表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙船のスクールルームにて  作者: かあなび1
第六部 アルゴル星の惑星にて
27/31

99年後 

 目が覚めたら、知らない人が、私の顔を覗き込んでいた。

 あれ?私、どうしたんだっけ。


 「目が覚めた?」

 「えっ。だれ?ここどこ?」

 「ここは、病院よ。あなたは、助かったのよ。私は、宇宙船の会社の担当者のベティ・アルゴル・スズキよ。」

 頭が、ボウっとする。

 「助かった?」ぼんやり思い出す。

そういえば、冬眠スリープして脱出したんだっけ。

 「パパとママは?」

 ベティ・アルゴル・スズキとかいう人の顔が、気の毒そうにゆがんだ。


 「あなたは、99年間冬眠していたの。お母様は、1年後に発見されて、平均寿命の108歳までご存命だったの。あなた達が発見されるまでは死なないって、がんばってたのだけれど、13年前に亡くなったわ。お父様は、まだ見つからず、もうすぐ100年たってしまうの。」


 99年。そんなに寝ていたのか。家族だけでなく、友達も、知り合いも、みんないなくなってしまっただろう。どうやって生きていけばいいのか。


 「あなたは、これを握りしめて眠っていたのよ。一緒に冬眠していたから、食べられるわ。」

 チョコマシュマロが手渡された。思わず、一つ口に入れた。


 甘さが口に広がった。ママ。。。。


 結局、助かったのは150人の乗員乗客のうち、たった13人だったそうだ。100年たってしまい、すべての捜索は打ち切られた。

 救命ボートの宇宙Aa1は、100年で尽き、最後の活動ー眠ったまま永遠に目覚めない措置ーを施し、活動を停止させる。救命ボートは、そのまま安らかな棺となったはずだ。。。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