第六十二話 競技祭10 戦い方
カリーナ?「でもさー あの防御壁はどうやって突破すればいいのよー」
A生徒「仲間割れか?」
戦いの最中だがカリーナは突然叫び出す、身体は一人だが意思は二人分あるので心の中ですれ違いが起きており側からみれば独り言を言っているように見えてしまう
カリーナ?「ですから何で0か100の出力で極端になるのですか……さっきから私が言ってるように小回りがきく戦法でいきましょう」
カリーナ?「分かった……私のミスだから次はカリータに合わせるよ」
A生徒「……戦い方を変えるのか?」
カリーナは独り言で納得したような雰囲気を出したかと思うと集中して手に魔力を纏って先程の大きな大剣ではなく短い剣を作り出してそれを両手に纏わせて二刀流になっている
カリーナ「ツイン スピリッツセイバー!!」
A生徒「軽くなった剣で俺の防御を破ろうというのか?」
一撃で防御壁を破られてしまう事を恐れていたA生徒は二刀流になったカリーナを見て余裕の表情を浮かべている
カリーナ「やってみないと分からないですよ?」
A生徒「やってみやがれ!!」
A生徒は離れた場所から攻撃を再開しとてつもない量の弾幕がカリーナを襲う
カリーナ「全て切り落としてみせます」
両手となり手数は増えたので魔力弾を弾いて切り裂きながら最短距離で近付いていく
A生徒「攻撃力が大きく下がった分さっきよりも素早いな……それに動きもだいぶ変わったしさっきと同じ奴とはとうてい思えん」
カリーナ「これくらいの弾幕では私を止められませんよ」
A生徒「チッ 戦いにくい相手だ しかしこの防御は簡単には破れまい」
そう言うとA生徒は手を正面に掲げて防御壁を硬くして守りの体制に入りカリーナが攻撃をするが弾かれてしまい傷一つすらついていない
A生徒「その程度の攻撃で……」
しかし攻撃は弾かれてしまい届いてないがカリーナは防御壁の同じ場所を目にも留まらないスピードで斬り続ける
A生徒「喰らえ!!」
黙って攻撃を受け続けるだけではなく至近距離で呪文を唱えて攻撃するが回避されてしまい集中的に攻撃され続けて
パキッ!!
カリーナが集中的に攻撃した甲斐もあって今まで突破できなかった防御壁にヒビが入りA生徒は焦った表情になる
A生徒「クソ!!」
カリーナ「これで砕けてしまえ!!」
ありったけの力を込めてヒビが入っている部分を攻撃するとA生徒の周りを覆っていた防御壁は粉々に砕け散ってしまう
カリーナ「トドメです」
カリーナはチャンスとばかりに追撃して倒そうとするが……
A生徒「調子に乗るなよ」
次の瞬間にA生徒は飛び上がって距離を取り宙に浮かんでおりカリーナはそれを見上げている
カリーナ「そういえばあんたらは空を飛べるんだったな」
A生徒「自慢の近接攻撃が効かないなら他の奴らの所にでも行ったらどうなんだ(最初からこうしていれば)」
A生徒は別の戦場を指差しており体力を残す作戦に変更する その理由としてカリーナは空を飛ぶ事ができない為空中に浮いている相手には相性が悪く魔法の撃ち合いでは負ける事がないと確信したためである
カリーナ「…………(優勝候補のこいつらはここで倒したいんだけどな……)」
A生徒「撃ち合いじゃ俺には勝てないぞ さあどうする?」
カリーナ「上から喋られるとムカつくからあんたを先に倒していくよ」
A生徒「そーかい やってみやがれ!!」
挑発されたA生徒は高速の魔力弾をカリーナに向かって放つ
カリーナ「ブレイズフレア!!」
カリーナは炎魔法の呪文を唱えて対抗し魔法同士の撃ち合い勝負となりぶつかり合っている
カリーナ(防御壁を張れてないからたくさんの魔力を使わせてしまえば それに浮遊しているから魔力の消費はあちらが多いはず)
敵の魔力の消費が大きいと判断したカリーナは敵の魔力切れを狙って魔法を撃ち合う持久戦に持ち込んだ
バトルロワイヤルでその後も戦いは続いていくためここで大きな力を使いたくはないがAクラスという強敵は倒すまではいかなくても消耗させる事くらいはしておきたかったのだ
カリーナ(それにしてもあいつらは全然疲れてないな……あんなに魔法を撃ってるのに息切れすらしていない)
しかし敵は疲れる様子もなく魔法を打ち続けておりカリーナは異変を感じとる
A生徒「まさかとは思うが俺たちの魔力切れをねらっているのか?」
カリーナ「……そうですね そろそろ疲れてきたんじゃないですか?(余裕そうにしてるけど)」
A生徒「笑わせるな お前らとは魔力の量も魔法の練度も大きく違うんだよ馬鹿め」
Aクラスの生徒は魔力を効率よく扱う術に長けており更には元々の魔力量がカンナとカリータよりも多い事から魔力の量には大きな差があるのだ
カリーナ「敵の得意分野で勝とうとする事が間違っていたって事ですか……」
A生徒「今さら気付いても遅い」
カリーナ「そういえば先生もどれだけ自分の得意を押し付けるかが重要だと言ってましたね」
A生徒「その得意な事も通用しないのは相手が悪かったな」
カリーナ「……あなたを諦めるしか」
敵を倒すのを諦めて他の所へ行こうとすると心の中でカンナが声をかけてくる
カンナ(カリータ!!私はここであいつを倒すしかないと思ってるよ)
カリータ(でも……このまま不利な戦いを続けるよりも他のクラスを脱落させにいく方が)
カンナ(確かにそれが良いかもしれないけど あいつらは以外とハッタリをかましてる可能性もあるんじゃない?)
