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あなたはどのきょーかがすき?  作者: ひなた
しょーねんしょーじょ
148/189

えーご

 少年は、かなり恵まれた環境に産まれた。

 人々からは羨まれる存在、の筈だった。


 少年は、賢さを持っていた。

 しかし持ち過ぎるがゆえ、他人と共感したり学び合ったり出来なかった。


 少年は、美貌を持っていた。

 しかし持ち過ぎるがゆえ、集まるのは”友”ではなく”ファン”や”妬みの言葉”であった。



 少年は、かなり恵まれた環境に産まれた。

 それは少年を鎖で縛り付けてしまう。


 少年は、賢さを持っていた。

 だからそれが嫌で、学びはせず遊びに没頭した。


 少年は、美貌を持っていた。

 だからそれが嫌で、普段は顔を隠し、出すとしても変装を続けた。



 期待の声に応えられる力は持っていた。

 それでも少年は、その声が大嫌いだった。それから逃げ出そうと、全てを振り払い、負け組としての人生を見ようと望んだ。


 それでも少年に、その気持ちなんてわからなかった。繊細な心を持つ少年だからこそ、平凡さは求めても近付くことすら出来なかった。



 少年は、かなり恵まれた環境に産まれた。

 それを一人の少女は憐れんだ。


 少年は、賢さを持っていた。

 しかしその上もいるのだと、教えてくれる大切な場所。


 少年は、美貌を持っていた。

 しかしその上もいるのだと、教えてくれる素敵な少女。



 自分が嫌いだった少年は、その理由を悟った。

 いつしか、自分を最も優れたものと、思い込んでしまっていたからだろう。

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