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番外編 エナの日記(セルク村2)


DAY 26

 今日も色々あってまずはアリスちゃんがダイナ族だった事と私の故郷が何かを隠していてそこに潜入調査をすることになった事かな


 何回かアリスちゃんを見て怖いって思ってしまったのは過去の記憶か何かが遺伝子レベルで刻まれているって事なんだと思う でもアリスちゃんはそんな事しないって分かってるし私は差別しないでこれからも接していきたいって思う


 それで話を進めているうちにベルさんの姿がいきなり変わって天使の人が出てきてその天使からは私の故郷のソルセリを調査して欲しいって言われた


 海斗とクシアはその天使に対してあまり良くは思ってないのか分からないけど何か嫌そうにしてたのが印象に残ったしクシアのあんな顔初めて見たかも


 でもあの天使も頑張ってるみたいだし一生懸命な天使だと感じたからきっとクシア達との間に何かすれ違いがあったんだと思う


 それでソルセリが怪しいって話になったけど……あんまり信じたく無い


 私の故郷って事もそうだし何よりもずっと憧れていた魔術学園で魔法を学びたいって小さい頃から思っていたから……でも今日でその学園に入る事になったんだけどね


 突然やってきたチャンスでしかも推薦で行く事になったから本当に驚いてばっかりだなー


 それに海斗も一緒に行くしとても嬉しいんだけど 海斗は魔法の適正とか大丈夫なのかな? そんな事気にしても仕方ないけど海斗なら何とか大丈夫だと思う


 でも嬉しい気持ちもある反面で怖さもある その一番の理由がお父さんとお母さんの事で私は過去にソルセリに住んでて両親と一緒に外に出て魔法の勉強をする日常を送ってた


 お父さんとお母さんも魔法の研究をするのが主な仕事で学園の関係者だったのかな?あまり詳しい事は聞いても教えてくれなかったのは覚えてる


 私が魔法を使えるようになったら喜んでくれたし私もそんな日常が好きだったんだけどそんな日常は長く続かなかった


 その日のことは鮮明に覚えてる 両親はいつものように「魔法の練習だ」と言って私をいつもの外の森に連れて行ってくれたけどその日のお父さんとお母さんは何か焦っているようにも感じた


 幼い私は少し違和感を感じるくらいで気付かずにいつも通り魔法の練習をしていたら複数の魔物に襲われてしまったの…………


 当時の私は泣き喚いてお父さんにくっつくことしかできなかったしこれ程自分の力の無さを悔やんだ事は無い


 お母さんが私を抱き抱えて走りお父さんが迎撃する感じで戦ってけど敵の魔物が強いみたいでお母さんは私に「早く行きなさい!!」って必死に叫んでお父さんと必死に戦って魔物を食い止めていた


 当時の私じゃ足手まといなのは当然だし私も二人を信じて泣きながら全力で走って逃げた


 どれだけ逃げたか分からない……靴が擦れて血が出るくらいには走って夜になって不安で不安で泣き叫びたかった


 疲れも溜まって絶望的な状況の中木の根本に空間ががあったからそこに入って一夜を過ごす事にした


 魔物に襲われないか怖くてたまらなかった それにお腹も減ってしまっていた お母さんから貰った袋の中にリンゴが入っていたけど果物だけじゃお腹いっぱいになんてならなかった


 そして疲れ切った私は魔物に襲われない事と早くお父さんとお母さんが助けにきて見つけてくれる事を願って眠りについた……すると私はどこか知らない村の宿屋で寝ていたの


 自分でもどうなったか分からず混乱していると宿屋の人が来て話してくれた


 宿屋の人が言うには木の根本で寝ていた私を獣族の獣人が保護してくれたらしくここまで運んでくれたらしいそして親からの手紙があってそれに「ソルセリには帰るな!!」と一言だけ書いてあった


 手紙を送ってるって事は生きてるって事だろうし帰ったら駄目な理由が思い浮かばなかったけど何か怖くなってしまって今まで帰ろうともしなかったしできなかった


 そこから色々あってアスフェアに出会ってフラガさんとニコス達と出会ってそして海斗に会えたからあの日助けてくれたらしい獣人の人には感謝してもしきれない


 いつか会えたらお礼を言いたいけど……顔も名前も分からない でもいつか会えるって信じてる


 怖いけど大好きなお父さんとお母さんに会って色々と話しを聞いてみたいし海斗の事も紹介したいと思う


 その為にも今を頑張って海斗と一緒に学園に行けるように頑張っていこう!!


