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第八話 新たな出会い


 王子を怒らせてしまった海斗とクシアは処刑を命じられたが王様たちが上手く立ち回ってくれたおかげで何とか追放という形ではあるが生き延びることができていた


 リリィ王女には強がって「心配しないで!!」とは言ったものの知らない土地に放り出されてしまい


 海斗「クシアさんが起きるまで待つしかないか……」


 幸いにも人気の少ない路地裏で降ろされたためクシアが目覚めるまで待つ事にした


 辺りはすでに暗くなっており追放された海斗は目を覚まさないクシアをそばに置きながら街の光を見続ける


 もう夜中なので仕事が終わりで酒を飲み酔っ払った人が流れつくように路地裏に迷いこんできてたので海斗は(大人になるってこんな感じなのか?)と思いながら流れ着く人々を観察していると大きな袋を抱えた同い年くらいの女の子を見つける


 その女の子は暗い路地裏が怖いのか辺りを見回して警戒するように歩いている 海斗は(あの子大丈夫なのか?)と心配していると……


 酔っ払いa「へへへ お嬢ちゃん ヒッ こんな夜中に一人かい?」


 酔っ払いb「にひひ おじさん達が家に送るよ」


 女の子「いえ 一人で帰れますから」


 酔っ払いa「そんな事言わずにさーこっちに来なよー」


 女の子「っ!? 離してください!!」


 同い年くらいの女の子は酔っ払ってしまった二人組に絡まれる、無視をするが酔っ払いはしつこく絡み続け嫌がっている女の子の腕を掴んで無理やり連れて行こうとしていた


 平和な日本でも見かける光景をを目にした海斗はとにかく困っている女の子を助けようと色々考えた……そして


 海斗「ウグァ!!ロシテヤルゾ ウァァァ」

 海斗はゾンビのようなうねり声を挙げて酔っ払いの二人に近づいていって助ける方法を思いつきそれを実行する


 文化祭で鍛えた演技力に加えて片腕と両足がない姿の海斗を見た二人組は情けない声をあげて逃げていき 襲われてた女の子もパニックになったのかその場から逃げ出した


 海斗「こんな所でお化け屋敷の驚かしスキルが役に立つとは思ってなかったな」


 意外なスキルの活躍によって人助けに成功ししばらく余韻に浸る しかし今はそんなことをしている場合ではないことに気付きクシアの所へ戻ろうとしていると


 女の子「あの……君は?」


 誰かが話しかけてきたので振り返ると襲われそうになってた女の子が場に立っていた


 さっきはよく見てなかったが茶色のロングスカートに髪は肩ほどの長さの薄い茶髪をしていてとても優しそうな顔立ちをしている


挿絵(By みてみん)

 海斗は見つめて目を合わせようとすると彼女はまだ怖がっているのか碧い瞳とは目が合わず勇気を出して話しかけたのが伝わってくる


 海斗「何故戻ってきたんだい?早く家に帰りなよ」


 醜い見た目をしているため話しかけられると思っていなかった海斗は突き放すように言葉を返す


 女の子「さっきは怖かったけど君は私を助けてくれたから……いい人なのかな?って」


 海斗「そうかい……だけど女の子が一人でこんな場所に来るのは危ないから気をつけるんだぞ?」


 女の子「うん……ありがとう」

 女の子のお礼を聞いた海斗は静かに頷いて手を振りもう一度クシアの元へと行こうと背中を向ける


 女の子「ねぇ……君にお礼がしたいの」


 この言葉を聞いてもう一度振り返るどうやらお礼をしてくれるみたいで海斗は内容を尋ねる


 内容を聞くと女の子は酒場で働いているらしくそこでご飯をご馳走して酒場の店主に宿泊させてもらえるように頼んでくれるとのことだった


 飯と安全に泊まれる場所が手に入るのですぐに「お願いします」と返事をする 右も左も分からない状態だったので着いて行かない理由が無い

 

 海斗「あんたを助けて良かったよ」


 女の子「あんたって名前じゃない……私の名前はエナって言うの君は?」


 海斗「俺も君って名前じゃないよ……俺はカイトって言う名前だ」

 お互い名前を名乗りカイトという日本の名前に異世界出身のエナは疑問を浮かべていたが気にせず海斗を酒場に案内しようとする


 海斗「危ない危ない 忘れるとこだった」


 海斗はそう言うと這って移動しクシアの元へと向かいエナは不思議に思いながら海斗に着いていく


 

 クシアのところへ着き揺さぶって声をかけるとクシアはゆっくりと目を覚ます


 クシア「カイト様?……ここは一体?」


 海斗「まずは着いて来て下さい話はそれからです 歩けますか?」


 こんな所で全て説明するわけにもいかないので着いてくるように言うとクシアは「ごめんなさい」と謝り立ち上がる

 海斗「エナさん この人もお願いできないかな?」


 エナ「うん……大丈夫だよ」


 海斗「ゴメンなさい……この人は命の恩人だから」


 エナ「そうなんだ……それじゃ案内するから」


 海斗の状態をみて色々と察したエナは海斗に背中を向けて腰を降ろす 突然のことに海斗は反応に困っていたがエナは「乗って」と一言だけ呟いた


 正直恥ずかしかったがここはエナの善意に甘える方が良さそうだったのでエナの背中にしがみつく


 この年で女の子におんぶされるとは思ってなかった海斗は(オカンにおんぶされて以来かな……)と過去の記憶を思い返しながら夜中の街を眺めていた


 海斗「エナさん なんであんな路地裏なんかにいたの?」


この世界では分からないが比較的に安全な日本でも女の子が一人で暗い場所を歩くのは危険なことだと考える海斗はエナに質問をする


 エナ「その前にさん付けを止めてよ 私のことは気軽にエナって呼んでいいから 私は今17で多分だけど海斗と同い年じゃないかな?」


 照れくさそうにしながら彼女は言葉を返し海斗のことを呼び捨てで呼んで笑っている


 それを聞いた海斗は「確かに同い年にさん付けはおかしいか……分かったよ エナ」と呼び捨てで呼び返し酒場までの道中で色んなお話をした


 自分は異世界からの使者だというのは隠した方が良いと流石の海斗も理解していたので話の六割近くは嘘になってしまう 海斗はこんなに嘘をつくのは初めてでボロが出ないか心配していた


 しかしエナは騙されやすいのか疑うことなく海斗の嘘を信じて相槌をうって話している


 時々クシアの方にも話を振っていたが歩くのもやっとな状態だったので次第に二人だけで話すようになり楽しくしているとエナが働いている酒場まで到着する

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