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第五十八話 競技祭6 Dvs E


 会場は熱気に包まれ観客の声が飛び交っている中でとうとう団体戦が始まってしまう


 カンナ「まずは私達が攻めて拠点を確保しないとね」


 グライス「そうだね まずは遠距離から攻撃して相手の様子をみよう」


 前線にいるカンナは真っ先に戦う事になるのだが前線のリーダーであるグライスの指示に従って一番得意な炎の魔法で敵陣地を攻撃する


 マリア「当然だけど防がれるよね」


 Dクラスの前線にいた一人が結界を張り攻撃を防がれてしまうがこれをきっかけに両陣営が魔法の撃ち合いを開始し戦闘が始まる


 この勝負は特別な結界の中で行われこの結界の中では如何なる魔法も最低限の威力となる代わりに被弾すれば威力に応じて体力と魔力が吸われてしまい力尽きるという仕組みになっている


 その為かカンナは被弾をしてながらも敵陣にグライス達と共に突っ込んで行き今はEクラスが少しだけ押しているが


 グライス「敵が引いていってるね」


 マリア「そうね……警戒した方がいいかも」


 敵陣地に乗り込んだが想像以上に当たりが弱く全然にいる全員が警戒していると敵側から強力な光が見えてくる


 カンナ「あの魔法は確か……山下さんの」


 グライス「固まってると危ないから全員散るんだ!!」


 グライスの指示に従い固まっていたが全員離れるとその直後に大きな青い雷が落ちてきたのでグライスの判断は正しかったといえる


 しかし上手く防御できなかったEクラスの生徒が何人か倒れてしまったので戦力的には厳しいものがある


 カンナ(あれはメガスパークってやつだったな 実はこれ横の範囲は広いけど上に飛んでしまえば結構簡単に回避できるからね)


 この魔法を見た事があるカンナは一人だけ独特な方法で回避していた 更にグライスが「突撃!!」と指示を出したのでそれに合わせて敵陣地へと突っ込んでいくと見覚えのある姿が見える


 パック「やっぱり来たね カンナ」


 カンナ「負けないよ」


 パックと鉢合わせしてしまいお互いに構えをとって見つめあっていると


 リナ「カンナ 大丈夫だった?」


 後ろからリナがやってきてカンナに話しかけてきたのでカンナは思わず驚いてしまう


 カンナ「リナ 助けに来てくれたの?」


 リナ「そうだよ 前線の人が何人かやられちゃったみたいだから その代わりにね」


 パック「まさか二人を相手にするなんて思ってなかったけど 君らをこれ以上奥に進めるわけには行かないからね……倒すとまでは行かなくても消耗くらいはさせてみせるよ」



 リナ「残念だけどパックの相手は私だよ」


 カンナ「……リナ一人でいいの?」


 パック相手ににリナは一人で戦う事になってしまう事実にカンナは心配するがリナはカリータから受けた指示をカンナにそのまま伝える


 カンナ「……そういう事ね それならリナ 後は任せるよ パックは強いけど頑張って」


 そう言い残してカンナは別の場所に移動しその場にはパックとリナが残っている


 パック「……まさかリナ一人になるなんてね」


 リナ「リーダーの指示だからね……私がパックを止めるよ」


 パック「そうか……もう油断はしないしこの前のようにはいかないぞ 全力で戦う」


 リナ「私だって負けないから!!」


 同じゼミの二人は互いに魔法を撃ち合って勝負が始まったその顔は真剣であり少し前までの学校生活からは考えられないような表情であった


 リナを信じてパックの相手を任せたカンナはカリータの指示でグライスの元へと向かっていた


 指示によるとグライスとマリアとEクラスの何人かが勇者の山下と高田と戦っているらしく押されている状態になっているからである


 何人かの援軍を送るつもりではあるが異世界の勇者相手にどれくらいの持つのかは分からないので急がなければならないとのことだった



 カンナ(持ちこたえてくれよグライス)


