世界ポーション作り歌
「さて、引き続き世界マッドヒーラー連盟会合より
お届けいたします。司会の紅消です」
「クォーツのマッドヒーリンギスト・フィンです」
「小国連合の鬼ヒーラー・扇で~す!」
「なんまぞマッドヒーリンギスト・ユウ・ナカンダカリです~!」
「それでは、早速、今回の話題ですが・・・
“ポーション作り歌です”」
「あぁ・・・フィン殿がおつくりになった・・・あの!」
と、扇殿。
そうです。本編にも作詞・作曲者名として、
我がクォーツ祭壇の光の精霊士長・フィン様の
お名前を掲載したことを
記憶の中に封じ込めておられる方も
多々いらっしゃることでしょう。
それでは、本編では一部しか掲載していなかった、
フィン様作詞・作曲の“ポーション作り歌”全文を
掲載いたしましょう。
しかし・・・メロディーをお届け出来ないのが、
心苦しいばかりです。
ではでは、皆さま、ご一緒に!
―――ポーション作り歌―――
ガーンツケ ゴ~キゴ~キ ガツンーガツンッ
ナン・ジャワ~レ チギーッテ ホウリ~コムゾ~
コーワモテ ブッコミ ドロッドロ~
グーツグーツ グーツグーツ デキア~ガリ~
ポーションビンヲ~ カカゲ~タラ~
グーツグーツ ニタ~ッタ エキタ~イヲ~
ツメタレバ~ モウオワ~リダ~
(作詞・作曲:マッドヒーリング班首領・フィン)
―――
いかがでしたか?
リズミカルで作業も進み、
ポーションの作り方が楽しく覚えられ、
更には子守り歌にもなるという、
素晴らしい歌です。
因みに、この“ポーション作り歌”ですが・・・
「実は、この歌、世界各地でご当地ソングができているんですよね」
と、扇殿。
「えぇ。各地で使用する薬草が違うので・・・
ご当地に合わせたポーション作り歌になっています」
と、ユウ殿。
「それじゃぁ、早速、小国連合のポーション作り歌を
聞かせてもらえますか?」
と、フィンさま。
「えぇ、もちろんですよ」
それでは、扇さんによる、
小国連合ご当地ポーション作り歌です!!
―――ポーション作り歌~小国連合編~―――
ド~ラヤ~キ ザ~クザ~ク ミジンーギリィッ
ナン・ハムチーズ チギーッテ ホウリ~コムゾ~
ヨーウカーン ブッコミ ドロッドロ~
グーツグーツ グーツグーツ デキア~ガリ~
ポーションビンヲ~ カカゲ~タラ~
グーツグーツ ニタ~ッタ エキタ~イヲ~
ツメタレバ~ モウオワ~リダ~
(作詞:小国連合マッドヒーリング班首領・扇)
―――
「その・・・どらやき、と言うのは、
エストレラ王国でも、たまにクロ殿下が
恋しいと言って小国連合へ買いに行かれている、
あのお菓子の事でしょうか?」
「いえいえ、紅消さん。これはどらやき型の実のなる薬草で、
ドラヤキ草といいます。因みに、“ナン・ハムチーズ”は
ヒーリングベリーの小国連合での呼び方。
ヨウカンは、羊羹に食感が似た根っこですね」
「へぇ・・・小国連合にもヒーリングベリーがあったとは・・・
それにしても、他にもいろんなポーション用の薬草があるんですね」
と、フィンさま。
「えぇ。南部魔族同盟なんて、すごいですよ。
薬草の宝庫ですから。ね、ユウ殿」
「はいっ!薬草の種類がとっても豊富なんです。
昔から、南部魔族同盟には、“マ食同源”という格言があります。
これは、日々の暮らしの中で、マッドボーションと食事は
切っても切れないものである、ということを表しています」
「いい言葉ですね」
と、フィン様や、扇殿も頷いていらっしゃいます。
私も、感激いたしました。
「そんななんまぞポーション作り歌が、こちらですよ~~~」
―――ポーション作り歌~なんまぞ編~―――
ゴーヤウージ ゴ~キゴ~キ ゾリィッ~ゾリィッ
シマ・ベニド~フ チギーッテ ホウリ~コムゾ~
アマ・ア~ワモ~リ ブッコミ ドロッドロ~
グーツグーツ グーツグーツ デキア~ガリ~
ポーションビンヲ~ カカゲ~タラ~
グーツグーツ ニタ~ッタ エキタ~イヲ~
ツメタレバ~ モウオワ~リダ~
(作詞・編曲:ユウ・ナカンダカリ、監修:島のおばぁたち一同)
―――
「ほう・・・聞いたことのない薬草名がたくさんありますね」
「えぇ、紅消さん。まず、ゴーヤウージと言うのは、
ゴーヤのような苦みで、サトウキビのような甘さがある
島ならではの薬草です。
次に、シマ・ベニドーフと言うのは、
古くから南部魔族同盟で、マッドポーションを
固めて作られた豆腐のことですね。
見た目は揚げ豆腐に近いです。
そして、最後はアマ・アワモリ。
これは海藻の一種で、アルコールが
含まれるのですが、似ることでアルコールが抜けて、
薬効のみが残ると言う仕組みなんですよ」
「ほう・・・それは興味深いです。
特に、マッドポーションを固めて作られた豆腐・・・とは・・・」
「えぇ。南部魔族同盟では昔から、
このようにマッドポーションを
料理に使うことが普通にあるんですよ。
と・・・いうことで、今回は、
その試食のために、ウチの魔王様に来てもらいました~~~っ」
「え・・・南部魔王陛下ですか?」
世界マッドヒーラー連盟の会合に、
わざわざお越しいただけるなんて・・・
感激の極みですね。
「では、ご紹介します!我が南部魔族同盟が南部魔王国魔王・・・
ハキ・ナカングスクで~すっ!!」
「どうも・・・ハキ・ナカングスクです」
我が世界マッドヒーラー連盟に、
魔王陛下が御光臨なされました。
「では、早速・・・島紅豆腐のゴーヤチャンプルーと、
アマ・アワモリとゴーヤのジュースです~」
「あ・・・っ!うまそ~~~っ!