 DAY27

 学園の調査が決まったけど新たな問題が発生してしまった


 薄々感じてた事だったけど海斗は魔法の適性が低い方でこれだと魔術学園には入れないかもしれない


 そうだからかクシアから基本的な魔法をアリスちゃんと一緒に勉強していて海斗には説教するような感じで厳しくしてた


「魔力については私が教えたはずですよ?」みたいな事を言ってたから多分だけど海斗がクシアの授業をサボってたか聞いてなかったんだと思う


 でも今回は違うのか分からないけど海斗は一生懸命に話を聞いててそのおかげか魔法で火を起こす事に成功して頑張ってたからしっかりと褒めてあげた


 でもルーゼさんは色々納得してない様子で深く話を聞いてみたら海斗を魔術で女の子にするんだって


 突然で驚いたけど学園に潜入した後に集まって作戦を立てたりする時なんかは同じ性別の人同士が目立ちにくかったりするし詳しく分からないけど海斗は学園にいる王子に顔が割れているらしく話によると攻撃したんだって


 本当に何してるのよ……ってツッコミたかったけどそのおかげで今は憧れの場所に行けるかもしれないから海斗には感謝しないといけないね


 色んな理由があるみたいだけど一番の理由は変装して顔バレを防ぐという事が大きそうでルーゼさんが言うには修行の側面もあるみたい


 でも海斗は女の子になっちゃうのか……できれば今の姿がいいんだけど色々と仕方ない部分はあるよね という事は下着だったり服だったり色んなの買わないといけないんじゃないかな?


 取り敢えず明日買いにいってみようかな、サイズは……私と同じで大丈夫だよね? 私より大きくなるなんて事は無い……はず  嫌な予感がするからやっぱり魔術が終わった後に買いに行こう


 

 DAY28

 昨日の嫌な予感が当たってしまった……今日は海斗が女の子になった、どこがとは言わないけど私よりも色々と大きくなってしまった


 黒髪のロングヘアにクシアみたいな肉付きになってしまったしこのまま学園に入ったらどうなるんだろ……何かモテそう


 さらに元が男の子だし癖とか言葉遣いとかが治らなかったら女の子が寄ってきそうな気がするから男の子にモテるようにこれから海斗を女の子らしくさせていかないと


 それに名前も新しくなってカンナって名前になった 女の子らしくて可愛い名前だけど学園に入ったらうっかり元の名前で呼ばないように気をつけないとね


 その為にも海斗……じゃなくてカンナには色々と頑張ってもらわないと


 DAY29

 海斗が女の子になって1日経った 原理はよく分からないけどカンナになってから魔法がそこそこ使えるようになっていた


 出力とかはまだまだだと思ったけど最初に覚えた風と炎の魔法はかなり良い感じだったから面接の試験でも大丈夫だと思う それよりも態度とかの方が問題かもね


 色々とあって海斗は付け焼き刃の対策しかしてないけどマールさんの推薦なら多分大丈夫だよね?


 気にしても仕方ないけどあまり時間がないからカンナの魔法の練習と面接をしっかりと見てあげようと思う


 DAY30

 今日は一日中カンナの面接の態度と魔法の練習をした 少しぎこちない感じだけど段々と女の子っぽくなってきたと思う


 明後日には試験と面接みたいだからもっと違和感を無くしていけるようにしないと


 DAY31

 いよいよ明日が面接の日で何度もカンナとシアと一緒に練習をした アリスちゃんが遊んで欲しそうにしてたけどマールさんが優しく理由を説明して代わりにフェンリルと遊ばせてたみたい


 明日は色々と緊張するかもしれないけど今までやってきた事をしっかりしてればきっと大丈夫


 そして好きな人達と一緒に学園で学んで行きたい!!



