ぎじゅつかていか
「ごめんね。時間が足りなかった」
そうは言っているものの、玉結びは笑顔であった。
悪びれる様子もなく、いつも通りの微笑み。
それが気に入らなかった。だから彼のSが発動してしまったのだ。
「悪いと思っているのでしょうか、本当に」
にやりと笑い、倒置は玉結びに歩み寄っていく。
それが気に入らなかった。だから彼女の愛は起動してしまったのだ。
「何をしているのよ。他の人と話すなんて、許せない」
倒置に対してそう言うのは、勿論シャープである。
独占欲。
そんなレベルですらなかった。
「皆様と仲良くするのはいいことだと思います。そのようなこと、仰らないで下さい」
優しい表情で、かあさんはシャープを止めた。
それを微笑ましく見守っていた。
ようにも見える表情を、彼女はしていた。
「そうゆうのウザい。仲良しこよしとかかっこわらね」
墾田ちゃんである。
いつも通りの言葉。
でもなぜだか今日は大人な微笑み。
「言わせてあげよう。キャラくらいは別にいいじゃん」
パイも同じであった。
言っていることはいつも通りなのである。
それでもなぜだか、妙に大人に微笑んでいた。
「時間なくても、頑張れ。作るくらい、しよう」
的が逸れて、ラッキーなんて考えていたかんな。
それに色彩は優しく言い放った。
彼女に他のことなんか関係なかったから。
ゲームというのはミスターの企画。
だから用意もしないのが気に入らなかった。
「そりゃそうだな。だって折角、ミスがゲームをって言ったんだから。可哀想じゃん」
短距離走に悪気はなかった。
そして、いつもよりも理解出来ていた。
あと少しだったのだ。
十分傷付き、ミスターは終了の道を選ぶ。
「第八回、ゲーム大会でしたっ」