西部辺境訛り会話集
「皆さま、ごきげんよう。
先日は、西部辺境訛りの基礎を
ご紹介いたしましたので、
本日はその応用編です。
本日のゲストは、生粋のクォーツっ子である、
オリーヴ色の毛並みの黒狼族の狼アニキこと・・・
ナムカン・ウォン殿です。
因みに、愛称は狼アニキの他に、
“ナムさん”がありますね」
「・・・ん」
「そして、その通訳をしてくださる、
クォーツっ子で人族の腹黒守銭奴アニキこと・・・
ヴォルフガング・レキ殿です。
通称・ヴォルフ殿。因みに、ヴォルフ殿の
苗字は初出です」
「よろしく~。ウッシッシ・・・
最近はカレー粉商売が
盛況でね・・・ふっふっふ・・・」
「・・・相変わらず、クォーツ祭壇の闇の精霊士なのか、
腹黒守銭奴商人なのか、よくわかりませんね。
そして、本日は、私紅消と、
狼アニキことナムさん殿との西部辺境会話を
ご覧あそばされませ。
それでは・・・早速参りましょう」
―――
「はよごっす、ナムさん殿」
ヴォルフ訳:はよっす、ナムっち~
「・・・ん」
ヴォルフ訳:ん、はよ~
「今日も、え~天気だべ」
ヴォルフ訳:今日も、いい天気だね~
「・・・ん」
ヴォルフ訳:んだな~
「クロ殿下は今日もめんげぇな」
ヴォルフ訳:クロ殿下は今日も、超かわゆす~!
「・・・ん」
ヴォルフ訳:んだな~、たんげ、めんげぇな~
「因みに、今朝のわふたんパジャマは、
オリーヴ色の毛並みの狼アニキパジャマにしたべ」
ヴォルフ訳:因みに、今朝の狼パジャマは
ナムっち風にしちゃったぜ。オゥ、イエァッ!
「ん・・・」
ヴォルフ訳:うおっす、マジで!?
俺、超うれしすっ!超萌え萌えっ!!
「写真見るべ?」
ヴォルフ訳:今朝パシャった超オススメのフォト見ちゃってよ~!
フゥ~~~っ!!!
「ん・・・」
ヴォルフ訳:うぉっす、たんっげめんげぇっ!!
バリかわゆすっ!!
―――
「と・・・まぁ、こんな感じです。
普段は見られない、西部辺境訛りの紅消でお送りいたしました」
「・・・ん・・・」
「どうされました?ナムさん」
「・・・ん」
今、ナムさんが、ヴォルフ殿に手刀を入れられたところです。
「うぉっ!何すんの!?ナムっちひでぇ」
「・・・ん゛」
「因みに、ヴォルフ殿。今のは何と?」
「んっとねぇ・・・」
ヴォルフ訳:訳がいまいちだった
「そんなことないと思うんだけどな~。
やっぱり、キサラの訳の方が慣れてる系だから?」
まぁ・・・訳のいまいちさなら、
私も少々感じていましたが・・・
人族のアニキの通訳も、
ひとそれぞれと言うことでしょうか。
しかしながら、いつもはキサラ殿訳に
頼っているところ・・・
他のアニキに通訳してもらうのも、
割と新鮮で、よい経験だったと思います。
それでは本日はこの辺で。