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あなたはどのきょーかがすき?  作者: ひなた
ミスターエックス げーむ
69/189

りか

「お楽しみ頂けるようなゲームになっているかどうかわかりませんが」


 自信無さげにしながらも、かあさんは物凄く笑顔であった。


「少々お待ち下さい。只今用意致しますね」


 最初の主張でも使われた、四つの箱を持って来させる。


 かあさんは、一日で三種類の種目に挑戦させた。

 少し男子向けとも言えるものであったが、皆楽しんでいた。


 空気砲、紙飛行機、磁石で魚釣り。


 そのレベルの、誰でも出来るようなゲームばかり。

 それでもかあさんは、必死に楽しませようと考えて来たものだ。


「総合の部、結果を発表致します。第一位、パイさん。第二位、短距離走さん。第三位、ミスターエックスさんでした。賞状も用意したんです」


 楽しそうに結果発表をすると、箱からファイルを取り出した。


「メダルは用意出来ませんでした。申し訳御座いません」


 ぺこりと謝るけれど、誰も責めたりする筈はない。

 賞状なんか用意して真面目だな、それが皆の印象であった。


 かあさんが渡した賞状は、画用紙に手書きで書かれた手作り感満載のものであった。


 驚くべきところはそこではない。


 三枚とも、もう既に名前が書かれていたのだ。


「ゲームの勝者はある意味私ではありませんか? 一位から三位まで、予想が大正解したんです! えへっ」


 負けた人たちは期待もされていないと。

 負けるだろうと思っていた、予想通りだと。


 その言葉はそのように、敗者たちを傷付けた。


 しかしかあさんの笑顔を見ていると、敗者たちもやがて癒されて行く。

 傷付いていた筈が、見る見る笑顔になっていく。


「第三回、ゲーム大会でしたっ」

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