損な話ではありませんよ? 神崎忍を……始末(・・)できるチャンスです」


 水城は修二に右手を差し出して握手を求めていた。

いかがでしたか?

もし良ければ誤字や脱字や意見や質問等があれば教えてください。

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