私に答えてください
雪の降る日。
幸せそうに笑う花嫁と、小さく口元を歪ませた花婿が祝福を受けました。
二人はとても幸せそうでした。
花嫁は花婿の手足になり、花婿は花嫁の愛を受けていました。
少しずつ、花婿の匂いは変わっていきます。
二人で過ごす2度目の夏。
花嫁は花婿の部屋で、見慣れない口紅を見つけました。
花婿は何も答えませんでした。
約束を違えない為に、口紅はなくなりました。
そして、二人で過ごす3度目の夏が訪れました。
花婿の匂いは、花嫁の知る匂いではありませんでした。