ビエッツェ・ジュピター・タナカの内緒話
スクールルームの運営は、とてもうまくいっている。
始めは、学年も出身も、バラバラの生徒たちのディスカッションなんて、どうなることかと思ったが、発表もうまいし、質問も鋭く、学年相応の興味関心がうまく折り合って、中身のある授業になっている。何より、お互いを尊重しあう雰囲気があって、非常にやりやすい。ケンカは、たまにロマーノ兄弟がやるくらいだし。あとは、教育プログラムに沿ってコンピュータがきちんとやってくれるから、大丈夫。サクラコのパッチワーク作成が、間に合うかどうか、ちょっと心配だけど。
そして、私の秘密も、上手い具合にバレずに済んでいる。
ジュニア・ハイの女の子たちは、カンがよさそうだが、この一年すっかり無重力バスケットに夢中で、他のことに気が回らないようだ。週末の互いの訪問や家族のレクレーションも把握しているから、ブッキングしていないし。
先週の、バーチャル登山は、楽しかったなあ。二人で眺めた地球の富士山の夜明けは、最高だった。登山も、リアル運動量70パーセント設定で、しっかり体力増強できたし。今度は、木星の夜景を歩いてみようかな。やっぱり地球のアルプスのトロッコ電車編がいいかな。宇宙船に乗りながら、毎週旅や登山が楽しめるなんて、最高!しかも、恋人と一緒に。
こうやってしっかりお金をためながら、一年半の婚約期間を過ごして、週末ごとにタダでデートを楽しんで、新しい星で結婚して、新しい家族を作って。ウフフ。生徒たちには、内緒よ。




