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第百十話 嘘


レオス「そうなのですか……よろしくお願いします」


 斎藤「頭を上げてください 私達ができる限り協力しますよ!!」


 海斗やクシアが話している内に斉藤はこれからの事をレオスに伝えておりレオスも素直に頷いている


 レクス「成る程のう」


 神崎「えーと、貴方がレクスさんでしょうか?」


 話を聞いていたレクスに向かって神崎が話しかけるとレクスはゆっくりと頷く


 レクス「そうじゃが」


 神崎「少し話がありまして、宜しいでしょうか?」


 レクス「構わんが何かあるのか?」


 神崎「貴方に見てもらいたい人がいましてですね」


 レクス「ほうほう」


 神崎は王国で聞いた事や計画などを話し修行をつけて欲しい人物がいる事を告げるとレクスは真剣な顔で頷く



 レクス「成る程お主らのやりたい事は承知した」


 神崎「はい……」


 レクス「大丈夫じゃこやつらはそんなに弱くはない」


 神崎「私もそう信じています(もうこうするしか方法が……)」


 お互いに不安や心配な部分があるようではあるがこうするしか方法がなく他に道がない事も事実であった



 斎藤「後は大丈夫そうですかね?」


 高橋「大丈夫だと思う 後は鈴木さんや園田君達に伝えるだけかな」


 斎藤「大まかな流れが決まりましたね、私が福田君とクシアさんに伝えて来ます」


 ある程度の話はまとまり後は細かい事なのだが大きな声で言えない事であり話し合う為にも海斗とクシアにはこの場を離れてもらう方が都合が良いのである


 工藤「私も……いや やっぱり辞めておきます」


 斎藤「……その方が良さそうですね(心苦しいですが……)」


 工藤は自分が行ってしまうと表情などで悟られてしまうと感じたので斉藤に任せる事にした、表情は引き攣って無理している事が分かり向こうに行く斉藤を見ながら俯いてしまった


 斎藤「お話の途中で申し訳ないですが福田君とクシアさんちょっといいですか?」


 工藤を背にして海斗とクシアの元へと向かっていき話しかけると二人とも駆け寄ってくる


 海斗「斎藤さん!!無事で良かった 何かあったの?」


 クシア「そうですよ」


 斎藤「神崎さん達のおかげで何とか、ガノトというダイナ族の方から何かを聞いたのですよね?」


 薗田(ある程度まとまったのかな?)


 海斗「しばらくしたらこの国を襲撃するって事は」


 斎藤「はい その事なのですが」


 斉藤の話に二人とも集中していると感じた薗田はゆっくりとその場を離れて天雷とエナの方へと歩いていき斉藤は気にせずに話し続ける


 斎藤「ガノトさんが襲来するまでの間この王国の力を少しでも強くする為に園田君達が呼ばれたみたいです」


 海斗「???」


 クシア「修行の為にですか?」


 斎藤「はい……タチ君やタイガ君達に強くなってもらわないといけません」


 海斗「確か5日後だったよね?」


 斎藤「そうですね、タチ君達にはガノトさんと戦えるレベルにまで強くなってもらわないといけません」


 海斗「ちょっと待ってよ アリスでもあいつには勝てなかったんだろ? だとしたらあいつらが勝てるとは思えない……」


 クシア「海斗……申し訳ないですが私もそう思います」


 斎藤「…………」


 海斗「だから俺達があいつらと戦うべきだと思う」


 クシア「私が言っても説得力は無いと思いますが園田さんや海斗達でなければさっきの方には敵わないと思います」



 斎藤「それが……ガノトさんはアリスさんを含めた何人かと戦わせろと言っておられまして……」


 クシア「それはどういう事ですか?」


 斎藤「私にもさっぱり……勇者は手出し無用とだけ仰られてまして……」


 海斗「嘘だ!! 力が全てって言ってたあいつなら勇者と戦いたいはずだよ」

 

 クシア「…………」


 斎藤「私にもよく分からないのです」


 海斗「そうなんだ……一体何が目的なんだ」


 ガノトの言う事や何をやりたいのかがごちゃ混ぜになり海斗の頭はパンクしそうになってしまう、そして考えるのを辞めると疲れが一気に押し寄せてきたのだ


 斎藤「とにかく今はやれる事をやりましょう、それがこの国の為なんですから」


 海斗「分かりました、今日は結構疲れたしゆっくり休もうかな」


 クシア「たまには柔らかい寝床で寝るのもいいんじゃないでしょうか?」


 海斗「そうしたいと思ってたところだね 今日はエナと工藤も相当疲れてるみたいだし王宮のどこかで寝る方が良さそうだね」


 斎藤「あの……本当に申し訳ないのですが…………」


 海斗「どうしたの?」


 2人の会話を聞いていた斉藤は申し訳なさそうにしながら海斗に話しかける

 

