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【完結】紅消さんと調査記録  作者: 夕凪.com
19/30

シルヴァリー共和国のパリスピ語


「皆さま、最近はいかがお過ごしでしょうか。

クロ殿下のスーパーシャドウお世話係忍者の紅消です。

さて、2日間に渡ってお送りいたしました、

西部辺境訛り編ですが・・・

このクロ殿下と剣聖ヴェイセルの世界の中には、

まだまだご当地訛りと言うものがございます。

そこで本日は、エストレラ王国から、

ロザリア帝国を挟んだ更に南の、

シルヴァリー共和国で最近、

若者の間ではやっているという、

シルヴァリー共和国の若者語・・・

“パリスピ語”をご紹介いたしましょう」


『オゥ、イェ~イッ』


「あの・・・皆さま。まだ、ご紹介がまだですので」


『フライングスライディング、やっちゃったぜぇ!

オゥ、シェエエェェェ―――イッ!!!』

あぁ・・・もう・・・

早速、何をおっしゃっているのかがわかりませんね・・・

しかし、司会として、しっかり紹介しなくては。


「本日のゲストは、シルヴァリー共和国の

やかましトリオで知られる、

パリスピトリオ・チームクロム族の皆さまです」


「オゥ、イェ~イッ!

チームクロム族団長の、

クロムの精霊インだぜ!

ウェ~イッ!!」

因みに、イン殿は、

灰色の毛並みで、

わふたんお耳しっぽのようですが、

わふたんお耳の先端に

ざんばらな毛が生えております。


「続いては俺~~~っ!

ニッケルの精霊グェイだぜ!

ヨッシュァ~~~」

は・・・?

クロ殿下のお父上で、

わたくしの上司・ヨシュア様?

いや・・・違うでしょうけど。

グェイ殿は、緑の毛並みの碧狼族の姿です。


「さぁさぁ、俺っちの番よ~っ!

皆、テンションアゲアゲ、バッチコーイッ!!

モリブデンの精霊シュエイだぜ~」

シュエイ殿は、フェネック耳しっぽの犬耳族の姿です。


「さぁて~俺たち皆揃ってぇ~~~っ」


『パリスピッ!!』


「あの・・・早速ですが、“パリスピッ”とは何でしょう?」


「ウェ~イッ!紅消っち、“!!”が抜けてるぜぇ~!!

パリスピッ!!レッツセ~イッ!!」

と、イン殿。

えぇと・・・わたくしのことを“紅消っち”と呼ぶのは、

グリューン州トッカ領でトッカ祭壇の精霊士をしている

ピィちゃん狂のゼルダ殿以来ですね・・・

しかし、“!!”も必要なのですね。

勉強になりました。


「パリスピッ!!」


「オゥ、イェ~~~イッ!!

紅消っち、最高のパリスピッ!!

だったぜぇ~~~!!

パリスピッ!!魂感じちゃったぜ~~~っ!!!」

そ・・・そうですか・・・

ありがとうございます、イン殿。


「パリスピッ!!ってのは、あれよ。

パーリースピリッツ的な?」

と、グェイ殿。


「お祭り好き精霊的な?でも、お祭り好き精霊みたいな

テンションだったら、ひとでも~、

もちもちウェルカムパーリナイッ!!」

と、シュエイ殿。

因みに、“パーリナイッ”については、

常々、クロ殿下が“今、夜じゃねぇよっ”と、

ツッコんでいらっしゃいますね。

ついでに、現在の時刻は午後2時でございます。


「そして、今回は、シルヴァリー共和国の

若者言語に詳しいこの御方にご足労いただきました」


「シルヴァリー共和国の王女のユイファちゃんだよっ!!

ハッキョーイッ!ノコッタッ!!」

ユイファ殿は、立耳の犬耳族で、

キャラメル色の毛並みを持つかわいらしい女の子で、

左耳にとめた赤いリボンがチャームポイントです。


「早速ですが、ユイファ殿。

“ハッキョーイッ!ノコッタッ!”とは・・・?」


「えっとね。シルヴァリー共和国には、

八卦はっけ”ってのがあるの。

八卦はカレーに欠かせないいくつものスパイスの中でも

重要な、8大スパイスを意味していて・・・

各家庭によって微妙に違うんだって!

それをね?“八卦を用意した!?入れ残してないか!?チェーック!!”

って言う意味で、若者が使うの!」


「ほう・・・興味深いですね」


「これはシルヴァリー共和国では欠かせない文化だから、

挨拶の時にも若者が使うようになったんだ」


「食文化から生まれた若者文化ですか。

クロ殿下の、“お残しはめっ”のようなものですね」

※ここに来て、本編では出て来ません初出情報です


「クロ殿下ったら、相変わらずかわいい~~~」


「ふふふ、ユイファ殿。それはクロ殿下の前では」


「わかってるって!ミートゥーでしょ?

