第六十話 競技祭8 リベンジ
カンナ「私は名はカンナ!!Eクラスを代表して伝えたいことがあってここに来た!!」
場所はCクラスの陣地の真ん中でカンナはリナとゴーレムと共にCクラスのリーダーであるサリーの目の前に立っている
サリー「……貴方たちが一体何の用かしら?」
リナ「協力してAクラスと一緒に戦いましょう」
サリー「…………」
リナの言葉に周りの人は「信じられない」といった表情を浮かべて二人を攻撃しようとするがサリーがそれを引き止める
サリー「……用件は分かったけど 信用できないわね」
リナ「それは分かってます でも現状だとCクラスは劣勢なはずです」
カンナ「いくらシアの防御魔法が優れているとはいってもAクラスの攻撃が続けば突破されるのも時間の問題だと思うけど?」
サリー「(こいつはシアと知り合いなのか?)確かに長くは持たないかもしれない……でも協力すると言っても貴方達のリーダーに顔も合わせずに信用するのは無理な事は話しですよ」
ゴーレム「それなら私からお願いします!!」
ゴーレムが突然喋り出したのでサリーは驚き周りの人はさらに警戒する
サリー「!? これは驚いたわねそのゴーレムは連絡をとることも可能なのね」
Cクラスの生徒「でもこれだけじゃ信用できません 適当に話している可能性も……」
ゴーレム「さっきも聞いたと思うけど貴方達は今守るので精一杯なはずです」
カンナ「そうだ!!守ってるだけじゃ勝てないぞ」
Cの生徒「言わせておけば 私達だけでもやれるよ」
サリー「落ち着きなさい それで?協力してくれるのなら貴方達Eクラスは何をしてくれるのかしら?」
ゴーレム「それはですね………………というのはどうですか? 悪くない条件のはずです」
サリー「成る程ね……それなら貴方達に協力しましょうか 全体にEクラスと協力するように伝えなさい」
サリーが指示をだすと全体に伝える役割をもつ生徒が動いて戦場で戦っているCクラスの生徒にこの事が伝わる
全員が信用できているわけではなかったが現状を見る限りは増援が必要だと心の奥底で理解していた為Eクラスの生徒に合流して戦い始める
リナ「賭けが上手くいって良かったね!!」
カンナ「そうだな 協力が無いと勝てないのは悔しいけどそれだけAクラスが強いって事だからな」
サリー「貴方達は何をしているの? 喜んでないで速く戦場に行って前線を押し上げてきなさい」
交渉がうまくいき喜ぶ二人にサリーは指示を出す
リナ「……了解しました」
カンナ「早速こき使いやがって……覚えてろよ」
捨て台詞を吐いたカンナだがその顔は楽しそうにしておりリナと共に戦場へと向かって行った
サリー「頼んだわよ…………」
サリーは二人の背中を見て小声でそう呟いて気持ちを整理して状況を確認して指示を出しはじめた
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カンナ「シア!! 私達も味方だからちゃんと守って下さいよ」
シア「はい……分かりました ぐううっ」
リナ「辛そうだね……早く加勢に行かないと」
途中で結界を張り攻撃を防ぐシアに出会うがAクラスの攻撃が予想以上に激しく辛そうにしている
そんなシアを信用し二人は更に奥に進んで最前線に到達するとそこには見慣れた顔があった
エナ「カンナと……リナじゃん 本当に一緒に戦ってくれるの?」
カンナ「……そうだね」
アスフェア(何かあったのかしら?)
リナ「伝達されてる通り私達Eクラスが攻撃するので防御はお願いします(カンナとエナさんは仲良かったよね? 何かあったのかな?)」
前線ではエナとアスフェアが攻撃をしているがサブナックが張っている結界を破る事ができずに苦戦している様子が目に入る
カンナ「……サブナックの結界の中央に少しヒビが入ってるからそこを集中的に攻撃すれば突破できるかも」
エナ「うん……分かった」
カンナもいつものようにしてエナと接したつもりではあったがリナとアスフェアは直感ではあるのだが異変を感じている
カンナ「援護は頼むよ それじゃ行こうか!!」
リナ「了解!!」
アスフェア「無理するんじゃないわよー」
リナとカンナは二人で息を合わせて攻撃を開始しエナとアスフェアは二人に合わせて後ろから援護をする
カンナやリナの他にもグライス達も同様にしてCクラスの人と連携しながら攻撃を始めた
最初こそはAクラスが圧倒していたがその他の二クラスが協力する事によって戦線を徐々に押し上げていき最強のAクラスの勇者である上野と寺山もカンナやエナ、シアなどの優秀な魔導士が全力で足止めした結果Aクラスの拠点を奪う事に成功しそのまま時間切れになってしまった
時間切れによる決着は最も攻め込んでいるクラスが勝利となるが今回は三クラスとも生き残っているので学長の判断によって最も被害が少ないクラスが勝利ということとなりその結果Eクラスが勝者となった
斉藤の魔物による手数の多さと生き残る事を優先した作戦が上手くいきEクラスの損害は少なくなったと言えるのでこの勝負のMVPは斉藤だといえるだろう
カンナ「よーし!!リベンジ成功だな」
リナ「そうだね カリータさんの作戦と斉藤さんのおかげだけど勝てて良かったよ」
グランドから移動して以前の勝負で負けたAクラスに勝った喜びで全員が喜んでおり盛り上がっている
カリータ「正々堂々と正面から戦ったとは言えませんけどね……」
しかしカリータは自分たちの実力だけで勝つ事ができなかったのか納得のいかない様子をみせている
シドウ「その気持ちも分かるが実際の戦いとなると一番生き残る事が大事だからそんな風にとらえなくていいんだぞ? 俺はむしろ誇れる事だと思うけどな」
それを見たシドウはカリータに励ましの言葉を送りクラスメイト全員が続けて賞賛の声を送るとカリータは嬉しそうにして照れくさそうにお礼を言う
シドウ「よーし これで今のところの暫定順位は一位のようだな」
カリータ「はい」
グライス「次の融合魔術の戦いに勝てたら優勝が近くなるね」
カリータ「そうですね しかし本当に私なんか……いえ私とカンナさんで力を合わせて全力で戦ってきます!!」
シドウ「言うようになったじゃないか」
クラス全員が信頼してカンナとカリータに全てを託している様子をシドウは見守りながら笑っていると実況の声がはいってくる
実況「次の融合魔術バトルロワイヤルは三十分後に開始されますので出場する代表の生徒は準備をしておいて下さい」
シドウ「だそうだ さっきの戦いでカンナは特に疲れているかもしれんがこの時間でリラックスしておくんだ」
カンナ「三十分もあれば充分ですよ……あっ!!先生あれ持ってますか?」
シドウ「薬の事か?良いアイディアだな 少し待ってろ」
シドウは一旦会場を後にしてすぐに戻りカンナとカリータにゼミの特訓の後にいつも渡していた疲労回復薬を渡しそれを受け取った二人はそれを飲み干す
周りの皆も不思議そうに見つめているが説明するとその薬の効果を聞いた全員がシドウの事を褒め出す
シドウ「辞めてくれ お前らにそんな感じで見られると変な気分になっちまう」
今までに向けられたことのない眼差しを向けられたシドウはおかしな気分になり教え子に文句を言うとその教え子達からは特大のブーイングが飛び出して盛り上がっている
カンナとカリータは賑やかな様子を見ながらもリナと少しだけ話した後に控室へと向かって行った




