えーご
「英語が一番人気のある教科デス」
自信満々な表情でミスターエックスは言う。
五教科の締めとでも言わんばかりの表情だった。
「だって、皆英語は使うでしょ?」
その言葉だけでは、共感する人は少なかった。
しかし、彼には絶対的な自信があるから気にしない。
「数学や音楽なんてとくにさ」
突然指名された二人は驚く。
「英語じゃないよ、数学は。勘違い乙」
すぐに冷静になり、パイは笑顔でそんなことを言う。
ここまで言ってもまだ、傷付けている自覚はないのだ。
そして自信満々のミスターだが、案外傷付きやすい。
「えっ!?」
驚くと同時に、ミスターは自信を失う。
「音楽のどこで英語を使うのぉお♫」
相変わらずのテンションで、シャープは問い掛ける。
しかしミスターはそのテンションに合わせられない。
「シャープとかって、英語じゃないの? そうですよね。わかってる。どうせ、どうせ違うんでしょ」
完全に自信をなくし、ミスターは言う。
彼は最早、主張を辞めそうな勢いだった。
「でもスポーツとかって英語だよな。うん、英語大事!」
ミスターが口を閉じていた。
だから、皆戸惑い沈黙となってしまっていた。
その中短距離走が言った。
彼の空気を読まないところが、今回は役に立ったと言えるだろう。
再びミスターは自信を取り戻す。
しかし、主張を再開しようとはしなかった。
「英語を使わずには、生きていけないと思う。今の世の中さ」
それがミスターエックス(短距離走?)による、最初の主張であった。