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あなたはどのきょーかがすき?  作者: ひなた
墾田永年私財法 しょーり
89/189

りか

「二人切りなんて、本当に照れ臭いですよ。それも、異性の方と……」


 頬をほんのりピンク色に染めて、かあさんは短距離走をちらりと見た。


「問題ない。わたしは、今更照れ臭いとは思わなかった」


 そんなかあさんに、色彩は微笑んだ。

 それが彼女なりの方法だったから。


 照れるかあさんを通常運行に戻してあげる為の。


 遠回りな優しさのつもりだったのだ。

 誰も気付かないほど、遠回りな優しさごっこ。


「羨ましいです。色彩様もミスターエックスさんも。私はそこまで、素直になれそうにありません」


 微笑み溜め息を吐いたかあさん。


「でも、私は思うんです。私が植物だとすれば、彼は太陽なのではないかと」


 よく聞くフレーズを口にして、かあさんは解説まで始めた。


「太陽とか、笑わせないでよ」


 えげつない真顔で、墾田ちゃんは言う。

 短距離走自身も、それに頷いていた。


 だから、かあさんは必死の解説。


 正直、理科用語が増えて短距離走は理解出来ていなかった。


 それでも彼女は語り続ける。

 自分の好きなものを、他の人にもわかって欲しかったから。


 魅力を伝えはするが、短距離走は全て自分のものとしたがっていた。


 誰もが求めるものを独り占めする。

 そんなことにかあさんは魅力を感じていた。


 自分でも称する通り、彼女はイメージほどのエリートではなかった。


 それでもエリートを気取るから、ストレスは酷かった。


 そして彼女は曲がってしまった。

 相手を見下ろして、優越感に浸っていた。


「わたしが悪かったのかな。それなら謝る。ごめんなさいね」


 過酸化水素水の得意は勝利へ繋がった。

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