三つ子の個性
「・・・いや、紅消・・・本当にお前・・・
やりたい放題やってたな・・・」
「えぇ・・・私が調査したすべてを、
全力でお届けいたしましたよ、クロ殿下」
「うん、それは・・・わかった。十二分にわかった・・・」
「と、言うことで・・・
本日のゲストは、本編『クロ殿下と剣聖ヴェイセルの』主役のお2人、
クロ殿下と変態ヴェイセルで~す」
「と言うことで始めるなあああぁぁぁっっ!!!紅消!!」
「そうだよ。俺、変態じゃなくって、剣聖だよ?」
「いや、そこなのか?そこなのか、ヴェイセル」
「実は、この紅消の調査コーナーは、今回で最終回の予定なのです」
「ん、まぁ・・・新作もスタートしてるしね。
番外編・・・いや、この番外編も、本体に入れても良かったんじゃないのか?」
「全体的に、この私が調査報告し、私の目線で解説するものでしたので、
一応分けた・・・と言うことです」
「・・・ふぅん・・・」
「でも、楽しかったよね~。南部魔王四天王編とか」
「うん、本編で出会えなかったひともたくさん登場したね。
サイカ大司祭様の三つ子の兄姉とか!」
「紅消さんは、同じ三つ子としてどう思ったの?」
「どう・・・とは、何だ?ヴェイセル」
「例えば、クロとヨルは自分たちにそっくりな双子ちゃんちびわふたん精霊の
リヴィとロータを見て、メロメロになるじゃん?」
「さすがに、見た目も歳も年上の三つ子にメロメロにはなりません」
「いや、確かにそうだけど、三つ子と三つ子の邂逅って、何かあった?」
「・・・いえ・・・そうですね・・・しいて言うのであれば・・・」
「なぁに?俺も紅消の見解、気になるなぁ~」
「個性があって・・・羨ましいな・・・と。我々は見事にクリソツですから」
「いや・・・紅消たちにも個性はあるよ?」
「ヨシュア様もかつて、そう言ってくださいました・・・
しかし、なかなか、他の方々には理解していただけなくて・・・」
「いや、紅消さん。紅消さんたち三つ子も、相当個性的だよ?」
「・・・そうか?ヴェイセル・・・」
「例えば・・・ほ~い!イヴちゃんの隠し撮り写真~~~っ!!!」
と、ヴェイセルが1枚の写真を高く掲げる・・・
「お写真頂戴っ!!!」
颯爽と、その写真を奪い取ったのは・・・
「・・・黛兄さん・・・?」
「貴様・・・剣聖・・・いつの間に我がイヴ姫さまの写真を・・・」
「はい、これが黛さん」
『はぁ・・・?』
私、つい黛兄さんとハモってしまいました。
「と言うか、ヴェイセル・・・ウチのイヴの写真・・・隠し撮りしたの・・・?」
「ひぃうっ!誤解だよ、クロ!これはね、エル兄に頼まれて・・・
ほら、クロにもあげるから!」
「あぁ・・・うん、ならもらっとく・・・イヴかわいいなぁ・・・」
「さて、次は・・・」
「次はどうするんだ?ヴェイセル」
「はいっ!本編では全くと言って出て来なかった、衝撃の事実!!
いちごあんぱ~んっ!!!」
「いや、ヴェイセル!いちごあんパンは出てきたぞ!
ちび双子狼精霊の禁断の遊び編で出てきたぞ!?」
そして、ヴェイセルが掲げたそのあんパンを・・・
しゅぱっ!
「・・・くれるのか・・・?剣聖・・・」
『・・・黒鳶兄さん・・・』
またまた、黛兄さんと一緒に、ハモってしまいました・・・
「黒鳶さんは・・・イチゴマニアです!!
因みに、部屋はイチゴ柄!!因みに、猫も好きなので、
イチゴネコグッズを買い集めてるよ!!」
『えええええぇぇぇっっ!!?』
これには、クロ殿下だけではなく、
私、そして黛兄さんも共に、驚愕してしまいました・・・
そう言えば・・・私たち三つ子は、
3人の共同部屋でいつもお茶をしたりカードゲームをしているのですが、
個々の部屋に頻繁に入るのは・・・私と黛兄さん同士だけで・・・
黒鳶兄さんの部屋には・・・入ったことがなかったですね・・・
私の住まいはすっかりここ、クォーツ祭壇の宿舎ですし。
「・・・何故・・・知ってる・・・」
黒鳶兄さんの顔の影が濃くなります。
そう言えば・・・何故、知っている!!
まさか・・・盗視!盗視したのか!?
「ヨシュア様が言ってた―――」
「があああああぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
まさかの自身の主の密告に、項垂れた黒鳶兄さん・・・
元気出してください。ほら、イチゴメロンパンあげますから・・・
「最後は紅消だね」
「そうだよ、クロ。紅消さんは・・・これだ―――っ!!!」
「んな・・・悪いが、クロ殿下の写真コレクションなら、
私だってたくさんコレクションを・・・それは・・・っ!!!」
「ふっふっふ~!紅消さんがこれに目がないことは・・・知ってるよ?」
「その前に、俺の写真コレクションって何?」
「お世話係としての当然の責務です。あと、シズメさまもご鑑賞になられます。
シズメさまはたいそう喜ばれていて・・・」
「うがああああぁぁぁぁっっ!!!シズメさまが喜んでるなら、
俺には止められないいいいぃぃぃっっ!!!
いや、むしろそのつもりでシズメさま招待してない!?」
「はて・・・何のことやら・・・しかし・・・」
私は掌に乗せられたその、
ひとかけのクッキーから、目が離せなくなってしまいました。
「そう言えば、紅消、チェッカークッキー好きだったね」
「えぇ、この形、模様だけは・・・うぅ・・・我慢できません・・・っ!」
「因みに、それはクッキー型のストラップだから、常に身につけられるよ」
「・・・ふんっ!ありがたくいただいてやろう」
「ついでに、紅消さんはこう言うのも好きです!
渦巻きストライプキャンディー!!!」
「そ・・・それは・・・!」
「つまり、紅消はファンシーなお菓子好きってことか・・・
てか、個性的すぎるだろ!!お前ら全員!!」
「・・・自分たちではそんなつもりはなかったのですが・・・」
我々3人は、互いに顔を見つめ合います。
「ふ・・・ふふっ!そういうとこはそっくりだけどね」
まぁ・・・クロ殿下が喜んでいらっしゃるので、良しとしますか・・・
因みに本日のおやつは、イヴ姫様お手製の、
イチゴとバニラのチェッカークッキーだそうです。
本日はクロ殿下とヴェイセルと共に、
私たち三つ子も、一緒にお茶菓子を楽しんだのでした。
―――
『紅消さんの調査記録』(完)




