ラズーリ系魔人族の氏名(うじな)
「皆さん、こんにちは~~~っ!
前回と前々回に、世界マッドヒーラー連盟会合でも
お会いしました、なんまぞ魔王参謀の
ユウ・ナカンダカリです。
今回は紅消さんと、エストレラ王国の
ラズーリ領に来ています~~~」
「どうも、皆さま。本日は、
ユウ殿とお届けいたします、
私、紅消の調査記録をお楽しみくださいませ」
「早速だけど、紅消さん。
ラズーリ系の魔人族には、
氏名と言うのがあるんですね」
「えぇ・・・クォーツ祭壇のラズーリ系魔人族の同僚曰く、
苗字とは別の、その人自身の祖先や家系を示すものらしく・・・
同じ氏名ならば、同じ血筋の親戚、遠戚、となるそうです」
「へぇ・・・面白そうですね」
「では、早速、ラズーリ系魔人族の皆さまにお越しいただきました」
「ん・・・あろは~、ラズーリ系魔人族で、
クォーツ祭壇の闇の精霊士・・・ウズメ・デニズこと、ウズメ姉だよ」
まず、“あろは~”って何でしょう・・・
ただ、クロ殿下曰く、ウズメ殿は不思議ちゃんお姉さんらしいので、
細かいことはツッコまないであげてほしいそうです。
ついでに、ウズメ殿はクリスタ祭壇の
ふわもふ碧狼族アニキのリョクタ殿と
結婚されていらっしゃいますが、
苗字はお2人ともウズメ殿の“デニズ”を選ばれたのだとか、
因みに、エストレラ王国では、
結婚するときに、夫婦どちらの苗字をとるか、
選ぶことができます。
もちろん、別姓でも可能です。
王配の皆さまは、コーラルディーナ女王陛下が
“リィン・エストレラ”なのに対して、
皆さま、それぞれの家系の姓を名乗っていらっしゃいますしね。
それをクロ殿下にお話した時に、
とても驚いていらっしゃいました。
クロ殿下はクォーツ公爵令嬢アリス殿と結婚されましたが、
お2人はクロ殿下の苗字を選択し、
“リィン・エストレラ”を名乗っていらっしゃいます。
まぁ、王族の苗字なので、名乗るのには
コーラルディーナ女王陛下の許可がいるのですが、
お2人は女王陛下公認のご婚姻でしたので、
そこはすんなりとおりたそうです。
「俺もラズーリ系魔人族のロー・フラッフィだぜっ!」
因みに、ロー殿はクロ殿下とは大の仲良しな、
クォーツ祭壇の闇の精霊士で、
ラズーリ魔人王軍四天王もされております。
「よう、元気か?ラズーリ魔人王のヴィーノだ」
本日は、ヴェイセルの紹介で、
ヴェイセルの異母弟(同い年)で、
現役魔人王のヴィーノ殿に、
スペシャルゲストとしてお越しいただいております。
「早速ですが、皆さまの氏名をお聞きしていっても・・・?」
「あぁ・・・じゃぁ、まず俺な。
普段は、“ヴィーノ・フォン・ラズーリ”だが・・・
正式には氏名をつけると、
“ヴィーノ・フォン・ラズーリ・トテタタタカ”になるぜ」
「ほう・・・魔人王の家系は、“トテタタタカ”なのですか?
