えーご
「ゲームが恋しくなってきました」
溜め息交じりにミスターは呟く。
そして気合を入れ直すと、英語代表として微笑んだ。
「玉入れをやろうぜ」
今日も短距離走は楽しそうに登場する。
準備物を見れば、玉入れをやりたいことくらい誰でもわかった。
比較的体力の浪費が少なそうな競技に、内心ホッとする面々。
そんな競技だからこそ、本気で挑戦しようと思ってくれる人もいた。
「僕、じゃなくてミーに任せて下さい。これは得意だと思います」
珍しく、ミスターがそう主張した。
自信を持つことが出来ない彼。
得意だなんて口にすることはない彼。
相当自信があるのだと思い、一度見守ってみることにした。
「我が術を見よ」
精一杯の低い声で言うと、ミスターは玉を集める。
そして左手で溢れるほど抱えると、右手で正確に投げ始める。
かなり狙って入れている為、正確は正確だった。
問題点はただ一つ。
力のなささゆえ、届かないことが度々あったのだ。
満面の笑みで、ミスターは投げる。投げ続ける。
彼はあまりにも楽しそうで。
他の皆は微笑ましく見守ってくれた。
その可愛らしさに、色彩は感激。
興奮を表情に出し、短距離走に言う。
「これが運動の力なんだねっ」