 DAY32

今日は待ちに待った学園の面接の日だった。本当に数年ぶりな故郷を懐かしむ暇なんてなく面接に集中したかったけど色々と考えてしまう事はあったかな……


 色々と思う事はあったけど志望理由や魔法の試験は最高の出来だったと思うし結果は多分大丈夫だと思いたい


 それに面接官の先生が二人いて一人は銀髪の優しそうな雰囲気の先生でもう一人が青髪の綺麗な女性の人で真面目そうな雰囲気を感じたし女性の先生は水や氷に関する魔法が得意なようでその先生から色々学んでみたいって思ったかな


 他の二人にもどんな先生なのか聞いてみたらシアはメガネをかけた真面目そうな先生でカンナは緊張のあまり覚えてないって……カンナがいうには「終わった……」って言ってたから本当に不安になってしまった


 お願いします 全員で学園に行けますように!!


 DAY33

 面接も終わり結果が出るのは明日なので今日はアリスちゃんと一緒にたくさん遊んだ


 カンナも昨日は死んだような顔をしてたけど寝たら忘れるタイプなのか普通に元気だったし私も見習いたいって思った


 アリスちゃんも楽しそうにしてたし海斗が女の子になって大人っぽい感じになったからか知らないけど海斗の時よりもカンナになった方がアリスちゃんが懐いてくれているように感じたな


 それ以外は特に何の変化もなかったけどこんな平凡な日常が私は大好きだし大切にしていかないといけないって思った



 DAY34

 今日は面接の結果がでたんだけど全員が合格していたみたいで良かった


 カンナがずっと暗い顔をしてたから少し不安だったんだけどひとまずは安心なのかな?


 というより合格できてた事に驚いてたみたいだし当日はどんな有様だったのかが気になるな というより見てみたいなー……なんてね


 そんな事よりも全員一緒に楽しい生活が送れそうだし何か分からないけど普段よりも皆んなとの距離が近づいたような気がするから調査も学園生活も楽しんでいきたい!!



 DAY35

 学園生活を送るために色々と準備をしないといけないから今日は制服の採寸をした 色は青を中心としたもので女子が白色のリボンと青色スカートを着るんだけどこれがとても可愛い


 でもスカートがかなり短い感じがするけどずっと憧れてた場所なんだからこれくらいどうって事はないね 後女子は靴下とかは自由らしいから後で買いに行こうかなって思ってる


 カンナも採寸してたけどずっと嫌そうにしてて最後までマールさんに「男の制服は駄目なんですか?」って粘ってたけど却下されてたのが少し面白かった 元々男の子なんだから仕方がないよね


 なんかカンナを見てたら妹ができたみたいでこれはこれで楽しいって感じた 色々大きくてあれだけど明日はクシアと一緒にカンナに色々と教えてあげたいと思う


 DAY36

 今日はクシアと一緒にカンナに色々と教えてたりした 具体的には女の子らしい立ち振る舞いや言葉遣いとか


 面接では上手く誤魔化せてたかもしれないけど昨日もそうだったけど今のカンナは女の子としてみたらかなり違和感があるから一日中付きっきりで教えた


 慣れてないから無理もないけど上の下着を上手く着る事ができてなかったからこれは早めに覚えないといけないかも あんなに大きいとクシアも大変そう……


 それでカンナは一日中困ったような顔をしてたけど必死になって変わろうとしていたからこの調子で頑張ってほしいって思った


 DAY37

 昨日の指導のおかげもあってか大分マシにはなったけどまだ少しだけ変な感じがするけど今日はカンナと一緒に魔法の特訓をした


 カンナがいうには試験に合格できたのは奇跡レベルらしくこれだと学園に行ったら馬鹿にされるどころじゃないらしかったから


 だから一緒に特訓してたけどカンナがいうほど酷くはないとはおもったかな 確かに足りない部分はあるとは思うけど今の状態で冒険者になってもそこそこ良いスタートが出来るくらいにはできてるからそんなに心配する程ではなかったと思う