南部魔族同盟にも多いですよ」
と、ユウ殿。
「あぁ・・・確か、南部魔族同盟の方の王は、
“ナカングスク”だったか?」
「はい。まぁ、王以外にもナカングスクは多いんですが。
昔は、トテタタタカの王もいらっしゃったということなのですね」
「あぁ・・・そうだな。
ラズーリ系魔人族は、
昔、南部魔王国からエストレラ王国に渡ったと
言われているから・・・
一部のトテタタタカの王とその一族が、
エストレラ王国に渡ったのかもな」
「えぇ・・・興味深いです!」
「因みに、俺も、トテタタタカだぜ。
俺は元々は、孤児で、茶狼族系のフラッフィ家に
養子に入ったから、正確な血筋じゃないんだけど、
母さんの氏名を継いでんだ」
と、ロー殿。
因みに、ロー殿のお母上のドロシー殿は、
先代の魔人王軍四天王であらせられます。
「んまぁ、お前は俺と同じジョブ・魔人王だし、
魔人王に近しい血筋には違いないだろ。
あながち、トテタタタカでも間違ってないんじゃねぇか?」
「うん、そうかな・・・ヴィーノ兄に言われると、なんか嬉しいな」
「うん、ローはトテタタタカ、似合う」
「マジで?ウズメ姉。嬉しい。
あ・・・そういやさ、さっき、
ユウさん、“ナカングスク”って言ってたな」
「えぇ。南部魔族同盟では、
一番多いのがトテタタタカさんですが、
二番目に多いのが、ナカングスクさんなんです。
とはいっても、南部魔族同盟の場合は
魔族だけではなく、多種族の苗字も合わせた統計ですが。
こちらにも、ナカングスクさんがいらっしゃるのでしょうか?」
「いや・・・“グスク”ってのが・・・ピンと来ねぇな」
と、ヴィーノ殿。
「・・・では、まさか・・・この世界では珍しいと言われる・・・
“ナカンダカリ”・・・“ダカリ”ですか!?」
「確か、ユウさんの苗字って、ナカンダカリだったっけ?
でも、それも初めて聞くぞ」
と、ロー殿。
「うぅ・・・エストレラ王国にもナカンダカリはいないとは・・・」
がっかりされるユウ殿。
因みに、ユウ殿は召喚勇者ですので、
“ナカンダカリ”は地球での苗字になります。
「でも・・・それなら一体、ラズーリ系魔人族の氏名には・・・
“ナカン”・・・に何が付くんでしょうか?」
「こっちでは・・・ナカンナイか、ナカンベツ。
因みに、私はナカンナイ。
ウズメ・デニズ・ナカンナイが正式な名前」
「・・・何でナイとベツなんですかっ!!
一体どういう意味なんですか!?
多分、なんまぞ弁でもわからないですよ!?」
「ナカンナイだけに・・・?」
ウズメ殿、目をきらり。
「・・・ワカンナイ?」
とロー殿。
「いやいやいや、わかります!わかりますけど!!
なんっで“ナイ”と“ベツ”なんですか―――っ!!!」
大地に拳をぶつけて悔しがるユウ殿。
何故か、クロ殿下のノリツッコミを髣髴とさせますね。
「なぁ、ヴィーノ兄、“ナイ”と“ベツ”の意味、知ってる?
そもそも、“ナカン”って、何?」
「・・・さてなぁ・・・多分、なんまぞ弁のあれじゃないか?
あぁ・・・でも、“ナイ”と“ベツ”はないんだっけか?」
「えぇ・・・何故、“ナカン”に“ナイ”と“ベツ”をつけるのか・・・
因みに、“ナカン”は・・・漢字だと仲村ですね」
『“ナカムラ”って何?』
「異世界で仲村通じない――――っ!!!
しかもこの世界に“漢字”なかったぁ―――っ!!!
この・・・この“仲村”感を・・・仲村渠感は・・・
どうすれば伝わるんですかぁ―――っ!!!」
「ん~~~、とりま、転生者のヴェイセルに聞いてみっか?」
ヴィーノ殿の提案で、
ヴェイセルに電話してみたところ・・・
あぁ・・・“難読苗字でしょ?前世でよく難読苗字ランキングにでてたわ~”
と言う、回答が帰ってきたそうです。
ユウ殿。
“ナカンダカリ”感、
知っているひとがいて、良かったですね。
それでは、本日はこの辺で。
ユウ殿と、ラズーリ領よりお送りいたしました。