因みに、“ミートゥー”は、“秘密”ってこと」


『ついでに、同意したら、“ユートゥー”って返すのが

オツだぜっ!ウェ~イ!!』


「では・・・こほん・・・ユートゥー!」


「完璧よ!紅消さんも、すっかりシルヴァリー共和国の

若者言葉・・・パリスピ語のプロねっ!!」


「いえいえ、まだまだ知らないことばかりですから・・・」


「他にも、色んな若者言葉を紹介するわね。

モリブデン・・・!シャラップ!!」


「その・・・ユイファ殿。“シャラップ”・・・とは?」


「取り敢えず、君からやっちゃいなヨ!ウェ~イッ!ってこと」


「ほうほう・・・」


「そんじゃぁ、俺・モリブデンの精霊シュエイから行っちゃうぜ~~~っ!」


『イェイイェイ!シャラップ!シュエイっちシャラップ!!』

イン殿、グェイ殿に合わせて、ユイファ殿も一緒におっしゃっています。

本当に、仲が良ろしいのですね。


「まずは・・・俺たちパリスピッ!!に欠かせない・・・

“ウェ~イッ!!”」


「ウェ~イッ!!来ましたヨ~!ウェ~イッ!!!」

と、イン殿が音頭を取られます。


「ウェ~イッ!!って何ヨ。シュエイっち、シャラップ!!」

と、グェイ殿が続きます。


「ウェ~イッ!!とは?」


『ヘイ、ウェ~イッ!!とはっ!!?』


「俺たちパリスピッ!!魂超テンションアゲチャイカレーっ!!」


『おっしぇーいっ!!ペッキカ~ンッ!!』

えぇと・・・わたくしにはよくわかりませんが・・・

取り敢えず、シルヴァリー共和国の名産品・“カレー”を

語尾につけているのは、やはり、彼らの魂の中には、

“カレー”の遺伝子がしっかりと組み込まれているからなのでしょうね。


「それじゃぁ、ユイファっちも行っちゃいなカレーっ!!」

とイン殿がユイファ殿に振ると・・・


「はぁ~いっ!!ユイファちゃんも行っちゃうカレーっ!!」


「今日は何カレーっ!!オゥハッキョーイッ!ノコッタ―――ッ!!」

と、イン殿。


「今日はアゲアゲ超パリスピッ!!カツ盛りだくさんカレーっ!!

行っちゃうヨッ!!ターメリック、シナモン、カルダもんっ!!」


『おっしぇーいっ!!最っ高のカレスピッ姫の降臨だぁ―――っ!!!』

いやはや・・・シルヴァリー共和国の若者のノリ・・・

わたくしにはついて行けません。


「・・・ここで、保護者としてついてこられた

ユイファ殿の兄君・フェイラン殿にもお話をお聞きいたしましょう。

因みに、今回はチタンの精霊チタニール殿こと、

チタニールフィスクワイツ殿もご一緒です」


「ど・・・どうも」

控えめ気味にご挨拶されたフェイラン殿は、

たれ耳の犬耳しっぽの、シルヴァリー共和国の王子であらせられます。


「こんにちは~~~」

にこやかにご挨拶なされたのは、

フェイラン殿と同じ、たれ耳の犬耳しっぽの精霊である、

チタニール殿です。


「現在のシルヴァリー共和国の若者言葉・・・パリスピ語について、

とても元気がよく、明るく、こちらもついつい、

テンションが上がってしまいますね」


「え・・・えぇ・・・そうですね・・・

シルヴァリー共和国の象徴王族として、

庶民の方々の文化に共感することは、

大事・・・だとは思います・・・」


「フェイラン殿も、お使いになられるのですか?」


「いえ・・・その・・・俺はなかなか、

ユイファのようにはいかなくって・・・」

フェイラン殿は、まだパリスピッ!!の魂を

解放しきれていらっしゃらないようですね。


「・・・あれ、フェイランに伝染うつしたら

あのやかましトリオをいっぺん締めます♡」

そう、にこやかに告げる、チタニール殿。

このわたくし、紅消も、

思わず背筋がぞっとしてしまいました。


『パリスピッ!!イェイイェイ!!

盛りだくさんカレーっカレーっ!!』

あちらで元気よく盛り上がりカレー中の

ユイファ殿と、シルヴァリー共和国のやかましトリオ精霊殿たち。

見ていて、とても微笑ましいですが、

やかましトリオの平和のためにも、

フェイラン殿は、そのままでいてほしいですね。


それでは、本日は、この辺で。









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