しゃかい
少女は”愛”を追求していた。
興味を持ったものを究めた。そうすることにより、愛が手に入ると信じていたから。
好きと言う気持ちを貫き通した。それが愛なのだと信じていたいから。
たとえ相手が作り物でも構わなかった。
それが自分の好きなもの。それならば構いはしなかった。
少女は”夢”を追求していた。
興味を持ったものを極めた。そうすることにより、夢に近付けると信じていたから。
好きと言う気持ちを貫き通した。それが夢になると信じていたいから。
たとえ叶うことのない物でも構わなかった。
それが自分の好きなもの。それならば構いやしなかった。
寂しかっただけなのかもしれない。
才能を持って生まれた少女には、人が寄り付かなかった。
だから孤独を紛らす為、感情を持たないものに愛を預けた。
拒絶されてしまうのが怖かったから……。
少女は”美”を追及していた。
興味を持った者を手にする為。そうすることにより、自分の幸せを知ることが出来ると信じていたから。
好きと言う気持ちを貫き通した。それが美しさだと信じていたいから。
たとえそれが自らの理想と異なっていても構わなかった。
それが自分が求めるもの。それならば構いはしなかった。