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あなたはどのきょーかがすき?  作者: ひなた
しょーりのおもい
135/189

こくご ~勝利の為~

「なぜ優勝したいのでしょうか、皆様は」


 ふと、倒置がそんなことを問い掛けた。


 そのようなことを問い掛けるのは、彼らしくない。

 自分の思いを語りたがらない倒置。だから、他人の思いを聞くことも少なかった。


 勝負に関係のないことは出来る限り話したくない。と言った感じであったのだ。


 そんな彼から問い掛けるので、シャープは少し驚いてしまう。


「対戦相手を応援したくなっただけです」


 どうしたの? そう問われるのが嫌だから、その前に倒置はそう言っておいた。


 その言い方はいつもシャープに向けるような、ツンとしたもの。


 だからその言葉が本当であるとシャープは判断。

 彼の提案を繋げることにする。


「そう言う倒置様は? 優勝への想い、語って欲しいな」


 提案者は初めに語る。

 それを礼儀と考え、シャープは話し易いようにする。


 そして彼にしかわからぬよう、メッセージを送る。


 ”悲しまないで。貴方は倒置でいればいい”


「決まっているではありませんか。国語と言う教科を背負っている以上、負けられませんから」


 一瞬、シャープによる嫌がらせかとも思った。


 しかしメッセージを見て、彼女の行動はやはり優しさであったと悟る。


 本当のことなど語る必要はない。

 国語代表として言えばいい。そんな意味を込めた、優しい言葉。


「やっぱりそれはありますよね」


 技術家庭科を代表する少年。

 かんなも玉結びも演じていない、皆の前での発言を苦手とする少年。


 そんな彼も、盛り上げる為に同意するような言葉を発した。


 折角、愛しい彼が提案をしてくれたんだ。

 それを無駄にする訳にはいかない。


 同じ思いの下、二人は努力した。


 その後の話でも、二人は彼の為に努力した。


 その努力に気付いているから、倒置は気付かない振りをする。

 そして、自信を持って宣言した。


「ぼくですから、最後の勝者は」

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