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第十話 平和な日々


 色んな出来事があって海斗とクシアの二人は王宮を追い出されその先で大人にからまれていたエナを助けそのお礼で二人は酒場に泊まっていた


 異世界の勇者が公になってない以上は正体を迂闊に言うべきで無いと判断した二人は姉弟という設定にして酒場の従業員を騙し通すが寝る前の会話でエナにだけ存在がバレてしまう……二人はそんなことも知らずに気持ちの良い朝を迎えていた

 クシア「海斗様 おはようございます!!」

 時間は朝の七時で海斗はまだ寝ていたのでクシアに起こされる、皆んなの前では最初に言ったように姉を演じないといけないのだが二人きりの時だけは様をつけておりこの状態ではいつかボロがでそうで心配だが何とかやっていくしかない


 準備を終えるとクシアは朝から食材の仕込みがあるらしく酒場へと向かっていく


 海斗「まだ暇だけどこんな状態で皿洗いなんてできるのかな」


 海斗とクシアは昨日でこの酒場にいつまでも泊まっていても良いとフラガに言われたがその代わりに店の手伝いをするという交換条件を提案してきたので二人はそれに乗っかることにした


 ガチムチのおっさんに子供二人と女の子と妖精の四人+一匹しか従業員がいない小規模な店だが酒が美味しいと評判がありそれなりに客が来る店のようでニコス、ミリア、クシアの三人が注文の受付と料理提供をしてエナとフラガは注文された料理を作りそして海斗はアスフェアと共に食器を洗い係に任命されていた

 

 海斗は片手しかまともに使えないので皿洗いという地味な作業をゆっくりとしかやることができなかったが充分助けになっていたようだった


 海斗「ふーーう 皿洗いだけでもこんなに疲れるなんてな……」


 時計は10時を過ぎており周りの店に比べて早く閉まるのがこの店の特徴であり閉店した後に全員集まり夜ご飯を食べるというのがいつものことらしい


 フラガ「今日は新しいメンバーが来てくれたってことでとびきりのご馳走をつくったぞ」


 フラガとエナの二人は料理を次々と並べていく、気付くとテーブルいっぱいに美味しそうな料理が並べられており全員の食欲を刺激する


 全員が料理を囲むように座るとフラガが乾杯の合図をしたのでそれぞれ目の前のご飯を食べていく


 海斗はクシアとエナの横に座っており二人に助けられながら食べている


 二人が作った料理は見た目通りとても美味しく全員が笑顔で食べておりとても微笑ましく楽しそうな雰囲気が流れている


 海斗「(楽しいな……皆良い人達で本当に良かった……でも)」

 元の世界へ帰るという目的がある海斗は時々悲しい表情を浮かべておりエナは不思議そうに見つめていた


 楽しい時間はあっという間に過ぎていき騒いで疲れたのか気付くと海斗とエナを残した全員が眠っていた


 エナ「皆眠っちゃったね」

 海斗「そうだな……取り敢えず片付けるか 俺は食器を洗うよ」


 エナは頷いて全ての食器を洗い場まで運んだ後にフラガ以外の眠っている人を寝室まで運び皆を運び終えたエナは海斗のところへ行き蛇口をひねって皿を洗い始める

 



 エナ「海斗あまり無理しなくていいよ そんな体で無理にやる必要ないんだから」


 海斗「気を使わなくていいって こんなたくさんあるから手分けしてやったほうがいいに決まってる」


 目の前にある食器の山を前にしてエナは「そうだね」と微笑んで海斗と共に洗いつづける


 エナ「海斗とクシアさんがいて本当に助かったよ ありがとう」


 海斗「いいんだよ 行き場が無かった俺たちを泊めてもらってるからこれくらいはしないとだろ……この店はいつもこんな感じなのか?」


 エナ「うん!!そうだよ でも毎回私とミリアが最後に皿洗いをやっているんだけどね」


 海斗「そうなのか……いつも楽しそうで良いな」


 エナ「そうだね……こんな日常がずっと続いたら良いのになって思うの」


 海斗は皿洗いをしながら「そっか……」と呟いて寂しそうな表情を浮かべ家族のことやクラスメイトのことを思い出していた


 エナは悲しそうな顔をする海斗にどんな声をかければ良いのか分からず黙っていると全ての皿を洗い終わってしまう


 エナ「ねぇ海斗…………やっぱり何でも無い」


 昨日のクシアとの会話を聞いていたエナはそのことを聞こうとしたが聞くのを辞めて海斗を寝室まで運んでいく


 海斗は遠慮していたが抵抗できずにエナに抱えられてクシアが寝ている寝室まで行き「おやすみ」と声をかけて彼女も自身の寝室へと行き眠りにつく




 しばらくの間クシアと海斗は一週間程の時間を楽しくて平和に過ごしていたがそれと同時に情報収集を進めていた


 酒場には情報が集まりやすく異世界からの勇者の存在のことや世界がどんな状況になっているのかなどを簡単に聞くことができるのでまともに世界の事を知らない海斗にとってはとても大きなことだった


 


 海斗「クシアさん 今日はどうでしたか?」

 クシア「今日は異世界の勇者達についてと遂に手に入れたかった情報が手に入りましたよ!!」


 ここで姉弟とい設定を生かすことができたのか皆が寝静まった夜遅くに二人は寝室で毎日話し合っておりエナもそれを毎日盗み聞きしていた


 海斗「ようやく見つけたんですね……俺の手足を治すことができる人達がいる場所を」


 

 

 


 

 


 


 

 

 


 


 

 


 

 



 

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