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第九十八話 限界を超えて


 アリス「美味しそうな匂いがするー」


 エナ「どんどん食べていいからね」


 アリス「感謝を込めていただきます!!」


 暗い森の中にポツンとした明るい光があり、その下ではエナ達が作った料理を全員で微笑ましく食事をしている


 クシア「そういえば海斗とアリスさんは大丈夫だったのですか?」


 エナの隣に座っている海斗にクシアは話しかけるのだが海斗は何故そのような事を聞くのか疑問に思ってしまう


 海斗「大丈夫って何が?」


 クシア「一応王国の中にいたのですよね?」


 海斗「そうだけど……(何かあったのか?)」


 エナ「何か知らないけど王国全体が揺れてたみたいだよ?知らなかったの?」


 海斗「嘘!?そんな事が…………まさか」


 クシア「何かあったのですか?」


 海斗(いや……まさかとは思うけど地下で戦ってた反動が地上に響いていたのか? でもレクスの名前は出すなって言われてるし……)


 エナ「考え事してる?」


 海斗「いやー多分だけどその時間は街の外れをアリスと回ってたから気付かなかったよ でも何か獣人達が騒がしくしてるなーっては思ってたんだけどね」


 クシア「それは本当です?」


 海斗「ホントホント(つくづく思うが俺は隠し事は向いてないきがするな)」


 クシア「そうですか……何がともあれ無事で良かったですよ」


 エナ「本当にそうだよ もしかしたらデストリンガーが攻撃してきたかもって思ったんだからね」


 海斗「確かにそうだよな……ゴメン」


 クシア「あなた達二人なら大丈夫だとは思いますが一般人を巻き込む訳にはいきませんから」


 海斗(だから全然人が居なくて静かだったのか)


 エナ「何もなかったみたいだから良かったけど油断はできないよね」


 海斗「敵はマザーサルビアだけじゃないって事だな、てか明日はどうするの?」


 クシア「その通りです 明日からはスライムの回収とその映像を見てアジトを突き止めて作戦を練るつもりです」


 海斗「もしかして明日も俺はいらない感じかな?」


 クシア「そっ!?そんな事ありませんよ」


 海斗「今日は何もしなかったし明日は何かした方がいいかなって(レクスのところに行けるから都合が良いのはいいんだけど)」


 クシア「回収されたスライムを見るのに明日は丸一日かかってそこから作戦を立てるとなるとマザーサルビアから子供達を取り返すには早くても明々後日になると思います」


 海斗「そうなんだ、まー俺は作戦立てるの向いてないし映像見るのも寝ちゃいそうだからなー」


 クシア「……否定はできませんが……」


 エナ「大丈夫だよ海斗、海斗にはアリスちゃんを守るっていう役割があるしそれは海斗にしかできない事だから」


 海斗「ありがとうなエナ それじゃ明日も引き続きアリスの護衛兼パトロールをする事にするよ(地下に行くしかないな)」


 クシア「すみませんが……お願いします(少しリゼルの気持ちが分かったようなきがします)」


 海斗「任せてくれと言いたいけど……あのエルフはどうすんの? それなりに強いと思うし協力してもらう?」


 ケレノア「勿論協力させて頂きますよ」


 海斗「うおっ!?びっくりした」


 ケレノア「ご飯をご馳走していただいて何かしない訳にはいきませんからね」


 クシア「剣の達人と言われてる方がいるのなら心強いです」


 ケレノア「はい!!精一杯頑張ります」


 真剣な表情で答えたケレノアを見てその場にいる全員は頼もしく感じていた


 その後は普段通りに見張りを交代しながら全員が眠りにつき朝を迎える


 海斗「それじゃ皆気を付けて」


 エナ「海斗も何かあったらアリスちゃんとしっかり逃げるんだよ?」


 海斗「分かってる 心配しないで」


 クシア「お願いしますよ」


 そうして海斗とアリスを除いた全員が王国へと向かって行く


 アリスは昨日戦った疲れがあるのかまだ眠っておりしばらくの間海斗は森に響く小鳥の声に耳を澄ましていた


 アリス「……おはよー……あれ?もうエナお姉ちゃん達は行っちゃったの?」


 海斗「少し前に出て行ったぞ エナの朝ごはんがあるからそれを食べて俺達も行こう」


 アリス「レクスおじちゃんの所にだね」


 海斗「そうだ」


 頷いたアリスは朝食を食べており海斗はその間に昨日レクスから教わった技を試している


 海斗「ぐっ……だけど昨日よりかは少しマシになったか?」


 中々うまくはいかないが何度も繰り返すしか方法はないので再び集中しているとアリスが飯を食べ終える


 アリス「海斗お兄ちゃん、準備できたよ」


 海斗「おし なら行くか」


 二人は地面を蹴り上げて王国へと走って行き昨日と同じルートでレクスの元へと行く


 そして人気のない路地裏へと辿り着くと扉の前にはタチが座っておりこちらに話しかけてくる


 タチ「来てくれたんだなアリスちゃん」


 アリス「うん!!レクスおじちゃんはいるの?」


 タチ「今は地下を改造してるからいるよ」


 海斗「改造できるものなのか?」


 タチ「知らないよ 着いてきてくれ」


 タチは地下に案内し扉を開けるとそこには昨日と違って天井に何か補強されているような後がみえる


 レクス「ほーう 思ったよりも早かったのう」


 海斗「今日は一日中頼むぜ」


 レクス「任せておけ 昨日は思ったよりも地上の方に響いとったようじゃぞ」


 海斗「そうみたいだな でもあんたがこれで補強したんだろ?」


 レクス「そうじゃ だいぶマシになると思うから気にせずにやると良い」


 海斗「それなら良かった」


 レクス「なら早速昨日教えたやつをやってみよ タチとお嬢ちゃんもじゃ」


 タチは普段レクスから教えてもらっている通りにアリスは昨日海斗から原理とやり方を軽く教わっていたのでその通りにやってみる


 アリス「できてる?」


 タチ「ハァ……やっぱり駄目だ」


 タチは息切れしているのに対してアリスは完璧ではないができており右腕に一本の赤い線が流れている


 レクス「流石純粋なダイナ族といったところじゃのう、海斗の方はまだかのう?」


 同時にやったはずなのだが海斗の方は遅く少し経ってから体に赤い線が入る


 海斗「できたぞ」


 レクス「仕方ない事じゃが発動までが遅すぎるのう 敵は待ってはくれぬぞ?」


 海斗「だよな……」


 レクス「まずはその状態でかかって来い、タチとお嬢ちゃんはまだ体に負荷をかけられるはずじゃからそこで練習しておるのじゃ」


 アリス「はい!!」


 タチ「やってやる」


 海斗「じゃあいくぞ!!」


 武器を捨てて素手となった海斗は足腰に力を入れると昨日よりも数段速いスピードでレクスと戦闘を行う


 レクスも同様に同じ技を使用するが昨日と違って海斗の攻撃の命中する頻度が高くなったのである


 レクス「たった1日じゃがここまでできるようになるとはのう」


 海斗「だけどあんたは戦いの途中でいきなりできるじゃないか」


 レクス「いきなりではないがな、じゃがお主もその感じだと原理くらいは分かったはずじゃ」


 海斗「あぁ 何となくな」


 レクス「初めから飛ばすのではなく少しずつ段階を上げていくのじゃ」


 海斗「おう!!」


 その後は日が暮れるまで海斗とレクスはお互いに戦いあってアリスとタチもレクスの指示で相手を変えながら特訓を行ったのである


 そして作戦の日まで海斗とアリスはレクスとひたすら戦い続けて力をつけたのであった

 

 

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