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あなたはどのきょーかがすき?  作者: ひなた
しょーねんしょーじょ
146/189

りか

 少女は研究をするのが好きだった。

 少女は嗤っているのが好きだった。


 そうすると褒めて貰えるから。

 皆に褒めて貰えるから、哀れな失敗者を罵り、常に頂点で研究を続けた。


 失敗などしたことがなかった。


 成功すれば褒めて貰える。

 失敗すれば叱られる。


 だから少女は、決して失敗しないよう勉強を重ねて慎重に実験をした。



 少女は外で遊ぶのが嫌いだった。

 少女は笑っているのが嫌いだった。


 そうするなと言われているから。

 皆がそれを拒むから、そうする子供を敗者と罵り、常に孤独の中研究を続けた。


 楽しいと思い笑ったことはなかった。


 仲間の為の笑顔は笑顔を招く。

 自分一人の笑顔は拒絶を招く。


 だから少女は、仲間と信じる人の為に作り笑顔だけを浮かべていた。



 天才と呼ばれる少女は、誰も自分を仲間と思っていないことを知っていた。

 それに気付いていないと思い利用しようとする、その心も知っていた。


 それでも少女は仲間と信じ、望むことをして喜ばせようとした。


 気付かない振りをして、自分を守っていた。

 恐ろしい大人から、恐ろしい孤独から。そして何より、恐ろしい自分から。



 少女は体を動かすのが好きだった。

 少女は大きな声で笑うのが好きだった。


 愛しい少年が教えてくれたから。

 少年がそれを望むから、以前までの自分を罵り、常に隣で笑おうと努力した。


 それを仲間(・・)が良く思わなくても、もう構わなかった。


 少女は自分が成長したと思い込み、変わっていないことに気付かなかった。

 そんな少女を、少年が守ってくれていた。


 だから少女は、これからでも変わっていける。

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