 異世界からの勇者ってのもあってか色々と恵まれてはいるんだなって改めて感じたけどこれからも一緒に頑張っていきたい


 DAY38

 今日はカンナと軽い模擬戦をやってみた 結果は私が勝ったんだけどこれまでの特訓のおかげかカンナも魔法がかなり上達してた


 特に風と炎の魔法の成長がすごくてこれだけなら実戦でも通用するレベルだとは思う


 これは仕方ないとは思うけど立ち回りが上手くできてなかった感じがする これは前までは近距離で戦ってきたからいきなり変えるのは難しいよね……


 でも手で魔力の形をした剣を作ってたから自分なりの戦い方を見つけたんだとは思うしカンナ自身が「こっちの方がしっくり来る」なんていってたから学園でもこんな感じでやっていくって事かな?


 見た目は大きく変わったけど色々と変わってない部分もあって少し安心した


 明後日には向こうに出発するからもう少しでこの生活とお別れになるって考えると少し寂しいな……


 DAY39

 いよいよ明日はソルセリに出発する日だから今日は色々と準備をした とは言ってもそんなに大荷物がある訳ではないんだけどね


 大部分はクシアと一緒にカンナの準備の手伝いをしていた 実はクシアも顔を覚えられているかもしれないって事で今までは金髪で青い瞳をしてたんだけど今は黒髪になって瞳の色も遠目にみたら黒くなってた


 実際近くで見てみると薄い茶色になっててカンナがいうには元居た世界のニホン?って場所の人は今のクシアみたいな人が多いらしい


 清楚って感じがしてとても綺麗だしカンナが居た世界の事も気になったけど カンナ……じゃなくて海斗達はこの世界を平和にしたら元の場所に帰ってしまうんだよね?……


 でも今はこんな事考えてても仕方ないか……だからこそ楽しんで思い出をたくさん作っていきたい



 DAY40

 今日はソルセリに向けて出発した日だ 出発前にアリスちゃんやマールさん達と色々話したりしたけどマールさんから「楽しんできて欲しい」って言われた時は結構意外だった


 てっきり「調査の事を忘れないように」みたいな事を言われるって思ってたから……


 後はアリスちゃんがとても寂しそうにしてたな まだ一緒に遊んだりしたかったけど色んな問題があるからソルセリには連れていけないよね……


 その代わりと言ってもなんだけどアリスちゃんにはフェンリルのお世話を任せる事にしたらしい


 そもそも学園に連れて行けるような魔物じゃないから仕方ないよね……でも契約獣として連れて行くのはアリとは思ったけどフェンリルってなると色々話は変わってくるからアリスちゃんにお世話させるって形で落ち着いたみたい


 でもカンナがいうにはどんなに離れていてもフェンリルを呼び出す事ができるらしくその魔法はクシアとマールさんに教わったらしい


 それとルーゼさんに飴玉をもらっててその飴を食べると元の男の子の姿に戻れるんだって


 万が一の時のためらしいけどどんな時になるのかな?色々と不安な要素もあるしあくまでも学園とその国の調査が目的で何が起きるか分からないから念には念をいれてって感じなのかな


 それで寂しそうなアリスちゃん達と別れを告げて今はクシアとカンナの三人でソルセリの宿に泊まっているけどカンナは「何だか嫌な予感がする……」って言ってアスフェアがそれを馬鹿にしてた


 海斗の勘は結構良かった感じがするからもしかしたら当たってる可能性は高いかもしれないね


 色々と不安はあるけど明日からいよいよ憧れの場所での生活が始まるから気を引き締めて行きたいし友達もたくさん作れるといいな……緊張するけど頑張っていこう!!

 


 

 

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