コタツヒヨコ(こたつ/バナナ/ひよこ)
冬場、一人でコタツにくるまっていたけれど、なんだか寂しかったから、机の上に設置しているノートパソコンで覗いた通販ページで、「コタツヒヨコ」というペットを注文してみた。
コタツヒヨコは、人間の幼児くらいの大きさで、コタツで温まって大きくなるらしい。温かい時期でも、コタツの電源をつける必要はなくとも、コタツヒヨコが落ち着くという事で、コタツを置く事は推奨されるのだとか。でも、今はまだ冬なので、普通に一緒に、仲良く包まっている。
エサはバナナ。コタツヒヨコは上手くバナナが剥けないので、人間の私が剥いて食べさせてあげる。温かいバナナミルクにしてあげると、もっと喜ぶ。今度はまるごとバナナでもあげてみようかな?と思っている。
コタツヒヨコが来たら、一人暮らしが楽しくなった。家に帰ると、コタツから出て来てピヨピヨ出迎えてくれるし、一緒にコタツに入る相手がいるというのは、なんだか落ち着く。
「君が来てくれて良かった」
私が心からそう言うと、コタツヒヨコはピヨピヨ嬉しそうに鳴いた。
コタツヒヨコも、当然コタツニワトリに成長するのだが、その場合、鳴き声もコケコケになってしまうらしい。その代わり人を起こすのが得意で、電子的なスマホアラームは要らなくなりそうだが、このピヨピヨとした可愛らしい響きがいずれ聞けなくなるのだと思うと、今から少しだけ寂しくなる。
だけど、誰かと一緒にいるって、きっと。寂しいと嬉しいが一緒くたになっているものなのだ。コタツヒヨコと暮らし始めて、そんな事を今更思い出した。