ごきょーか
一番人気の教科を決める為の大会が開かれた。
各教科を代表する少年少女が、この場には集まっている。
果たして、人気教科の称号はどの教科に与えられるのだろうか。
「まず名乗るところから始めましょう。私は過酸化水素水と申します。長いので、かあさんと読んでくれて構いません」
ピリピリした雰囲気の中、理科代表の少女が名乗った。
少女は肩に掛かる程度の緑色の髪をふわりと揺らし頭を下げた。幼い顔だが優しそうな雰囲気を持つ、そして何より特徴的なロリボを持った少女だった。
「僕はパイだよ、宜しくかあさん」
彼女に続き、数学代表の少年も名乗った。
くるんと可愛らしくカールする水色の短髪。少し丸めの体型で、素直で騙されやすそうな顔だった。
「倒置と申します、ぼくは。宜しくお願いします、皆さん」
空気が和み始めたのをみて、国語代表の少年も名乗った。
背中まですらりとまっすぐに伸びる綺麗な黒髪。幼さは残る顔だが、妙に大人びた表情を浮かべている。瞳は悲しさを写し、揺らいでいた。
「あたしは墾田永年私財法よ。敗者の皆とも宜しくしてあげる」
ぺったんこな胸を張ってそう言うのは、社会代表の少女。
淡いオレンジ色の髪は、太ももまで伸びている。だが、手入れが届いてなく所々跳ねてしまっていた。
一番の童顔で、背も低いので必死に背伸びをしている。
「ミーはミスターエックスです。よろしく」
無理に低い声で、英語代表である少年は言う。
少し跳ねる金髪、青い瞳。しかし鼻はあまり高くなく、肌の色も白くはなかった。