えーご
「いつまで遊んでいるんですか?」
裏で行われている色彩の尋問。
それに気付いていない為、ミスターはそんなことを言っていた。
「でも、特に何もないからいいんじゃない? 大丈夫大丈夫」
「無理して戦う必要もないじゃん。そうでしょ? ちょっとくらい、休戦と行こう」
仲良さげに笑う墾田ちゃんとパイ。
二人のこの姿を見せられてしまっては、皆黙るしかない。
休戦、それに賛成せざるを得ない。
しかしそれでも、色彩の不思議は止まらなかった。
次の被害者はミスターである。
「どうしてそんなに素敵なの?」
うっとりしているような無表情で、色彩はミスターに問い掛けた。
いきなりそんなこと聞いて来るもんだから、ミスターは驚いてしまう。
「ミーは全然素敵なんかじゃないですよ。色彩さんの方がずっと素敵だと思うのデス」
恥じらいながらも、ミスターは微笑んでそう返す。
「そうじゃない。わたしは知りたいの。どうしてそんなに素敵なの?」
自分の求めている答えが返ってくる。
相手が倒れてしまう。
色彩の尋問が終了する条件はそれだけだ。
「じゃあ逆に聞きます。色彩さんはどうしてそんなにも素敵なのですか? それを教えて下さい」
質問にどう返していいのかわからず、ミスターは色彩の質問をそのまま返した。
そう言われてしまったので、さすがの色彩も困ってしまう。
そしてミスターが困った理由を理解した。
「わたしはわたしを素敵と思わない。相手、だからなんだね? きみを困らせてしまった、ごめん。きみが素敵な理由はわたしが探す。きみの素敵なとこ、わたしが一番知っていると思うから」
頷いて、色彩は笑顔を浮かべた。
ミスターが笑顔を感じる、喜んでいる感情ではない。
本物の色彩の笑顔を、ミスターは見ることが出来た。彼にとってそれはとても嬉しくて、跳ね上がりそうなところであった。
「謝る必要はないのです。ミーはユーにLOVEですから」
ミスターは、ニッと心から本当に嬉しそうな笑顔を浮かべた。