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むずかしい話

作者: 祁答院 刻

赤ちゃんの目は うつろな目

静止した深淵 みんなにのぞかれて

徐々に 色味をおびてくる

まだ 悪にでもそまりうる目


赤ちゃんの爪は おもちゃの爪

愛きょうとして ゆびに滞留する

実際 爪あとを残すには小さすぎて

その生きざまは まぼろしになる


ずいぶんリスキーな旅を経て

こうして“人間”の肩書を得た

誰かのふとしたクシャミ一つで

監獄の中だったかもしれない わたしたち

タンポポだったかもしれない わたしたち

結局 運がよかっただけ


子どもの世界は かんたんな世界

見知った場所 ものがたりは完結した

国境をこえた悲しみは ない

自分をちっぽけにみせるものも いない


少年の知識は 閉じこもった知識

まるで それが正義かというように

人工の自然を つらつら勉強する

ふるされた歌を 時間をかけておぼえる


日常のすき間から

たびたび濁流がながれこんでくる

理想社会のほつれから

たくさんの疑問符を胸にいだいてきた


ブラックホールは うつろな穴?

偉大な教典は おもちゃのことば?


分からない…分からない…

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