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終わらない


「「参ります!!」」

掛け声と共に風となった。

穴の空いた天井から差す月明かりが二振りの刀を煌めかせる。

俺とエルダが全力で押さえつけたハデスの身体は、無防備にその胴を晒していた。

「これで!」「どうですか!」

短く双子が疾呼する。

と同時に、目にも止まらぬ速さで一閃。

「……ガハァッ…………ハッ……」

ハデスは苦しげに息を吐いた。

俺たちはまるでダンプカーに轢かれたかのような衝撃に吹き飛ばされる。

「エルダ!」

必死で彼女に手を伸ばす。

そして、何とかこちらに引き寄せることに成功した。

俺の身体はエルダを抱いたまま床を転がる。

全身を殴られたみたいな痛みはあるが、なんとか無事だ。

「エルダ、大丈夫か?」

「はい。ありがとうございます」

声をかけると、エルダは微笑み返してくれた。

続いてハデスに目をやる。

奴はその身を地に預け、動かなくなっていた。

やった……んだよな?

「パパー!」「おじちゃん倒したよー!」

ライテとリンデが駆け寄ってくる。

ニコニコと、見た目相当の女の子みたいに笑った。

「ああ、よくやったな! 偉いぞ!」

両の手で双子の頭をそれぞれ撫でる。

「すごいです! あんなに強い方を倒しちゃうなんて」

エルダも二人をぎゅっと抱きしめた。

何だか本当の家族みたいな光景だ。

「マナトさん。ありがとうございました」

フィヨルさんだ。深々と頭を下げている。

「いえ、いいんです。自分でやると決めた事ですから」

「そう言っていただけると、私も少し楽になります」

それにしても、とフィヨルさんは続ける。

「これで私の贖罪も終わったんですね……」

倒れたままのハデスを見て、少し寂しそうに呟いた。

まだ思いを捨て切れていないんだろう。俺だってエルダのことは忘れたくても忘れられない自信がある。

でも、いつまでもそうしている訳にもいかない。

俺たちはハデスを倒した。けれど、まだユグドの危機は去っていないだろう。

「フィヨルさん、帰りましょう。ユグドを守らないと」

「そうですね……行きましょう」

俺たちも立ち上がり、部屋を後にしようとする。

しかし、

「ま……て…………」

声がした。

動かなくなった筈の男の声。

「我は……まだ……終わらん………………!

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