ぎじゅつかていか ~色彩、技術家庭科も出来る~
「じゃあ、技術はテストでやるぜ。休んだからもういいだろ?」
意外にも、かんなはそう言った。
そして紙のテストを配る。
彼が用意したのは、とても簡単なテストであった。
しかし、誰一人技術の知識を持ち合わせていない。
何一つ……。
「一位らしい」
十問中五問正解、五十点である。
そんな点数で、色彩は一位を取った。
他の人があまりにも壊滅的過ぎたから。
あまりにも酷かったから……。
「次は家庭科だね。それじゃ、玉結びしてみなよ。簡単でしょ、これくらい」
玉結びは、皆に針と意図を配る。
希望により、倒置と色彩は布も受け取る。
倒置は受け取ったクリーム色の布に、模様をどんどん描いて行った。
彼は、その為に薄ピンクの糸を貰っていた。
色彩は白い布と白い糸で何かをしていた。
他の人は不器用に、お題を達しようと努力していた。
「あー、こんなの出来ないっ!」
墾田ちゃんは途中で投げ出してしまう。
ギブアップしてしまう人も結構いた。
そんな中、倒置は黙々と作業を続けていた。
色彩はザ・芸術といった感じの作品を完成させていた。
「これじゃあ、勝者確定だね」
玉結びは色彩の腕を持つ。
それでもまだ、倒置は一人頑張っていた。
彼は本当に楽しんでいたから。
「色彩、技術家庭科も出来るよ」
八教科目、技術家庭科の勝者が決まった。