 そんな思いで指示された場所へと行くと元の世界では同じクラスメイトだった山下と高田の前にグライスとマリアが膝をついており何人かが倒れているのが目に入ってくる


 カンナ「(山下さんと高田君には久しぶりって言いたいところだけどね……それにこの人数を相手にしてもまだ余裕そうだ)グライス マリア 大丈夫なの?」


 個人的な気持ちを抑えて今のクラスメイトの心配をすると二人から少し小さな声で返事が聞こえてくる


 カンナ「勇者を相手にしろって流石に無理があるけどな(俺もそうなんだけど)」


 フレイ「だから私達が援軍で来ましたわ」


 声の方を振り返ると大きい砂のゴーレムを二体連れたフレイが立っておりそれを見た山下と高田の二人は気を引き締めている


 グライス「……それは斉藤さんの魔法の」


 フレイ「そーよ 二人共よく持ちこたえたね……でももう少し頑張れる?」


 マリア「少しキツイけど……カンナとフレイが来てくれたから勝てる感じがしてきた」


 そう言うと膝をついていた二人は立ち上がって構えを取り戦闘態勢にはいる


 山下「相手の人数が多いけど 頑張るしかないよね」


 高田「斉藤さんのゴーレムもいるし手こずりそうだけどこの人達に勝てたら勝利に大きく近づけるはずだよ」


 カンナ(山下さんは雷の魔法が得意で高田君は……何だったかな?思い出せない)


 フレイ「カンナと私とゴーレム一体で前衛をするからグライスとマリアは後ろから援護をお願い もう一体のゴーレムがあなた達を守るから安心して」


 フレイの指示に従いカンナは勇者二人に突っ込んでいき後ろからグライスとマリアが援護をする形となって戦闘が始まる


 山下「あの人は近寄らせないようにしないとね」


 高田「そうだね」


 高田が呪文を唱えると無数の水玉が浮かび上がって弾幕を形成してカンナとフレイに襲いかかる


 カンナ(高田君は水の魔法が得意なのかな?)