 斎藤「ラクンという方は分かりますか?」


 海斗「あの側近の獣人だよね?」


 斎藤「ガノトさんが来られてアリスさんがダイナ族だと聞かれてしまってると思います」


 海斗「はっ!?確かにそうだった」


 クシア「…………確かに強い憎悪を感じました」


 斎藤「ですので……その……疲れてる所申し訳ないのですが福田君には……」



 海斗「そんなに謝らなくても大丈夫だよ斎藤さん!!俺も自分の事しか頭に入ってなくて周りが見えてなかったから」


 斉藤がいつもと違った態度なのは海斗も感じており気を遣わせない為にも元気よく答える


 斎藤「すみません……私の魔物を何体か護衛につかせますので今日も森の方で寝泊まりをお願いします」


 海斗「気にしないで、実はもう慣れてきたところだったから」


 斎藤「分かりました……決して無理だけは……」


 クシア「勿論私も行きますよ」


 海斗「大丈夫?結構疲れてそうだけど」


 クシア「何を言ってるのですか 海斗のように体を動かしまくった訳ではないので全然平気です」


 海斗「魔力を使いまくってたのに?」


 クシア「本当です!!」


 海斗「なら料理当番はクシアに任せようかな」


 クシア「分かりました……が食材を切るのは手伝ってください」


 海斗「大丈夫だよー」


 斎藤「くぅっ……(本当にごめんなさい福田君……クシアさん)」


 ここから離れてもらいたいが為に無理やり話を進めた斉藤だが2人は疑う事なく斉藤を信じて明るく振る舞っているのを見て斉藤は心苦しくなってしまう

 

 海斗「斎藤さん? そうだ、今日は工藤も相当疲れてるようだし斎藤さんの方から王宮の方で泊まるように言ってくれないかな?」


 クシア「私もそうした方が良いと思います」


 斎藤「はい、私の方から工藤さんに伝えておきます 後エナさんはどうしますか?(優しいのですね……)」


 海斗「エナもゆっくりして欲しいけど、こっちに来ると思う」


 斎藤「そうですね……福田君達は夜が大変だと思うので今ここで解散して森に行ってもらっても大丈夫ですよ」


 海斗「もう夕方だしなー」


 クシア「速い方が良いと思いますね」


 海斗「だな、エナに年の為に聞いて食材とか買ってから森に行くことにするよ」


 クシア「はい そうしましょう」


 斎藤「了解です、私は門の所にいるので出る時に声をかけてください」


 海斗「オッケー今日の夜決まった話は明日に詳しく聞かせてよ」


 斉藤「はい」


 やる事が決まったので念のためどうするかをエナに聞きに行くと薗田と天雷が驚いた顔で二人を見つめる


 海斗「という事みたいだからエナはどうする?」


 エナ「海斗と一緒に行くに決まってんじゃん」


 天雷(何か……いいなー)


 海斗「ありがとう、次はアリスの所に行くよ」

 

 園田「おい海斗 気を付けてな クシアさんこいつをよろしくお願いします」


 クシア「任せて下さい!!」


 天雷「本当気を付けてね……」


 海斗「また明日なー」


 確認するまでもなくエナの意思は感じ取っていて天雷は二人の絆を見て少し羨ましそうにしながら3人の背中を見送ると次はアリスの元へと向かって行った


 

 

 海斗「アリス!!疲れてるかもしれないけど今日も野宿しないと行けないみたい」


 アリス「大丈夫だよ海斗お兄ちゃん」


 高橋(お兄ちゃんだと!?)


 海斗「よし、なら行こうか」


 アリスも疲れているが自分の事をきちんと理解しているので海斗に着いていかなければならない事は理解していたのだ


 驚いている高橋に軽く挨拶をして出て行こうとすると神崎に呼び止められ彼女は心配しているようである


 神崎「福田君 お久しぶりですと言いたいですがもう行かれるようですね」


 海斗「うん、皆が来てくれたからとても心強いよ だから王宮の方は任せるね」


 神崎「任せて下さい、後護衛として私の式神を福田君につかせますのでゆっくりと休まれて下さい」


 海斗「式神!? あの赤白のやつが?とにかくありがとう!!」


 神崎「敵ではないので安心して下さい……どうかお気をつけて下さいね」


 神崎は念の為に自身を守ってくれる式神を海斗につける事を伝えると海斗は安心した顔で王宮から出ていきクラスメイトの皆は影が見えなくなるまで見送って海斗の影が夕日に消えて行ったのであった

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