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うろ覚え遊園地(薔薇/ボールペン/遊園地)

「こないだは公園で済ませちゃったけど、今度は遊園地とか行きたいよね」


 大学の空き教室、薔薇の散らばるボールペンを器用にくるくる回しながら、彼は言った。こないだ私がママに持たされた水玉のハンカチも傘も気にしないというか、むしろ楽しんでた人だから納得だけど。あんまり変な柄のものとか気にする性質ではないらしい。


 と言っても、本人のファッションセンスが完全に終わっているとかそういう事はなくて、極々普通の、大学生男子あるあるな、普通のシャツにジーパンって感じの、ラフな格好をしてるわけだけど。


 私がボールペンをジッと見ている事に気づいたのか、彼は笑ってボールペンを回すのを止めた。


「ああ、これ? 同じ講義受けてる、ムキムキマッチョの奴に、こないだノート貸したお礼に貰ったんだよ。おんなじムキムキマッチョの奴と、いつも仲良しなんだけど、ツッコミ入れていいのか悪いのか、困っちゃうよな!」


 なんだっけ、薔薇って男の人同士で仲良しの暗喩があるんだっけ?


「遊園地って言えば、やっぱり観覧車だよなー、こんな感じの……あれ?なんかわけわかんない物体になっちゃったわ!」


 薔薇のボールペンで、ノートにうろ覚えで描いた、彼の観覧車は酷いものだった。横にジェットコースターらしきものを描き足して挽回しようとしたが、余計によくわからない絵になった。絵心はないらしい。私も笑ってしまう。


「やっぱ実物見ないとダメだなー、今度行こうよ」

「うん、いつにする?」


 なんにしても、本当に、私の彼氏は細かい事を気にしない性質のようだ。

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