 フレイ「ゴーレム!!」


 カンナは水玉を見切って回避しフレイはゴーレムを盾にして攻撃を防ぐ


 カンナ「攻撃自体は痛くないけど これじゃ距離を縮められないな……フレイ 何か作戦はないの?」


 フレイ「……これはどうかしら?」


 カンナ「……成る程 それでいこう」


 フレイは作戦をカンナに伝えた後に後ろの二人にも指示を出してカンナと共にゴーレムの後ろに隠れて何かの準備を始める



 後ろの二人は指示に従い高田が放つ弾幕を撃ち落としつつ勇者二人に攻撃を続ける


 高田「何かするつもりみたいだけど どうする?」


 山下「高田君はそのまま水魔法で攻撃を続けて周りを水浸しにして」


 高田は頷いてより激しい攻撃になり山下は魔力を貯めて集中している


 グライス「相手も何かするみたいだぞ」


 マリア「二人を信じるしかないでしょ 集中するよ!!」


 激しくなった高田の攻撃を二人は全力で撃ち落としてカンナとフレイの二人を守っている


 カンナとフレイの二人も山下と同様に集中して魔力を貯めている


 フレイ「もう持たない……最後の魔法をうつ魔力は残らないかも」


 グライス「フレイ カンナ!! まだなのか」


 高田の攻撃を受け続けた二人は限界が来てしまうがフレイが合図を送った


 グライス「やっとか……マリア最後の一仕事だよ いけるね?」


 マリア「そうだね……気合いでやるしかないね」


 グライスとマリアは息を合わせて呪文を唱えて風魔法を発動させる


 その風魔法で水の弾幕を全て消し飛ばした事を確認するとカンナとフレイを守っていたゴーレムが後ろに引くと赤い光が二人の手の間で輝いているのが見える


 フレイ「行くよ カンナ!!」


 カンナ「うん (ごめんね山下さんと高田君)」


 心で謝りつつも勝利のためにフレイと一緒に呪文を唱える


 カンナ「ブレイズ……」 フレイ「キャノン」


 カンナ&フレイ「イグニッション!!」


 二人は背中合わせになって両手を相手に向けると特大の炎の光線が山下と高田に向かって進んでいく



 山下「高田君!!避けないと」


 高田「いや大丈夫だよ 全て防いでみるから集中して」


 自信のある高田を信頼した山下は魔力を貯める事に集中し高田は飛んでくる灼熱の炎に向けて両手をかざし呪文を唱える


 高田「ハイドロ  アクア キャノン!!」


 高田はありったけの魔力を使ってカンナとフレイと同じ大きさの水のレーザーを放つ


 グライス「二人合わせたのと変わらない出力を持ってるなんてな……」


 マリア「それは勇者だからね……離れないといけないのにもう力が残ってないよ……」


 灼熱の炎と水流の大魔法が激突する 相性では高田が有利だがカンナとフレイの二人の魔力を合わせた事もあり激突した瞬間に大爆発を起こして相打ちとなってしまい辺りは蒸発した水蒸気で視界が悪くなっている


 フレイ「くっ……渾身の一撃だったのに相打ちだなんて 流石としか言いようがないわ」


 カンナ「ゴメン 私が炎魔法しか使えなかったから相性が悪かったから」


 フレイ「仕方ないでしょ……カンナは異世界の勇者でもないんだから それに相性が悪かろうと視界の悪い今は二人に近付いて倒す絶好のチャンスよ」


 カンナ「そうだね 行ってくる」


 フレイはカンナに後を任せて引こうとするが敵の方を見ると青い光が輝いている


 カンナ「やらせない」


 フレイ「間に合わない……せめて防御を」


 高田「何とか守ったけど……もう魔力が残ってないから後は任せるよ」


 山下「ゴメンね 高田君のおかげで辺りは水浸しになってるからこの攻撃はかなり効くとおもう」


 山下は杖を上空に掲げている


 山下「ライトニング サンダーボルト!!」


 山下が杖を振り下ろすと広範囲の雷が落ちて眩しい光に包まれる


 雷が落ちて水蒸気は全て消え去ってしまい視界が開けるとフレイ、グライス、マリアの三人は斉藤のゴーレムが守ってくれたが力尽きて倒れてしまい動けない


 山下「後は……カンナっていう人が」


 山下が辺りを見回しているとそこに腕をクロスさせているカンナが目に入る


 山下「あれを食らってもまだ立てるなんて」


 カンナ「まーね 気合いで何とか耐えただけだよ」


 山下「何か似たような事を言う男の子がいた気がするけど……私もまだ戦えるよ」


 誰のことか分からないが山下は懐かしむ様子を見せて杖を構える


 カンナ「もう一踏ん張りだね」

 

 カリータ「そうですねカンナさん よく頑張りました」


 お互い力を使い消耗しているタイミングでカリータが助太刀にはいる


 カンナ「カリータさん!? 後ろの方にいるんじゃ?」


 カリータ「後は斉藤さんに任せてます この人を止める事が最優先ですので」


 カンナ「そういう事か 行くよ!!」


 カリータ「はい!!」


 山下「この状態で近接二人を相手は厳しいかも……」


 カリータとカンナで山下を足止めした結果斉藤の作った魔物が暴れ回りDクラスの拠点に攻め込んだ結果Eクラスが勝利する事となり会場が盛り上がる


 カンナ「何とか勝てた……のか」


 カリータ「はい!!カンナさん達が勇者二人を長く足止めできたからですよ」


 シドウ「全員 良い動きだったぞ 頑張ったな」


 実況「いやー 実に見応えのある戦いでしたね 試合の途中で起き炎と水の大魔法同士の激突が一番迫力があって素晴らしかったと思います」


 シア「カンナ達のクラスは頑張って勝ったみたいですね エナ!!」


 エナ「うん……私達も頑張ろう」


 実況「次の勝負はBクラスvsCクラスの戦いになります グランドが治り次第始まりますので準備をお願いします!!」


 カンナのクラスが勝った事で負けない気持ちが湧き上がったエナとシアは覚悟を決めてクラスメイト達と勝利する事を誓ったのだった

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