カリータ(そんな事ないでしょ 全然余裕そうにしてるよ)
カンナ(さっき気付いたけどあいつらは防御壁を展開せずに攻撃を受ける瞬間だけ上手い事発動させてるだろ)
カンナ(予測だけど魔力はまだあるけどかといって無駄遣いできるほど余ってる訳じゃないとは思うんだ)
カリータ(でも 私達の魔法は簡単に防げるからあんな風にしてる可能性も)
カンナ(それなら全身を包んで攻撃に全ての意識を集中させて私達を倒しに来ると思う)
カリータ(……分かりました カンナを信じます それで何かいい作戦は?)
カンナ(賭けになると思うけど…………)
カリータ(……やってみましょう)
心の中で会話をしたカンナとカリータは作戦を決めて再び立ち向かう事に決める
カリーナ「私は諦めが悪いですからあなたを倒します」
カリーナは地面を蹴り上げて跳んでA生徒の方へと突っ込んでいく
A生徒「馬鹿な奴め 空中じゃお前は的になるだけだぞ」
絶好のチャンスとばかりにありったけの魔法で空中にいるカリーナを攻撃する
カリーナ「もう少し引き付けて……」
確実に当たる攻撃にA生徒は勝ちを確信しており今の状況のカリーナには回避する事ができないと誰もが感じていた
攻撃があたろうとした瞬間にカリーナは空中で軌道を大きく変えて飛び上がって攻撃を回避する事に成功する
この時勝ちを確信していたA生徒は大きく油断しておりその隙を見逃さずにカリーナは空中で更に加速してA生徒を空中で押さえつけて地面に叩きつける
A生徒「まさか空中を蹴り上げて移動できたのか……」
カリーナは顔面を押さえつけてA生徒の上に馬乗り状態となっており会場からは盛り上がる声が聞こえる
カリーナ「ほとんど賭けだったけどね まさかあんな風に空中を移動できるなんて思ってなかったし やっぱり勝負は最後まで分からないよ」
A生徒「全くその通りだな……最後に油断した時点で俺は負けていたって事か」
カリーナ「……相手が悪かったですね」
A生徒「……全くだ 悔しいが反省点も色々見つかった戦いだった また勝負してくれるか?」
カリーナ「分かりました 約束ですよ」
A生徒「次は負けないからな」
カリーナ「はい……ブレイズフレア……」
少しの間を置いた後にカリーナは至近距離で炎魔法を放つ
攻撃を受けたAクラスの生徒は合体が解除されてしまい元の二人の状態に戻りカリーナを見つめた後にグランドから出て行った
カリーナ「他はどうなっているのでしょうか」
他の戦場ではBとDクラスが同じように一対一の勝負をしておりバトルロワイヤルらしくない戦いではあるがこれはこれで盛り上がっている
BとDの勝負はギリギリのところでBが勝利してDの生徒が退場したが最大の問題はCクラスのサリナは両方の戦場に関与していない為体力と魔力が有り余っている状態といったところだ
カリーナ「こっちも集中しすぎてしまって周りが見えてなかったし少しキツイかもしれないけどやるしかないわね」
カリーナとB生徒は疲れた様子を見せながらサリナを見つめており全員警戒しており見合っている
カリーナ(サリナの立ち回り方がバトルロワイヤルにおいて一番正しいからな……無難に考えたらサリナを攻撃する方がいいけどどうしたらいいものか)
しかし次の瞬間にB生徒がサリナに攻撃を仕掛けたのでカリーナもそれに便乗するようにしてサリナに向かって炎魔法を放ったのだった




