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73 「じゃがなぁ……まあ、今回はきっと色んな国が頑張るぞ?」


三人は無駄話を止めて建設的な話に移る。その結果、スコプを王の間に呼ぶ必要があるとなったので、彼女を呼んでくることになった。

“ピリピリ”している城内のその理由へ向かうスコプはもう全身が“ガクブル”だった。しかし、持ち前の演技力でなんでもない風を装うのだった。


ここにやってきたのは元気そうなスコプじゃ。

どこか不安そうな顔もしとる。

が、それもまあ、仕方がないのう。

ワシらって一応、伝説ってことになっておるし、緊張してしまうのも無理はない。それにしては元気な方じゃと思う。もしかすると、やはりなにも考えとらんのかもしれんな。


「参りました!スコプです!」

「よく来たのう。ダンジョン以来か?」

「そうです!あの時はすみませんでした!」

「その件はもうよい。また別の話じゃ」

「もうよい」というか、スコプに関してはマジでただのとばっちりじゃったからな。アクアスとパプリが微妙だったせいで、彼女まで巻き込んでしまったわい。


謝罪するべきじゃろうか?

でも、謝罪されたところでじゃしな。

ここは、フープの特訓で許してもらうことにしよう。

一応、ワシも一役買っておる訳じゃからな。ちょっとした交渉はしたわけじゃし、多少は罪滅ぼしになっているはずじゃろう。わからんけど。


「実はお主に師匠が着くことになった」

「……え、え?まさか?」

「そのまさかじゃ。フープ、これから頼むな」

「……よろしくね」

その知らせを聞いたスコプはポロックたちの前であるにも関わらず、口が開いて閉じないのだった。起こっていることが現実のことだと信じられなくて、どうしても体裁を保つことができなくなる。


「……本当ですか?」

「信じられんようじゃな。まあ、お主にとっては特別な存在か」

よくよく考えれば普通に憧れの存在である可能性も高いじゃろうしな。同じ女性で、同じ回復魔法で、同じ国に生まれて魔王を討伐しているのじゃから、普通に考えればそうじゃろう。


「本当にいいんですか?私なんかが弟子で」

「……いいよ。じゃあ、行こっか」

「行こっか?どこに行くんじゃ?」

「……瞑想できる場所」

もしかして、これからスコプはひたすらに瞑想を続けることになるのじゃろうか。そんなことになったら再会したときには全くの別人になっている可能性すらあるぞ。


こんなに元気なスコプに悟りが開けるのか?

あまりそういうイメージが沸かないが、向いているのか?

まあ、宇宙と交信したフープがこう言っているのじゃ。

そこにはなにかしらの根拠……根拠はないのか?まあ、よくわからんが、フープはそれをできると思っておるということじゃな。


「……じゃあ、行きましょ」

「え?もう行くんですか?二人で?」

「そう」

「スコプのことは任せたぞ。ワシには回復魔法のことはなんにもわからんからな。お主がワシの代わりに一流に育て上げておいてくれ」


スコプとフープの二人は王の間から抜け出す。

そして、どこか自然溢れる場所に行こうとしていた。

当然のようにそれに首を突っ込む気はないポロック。

彼はこれで明らかに見込みがある主要な三人のことをなんとかすることができたと安心していた。これで本格的にやらなければならないことはなくなったのだ。


これからどうするかのう。

定期的にパプリの様子は見る必要があるじゃろう。

しかし、それも定期的であればよい。

とりあえずはアヤツに任せておくことにしよう。あまりにも酷すぎるようじゃったらワシが力を貸す感じでいいはずじゃ。


アクアスも、なんか上手いことやっておるはずじゃ。

……そうじゃ。

アクアスで思い出したが、サファの猛者の話を忘れておった。

まあ、暇になりそうじゃし近くに行くとするか。向こうとこっちで連携を取ったりすればきっと楽に魔王討伐ができるようになるじゃろうし。


そもそも思ったのじゃが、他の国はなにしとるんじゃ?

他の国も魔王討伐に躍起になっていたりするのか?

じゃとしたらやはり協力するのがよさそうだ。

って、ワシの目の前にいるのはそれについて詳しく知っておる男ではないか。なんじゃったらこれからそれをすることができる男ではないか。


「ちなみになのじゃが、魔王討伐はこの国だけがやっておるのか?」

「今のところはな」

「他と連携することは?」

「今のところは考えていない。俺たちの手柄にしたいしな」

出た。ヘルシのよくないところが出たぞ?そんなことを考える必要なんて本当にあるのか?普通に世界が救われればそれでいいじゃろうが。


「それはよくないぞ。ヘルシよ」

「変に協力しても責任を押し付け合うだけだ」

「じゃがなぁ……まあ、今回はきっと色んな国が頑張るぞ?」

「どうしてだ?」

「今、アクアスが世界の色んなところを巡りながら、魔王の話をしておるはずじゃからな。きっとそれに感化される国王もどこかにはいるじゃろうし」


アクアスは今も色んな所で話をしていた。時には邪険に扱われることもあったが、基本的にはおおむね歓迎されていた。なぜかは知らないがアクアスは異常に話が上手だったからだ。


ちょっと寝たらお正月です!

皆さんもお元気で!

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