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第二十三話 不思議な屋敷


 フラガの手紙を届けにセルク村へと来た海斗達だったが色々あって手紙の届け主であるルーゼが働いている屋敷で二週間ほど就職(という名の特訓)をする事になったので中へと屋敷の中へと案内されていた


 海斗「一回だけでもいいから金持ちの広い家に泊まってみたかったんだよな」



 ルーゼ「お前は例外だぞ」



 良い場所へ泊まれると思っていた海斗だがルーゼの一言により変な声がでてしまい天国から地獄へ叩き落とされた気分になる


 ルーゼ「お前は俺と一緒に外で寝るんだよ フカフカの布団で寝れると思うな」


 海斗「そんなー 何でだよここで働くんだぞ」


 ルーゼ「言っただろ、お前は働きつつ俺と特訓だ なーに俺も鬼じゃない今日だけは見逃してやる でも明日からは魔力操作が上達するまで俺と外で寝てもらうからな」


 しかし待っていたのはフカフカの高級布団ではなく外の硬い床である事にショックを受けている



 海斗「そんなメチャクチャな 何で俺だけ」


 ルーゼ「フカフカの布団で寝たいのなら俺が納得するように魔力操作を覚えることだな 良いな」


 アスフェア「あーあ可哀想に」


 自分は部屋で眠る事ができるのをいい事にアスフェアはからかっている


 エナ「でも明日からだからいいんじゃない?」


 海斗「エナ……助けてくれ」


 エナ「そうだね……操作のコツくらいなら教えようか?って言っても私も完璧にできるわけじゃないんだけど……」


 さっき首飾りをプレゼントして貰ったエナは海斗を助けたい気持ちでいっぱいのようである


 アスフェア「エナは優しいわね 放っておけばいいのよ」


 海斗「おーい本当に酷い妖精だな」


 アスフェア「あんたのセンスの無さがいけないんでしょ?自業自得よ」


 それに対してアスフェアの取る態度が酷いがそれも仕方がない事なのかもしれない


 海斗「…………そこまでいうなら本気でやってやるよ」


 アスフェア「その意気込みで頑張りなさいよ、もしルーゼさんに認められたらあんたの言うこと何でも聞いてやろうじゃない」


 海斗「おおん!!言いやがったな後悔させてやるぜ」


 アスフェア「ええ 嘘じゃないわ」


 エナ「(アスフェア……海斗の扱いが上手いわね)」


 ルーゼの指示に文句ばかり言う海斗であったがアスフェアの挑発によりやる気があがる、ついでに約束を取り付けて海斗を上手く扱うアスフェアにエナは関心しながら屋敷の中へと入っていく、中へと入ると赤いカーペットが敷かれており色んな部屋に繋がる通路が見えている



 マール「まず新人さんにはやる事を教えようかしら ベルこの人達が新人よ」



 マールが名前を呼ぶと白い格好をしたメイドが音も立てずに素早く現れた、とても綺麗な女性だが身のこなしがただのメイドではない事は全員が感じていた


 クシア「なんだか想像とは違う感じがしますね……」


 エナ「うん………」


 海斗「あの人も……(というよりこの屋敷の人は何なんだ 強い人しかいないのか?)」


 思い描いていたメイドとは明らかに違い色々と突っ込みたくなる気持ちを抑える



 ベル「あなた方が今日からニ週間だけの新人でしょうか?」


 ベルと呼ばれたメイドが海斗達に問いかけると海斗達はゆっくりと頷く


 ベル「それならやる事を説明していくわ マール様少し預かります」


 マール「あなたに全て任せるわ」


  ベル「かしこまりました ではこちらの部屋にどうぞ」



 マールはやる事があるのか自分の部屋へと戻っていく


 ベルは冷徹な雰囲気で海斗達を案内する、まるで世話をするメイドではなく護衛をするガードウーマンという方が正しいのかもしれない


 部屋へ入ると会議室のような広い部屋になっておりベルは真ん中の席へと座るように誘導する



 ベル「皆さん初めまして私はメイド長のベルと申します皆様にはそれぞれこの仕事を引き受けてもらおうと思ってます」


 会議室へ入ると早速仕事についての説明が始まり役割は既に決められていた、エナは食事の用意や片付け、クシアは掃除を任されていた、そして……


 海斗「俺は……門番?」


 ベル「はい あなたには雑用全般をお願いするつもりでしたがルーゼの意見によって門番とさせていただきました」


 ルーゼ「そいうことだ 仕事内容は明日伝える 明日の早朝に屋敷の入り口に集合だ 分かったな?」


 完璧な役割決めで文句の一つも出ないが流石の海斗も雑用をするのは嫌だと感じている


 海斗「本当なら雑用だったのかよ まあいいや 明日の朝からよろしくお願いします」


 ルーゼ「朝飯ちゃんと食えよ」


 こうしてそれぞれの役割を与えられた海斗達は明日からの業務を確認し解散した、マールに雇われている人達にはそれぞれの個室が用意されているみたいで3人とも隣同士の部屋になるはずだったが……



