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愛される妹

初投稿ですね。あんまり長くしないつもり。

まりかにはとっても可愛い妹がいた。


まりかは生まれつき

色素の薄い髪と、ちょっとひ弱な色の白い細いからだつきをしていた。


2歳年下の妹りぃは

それに比べて


お日様のようにきらきらしていて


栗色の髪を色濃くカールし


生まれた瞬間から

両親も祖母も親戚も

皆の愛情をまりかから奪っていった。


「・・・・・お兄ちゃん、お母さんとお父さんはどこ?」


「・・・・りぃが魔女っ娘○○のお洋服が欲しいんだって。

デパートにお買いものに行ったよ」


2歳上の兄が気まずそうに視線をそらしながら告げる。


「・・・・・・・・そっか。」


まりかも魔女っ娘○○のコスプレお洋服は欲しかった。


でもテレビを見て

お母さんとお父さんに欲しいって言っても


眉をひそめ


まりかは欲しがってばっかりなんだから!と


お母さんに言われた。


まりかが欲しいって言った


シル○ニァファミリーも

セー○ムーンも


まりかはだめだったけど


全部りぃは買ってもらえた。


それでもうらやましくって

一度は使ってみたくって


こっそり、りぃがいなくなったのを見計らい

お人形さんたちにふれて

夢中で遊んでいたら


いつの間にか

もどっていたりぃが鳴きわめいて

両親に罵倒された



まりかは涙をにじませながら

叩かれた頬をさすり

幼心に悟ったのだった


お母さんもお父さんも

まりかのことは好きじゃない

りぃだけが特別なんだ・・・・・と。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


まりかの兄である、まことと、

まりかおよびりぃは


中等部から

私立愛誠学園に通っている。


本学園は

幼稚舎から高等部まで一貫教育であり


上は皇族、華族、財閥一族などかなりのお金持ち


中はまりかの家のような裕福な中流階級


下は優秀な奨学生で構成されている。


めったに編入生もいない

閉鎖的な学園において


今日もまりかは中庭で

1人お弁当を広げながら


ふーっとため息をついていた。


お昼の時間なのに、表情はどうしたって暗くなる。


2学年下の妹が入学してきてから

まりかの周囲は一気に友達がいなくなった。


中等部から

お友達だと思っていた女性たちは


りぃに何を吹き込まれたのか


まりかの悪口をこそこそ言い


教室では目もあわしてくれない


勿論お昼の時間も一緒にいてくれなくなった。



お家のお手伝いさんも


もはやまりかにお弁当をつくってくれないから


まりかは自分で

屋根裏部屋で発見した古ぼけたお弁当箱に

早起きして自分でつくったお昼ご飯をつめていた。


だからマリカの指は絆創膏だらけ


それだって

1人で食べるご飯は美味しくない・・・・・・


「ジャスミンちゃん、今日も一人なの?」


泣きそうになりながら顔をゆがめていたまりかは


聞きなれた柔らかいながらも芯の通った声に

眦に浮かべていた涙をはらって


ほっとして真上を見上げる。


「きぃ先輩・・・・・・・・・・・!」


そこには最近では日課のように

中庭でまりかを見かけては声をかけてくれる美貌の先輩がいて

本日も美しい容貌で

まりかを覗き込んでいた。


まりかの名前、それはジャスミン。



そんなことさえ

知らずに


「あなたの名前?意味なんてないわ。適当につけたのよ」


と言われる両親のもとで育ったまりか。



だから、初めて「茉莉花」が「ジャスミン」という響きだと知ったとき

それをきぃ先輩が教えてくれた時

まりかはとってもとっても嬉しくって生まれて初めて幸せな気分になったのだ。


「きぃ先輩。今日もご一緒におひるごはん食べれるのですか?」


きぃ先輩こと皇富公人は

まりかはよく知らないが

某財閥の跡取り息子であり


この学園のヒエラルキーの最高峰である

生徒会に所属する人間だ。


さらにいうと

生徒会長という


生徒会という組織の中でも

金持ち子息子女の

憧れを集めてやまない役職についている身分である。


そんな公人が一人中庭で

泣きそうになりながらお弁当をたべるまりかを見つけたのは


ひと月前のこと。


それ以来この優しい生徒会長は


まりかのもとを欠かさず訪れてくれるようになった


「その玉子焼き、美味しいそうだね。僕も食べてみたいな」


母親はノルウェー出身の

蒼く美しい瞳を柔らかく細め

公人が言う。


まりかは嬉しそうに

頬をバラ色に染めながら


これまた屋根裏部屋で発掘したお箸で黄色の玉子焼きをつまみ


彼のお口にさしだした


「今日は焦げずに焼けたんです。美味しいですよ。」


あーんと。


口に差し出す少女に


白皙の美貌、普段は氷の皇子と呼ばれる

両親の前でもいたってクールな青年が


一瞬驚いたような瞳を見開き

頬をわずかに紅色にそめる。


「。。。。。。あ、アーン」



そうしてパクリとその唇に少女の差し出した

黄金色のかたまり(別名ただの玉子焼き)をふくませた


「モグモグ・・・・・・・・・あぁ、なんて美味」


天国の味だねと無駄に美貌をまき散らしながら優しく微笑む。


いや、普通の玉子焼きですが


という突っ込みを誰もいれるわけもなく


まりかは心底嬉しそうに

うふふと笑った。


「バターを使ってみたんです。昨日のお夕飯の残りものが

運よくあったんです」


バターなんて普段は使えないもの


とはしゃぐ少女に、白皙の麗人は眉をひそめた。


「まりぃ、ジャスミン、困っていることはない?」


え、ありませんと。

きょとんと少女は答える。


公人はしばし沈黙しながらも

眉を寄せて再び訪ねる。


「何か欲しいものはない?いつもおひるごはんをおすそ分けしてもらっているお礼だよ」

何でもいいんだよ?

と。


考えあぐねて、困った表情でうなる少女に


それでもしつこく問いかけたあげく


やっと青年は満足のいく答えを得た。


まりかはやっと見つけた答えを嬉しそうに

でも遠慮がちに告げる。


「でゎ、…本当にいいのなら、一つだけ欲しいものがあります」


「何?!なんでも言って!いくつでもいいからね!」


満面の笑顔を浮かべ、催促する王子に


まりかはちょっと頬をそめ恥ずかしそうにうつむきながら言った。


「お、お弁当、お昼をつめる箱をいただいてもよろしいですか?」


最近、ふたのしまりが悪くなってしまったので・・・

と告げる少女に


公人は王子なくせにどこか腹黒な笑みを浮かべたのであった





お弁当箱、どんなのプレゼントされるのでしょうか

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