俺、ゴーヤチャンプルー大好きなんだ~~~っ!
はむはむ・・・んん、やっぱりユウの飯はうめぇな・・・
むぐむぐ・・・もぐもぐ・・・」
普通に食べていらっしゃいます、魔王陛下・・・
しかし・・・ユウ殿は次の瞬間、
サトウキビで作られたと思われし、
ハリセンを天高く掲げます。
いえ・・・あれはもはや、ハリセンではなく、
単なるサトウキビの束ですね。
あれを一体・・・どうするおつもりなのか・・・
いえ、ハリセンの化身・サトウキビの束なのですから、
用途はわかりきっていますよね。
「・・・ちょっとっ!ボケてくださいっ!
ボケないと、俺がいつまでたっても
ツッコめないでっしょ―――っがっ!!!」
「がはっ!!!」
サトウキビの束で、ハキ魔王陛下の頭をバシリッ。
※危険なので絶対に真似しないでください
「うえぇっ!!?何で!?何で俺、ボケないって怒られんの!?」
「全く、味音痴なんですから・・・」
「味音痴じゃなかったら、
どんな味するんだろうね、アレ。ぷぷぷっ」
と、扇殿が微笑んでいらっしゃいますが、
その黒い顔は、確実にその答えをご存じでいらっしゃいそうです。
良薬は口に苦しと申しますれば、
もしかしたらあれは、超苦いのでしょうか・・・?
「ほら、ユウ。ソーキそば、用意してっぞ。
島人はこれさえ食えば、
なんくるないさぁ~~~」
と、どこからかソーキそばなる
麺もののどんぶりを出して、
お箸でユウ殿にあ~んしだすハキ魔王陛下。
「はい、“めん、そ~れ”」
「・・・ってこれ、ソーキそばじゃなくって、
ラフテ―――っじゃないですかっ!!
これじゃぁ、めんそ~れじゃなくって、
らふて~そ~れです!!」
「いや、いらっしゃいの“めんそ~れ”と、
麺をそ~れをかけてみたんだが・・・」
「いや、俺にいらっしゃい言う意味がわかりませんませんっ!!
しかも、それはラフテーですよっ!!!」
「でも、お前、ラフテー好きだろ?」
「えぇ・・・確かに・・・
パイナポーぷにこっと同じくらい好きです・・・」
「ほ~ら、これさえ食えば、なんくるないさぁ~~~」
「何でも、なんくるないさぁ~~~
つければいいと思ってるでしょ」
「・・・ダメなのか?」
「たまには何か別のこと言ってください」
「く・・・っ!ツンデレ参謀め・・・っ!
んじゃぁ・・・“エトピリカ”!!!」
「エトピリカは北部魔王国でしょ―――っがっ!!
島人なら“ヤンバルクイナ”!!!」
「えっと・・・じゃぁ・・・
これからも、ボケをガンバルクイナ」
「・・・3点」
「・・・何点満点中だよ?」
「・・・100点」
「・・・ひっく!ひで―――――ぇっ!!!」
「では、このソーキそばは、ラフテーごと没収です。
あぁ・・・おいしいです、このソーキそばって・・・
アンタ!これゴーヤウージ入りのソーキそばじゃないですかっ!!
早速魔王直属四天王に悪戯されてんじゃないですかっ!!」
「えええぇぇぇっっ!!?マジで!?」
南部魔王国では、随分と四天王がやんちゃなようです。
いえ、エストレラのラズーリ魔人王四天王も、
かなりのやんちゃっぷりですが。
「おのれ・・・この参謀の俺の
ラフテーの楽しみを奪うとは・・・許し難し・・・
勇者の必殺ウージハリセンを決めてくれよう・・・」
ウージ=サトウキビ
と言うか、そこは勇者スキルを使うんですね。
いえ、そもそも、必殺ウージハリセンは、
スキルなのでしょうか・・・?
『以上、なんまぞ魔王参謀でした~~~。
御視聴、ありがとうございました~~~』
「え・・・?それ、コントだったんですか・・・?」
今、初めて知りました。
それでは皆さん。
世界マッドヒーラー連盟会合の提供でお送りいたしました。