 海斗「部屋が一個足りないのか?」


 ベル「はい 申し訳ございません」


 個人の部屋が用意されているはずなのだが一つ部屋が足りなかったようだった

 海斗「じゃあエナとクシアさんが使いなよ 俺は明日からは外で眠らないといけないし」

 どのみち外で眠ることとなる海斗はエナとクシアに部屋を譲ることにするが


 エナ「本当にいいの?明日から大変なのに……」


 海斗「いいんだよ たったのニ週間だから大丈夫だろ」


 エナ「そうね……なら今日くらい私の部屋に……」


 クシア「私の部屋で寝ましょう」


 エナ「クシア!?」


 エナは自分の部屋に誘おうとするが恥ずかしくなり小声になってしまいそれに覆い被さるようにクシアも海斗を部屋に誘う


 海斗「ええ……どうしたの二人とも……」

 二人の突然の行動に戸惑う海斗はいきなり現れた選択肢の前に頭を悩ませることとなる


 海斗「(一体どうすれば選択肢は三つか)」

 選択肢1 エナの部屋へ行く

 選択肢2クシアの部屋へ行く

 選択肢3今日から野宿

アスフェア「(面白い展開になったわね)早く決めちゃいなさいよこのモテ男」


 海斗「おい 面白がるんじゃない」


 外野からしたら面白い事なのかもしれないが当人たちはそれどころではなさそうだ


 エナ「んんん もうっ!!」


 クシア「エナさんも同じ事を考えたのですね でも少しだけ顔が赤いですよ?」


 改めて自分の言ったことを考え顔を赤くしているエナに対してクシアは堂々としている、その様子をアスフェアは楽しんでいて奪い合いのような状況のなかメイドのベルが口を挟む

 ベル「盛り上がってるところに申し訳ありませんが 実はこの屋敷には地下室があってそこで寝ていただくことも可能ですよ」


 海斗「地下室?そんなところがあるのか」


 ベル「はい 地下にある事以外はその他の部屋と同じです ただ……」


 海斗「その地下室でいいよ」


 ベルはまだ何か言いたそうにしていたがいち早くここから抜け出したかった海斗は即決で地下室で眠る事にする


 エナ「…………(そっちに行っちゃうんだ……)」


 クシア「まだ部屋があったのですね 私は同じ部屋でも構わなかったのですが……」


 アスフェア「あーあ選ばなかったか」


 ベル「……本当によろしいですか?」


 ベル「では案内しますね 着いて来てください」


 メイドのベルからまさかの選択肢が飛び出してきたので海斗は一瞬迷いつつも地下室で寝ることにきめた、この選択をした海斗にアスフェアはつまらなさそうにしエナは複雑な感情を抱きつつも案内される海斗を見送った



 ベル「こちらです」

ベルはそう言って入り口付近の通路を歩きその通路を一番奥まで行くとそこへ地下への階段が現れる


 海斗「皆の部屋とは結構離れてるんですね でも地下室って何があるのです?」


 ベル「残念ながらその質問には答えられません……」

 地下室への階段を降りながら海斗は質問をするが流されてしまう何のための地下室なのか気になっていると部屋の扉が五つあるのが見える

 ベル「こちらにいくつか部屋がありますが好きなのをお使いください ただし一番奥の部屋には入らないようお願いします」


 海斗「そうですか……」

 地下を見た感じは特に怪しそうな物などはないが五つの部屋のうち一番奥の扉は可愛くデコレーションされており異様な雰囲気をはなっている


 ベル「良いですね? あの部屋だけは入らないようにお願いします でないとあなたがマール様に消される可能性がありますので……」


 海斗「うん 分かったよそれに興味ないしな(きっと尊厳を保つためみたいなやつかな?おそらくだが秘密のコレクションでもあの部屋に入ってるんだろうな)」


 ベル「ご理解頂いて良かったです それでは明日からよろしくお願いします それでは」


 海斗「おう」


 ベルはそう言い残すと足音を立てずにその場を去っていった、海斗は疲れなどはなかったが明日からは布団では寝られないことを考え早めに寝ることにする


 明日に備えて早めに寝ることにした海斗だがしかし寝ている最中に

 ???「ヒッ ナンデ ココ…………テヨ」

 謎の声?のようなものが聞こえるが

 海斗「……んん? 何か聞こえるよーな……この世界にも……幽霊がい……zzz」

 何事にも鈍感である海斗は一瞬目が覚めかけるがすぐに眠ってしまいそのまま夜を過ごしたのだった

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