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【完結】紅消さんと調査記録  作者: 夕凪.com
15/30

三つ子ちゃん会議


「それでは皆さま、前回の双子ちゃん会議で

リクエストのあった、三つ子ちゃん会議を

開催いたします。議長の紅消です。

そして、今回の参加者がこちら・・・

兄さんたち、順番に名乗って下さい」


「・・・黒鳶くろとびだ」

黒鳶兄さんは、我らシャドウ三つ子の三兄弟の長男です。


「・・・まゆずみだ」

黛兄さんは、我らシャドウ三つ子の三兄弟の次男です。

つまりは、わたくし紅消は、三つ子の三兄弟の末っ子です。


「そして、お招きいたしました、スペシャルゲストは・・・」


「は~い、エステラ大祭壇の大司祭のサイカです。

そして、私の三つ子の兄姉がこちら」


「・・・」

う~む・・・しゃべりませんね・・・

サイカ大司祭様のお隣には、

黒い祭服に六角星の司祭のエンブレムを身につけた、

サイカ大司祭様にそっくりであろう

男性が座っていらっしゃいます。

しかし、その顔には黒い仮面をしていらっしゃいます。

髪型や、その色はそっくりなのですが。


「ルルカ兄さんです」

と、サイカ大司祭様が紹介してくださいます。

・・・かわいらしいお名前の方ですね。


「因みに、司祭様のようですが、

どちらの祭壇の司祭様をなさっているのでしょう?」


「・・・」

う~ん・・・また、しゃべりませんね・・・


「本編ではちらっとしか出て来なかった、

ロンド州のレンガ祭壇で司祭を務めております。

この通り、人見知りなので、

目立たない地方の祭壇に引き籠っています」

あぁ・・・その仮面は、

極度の人見知りのせいでしたか・・・


「因みに、紅消くんたちの口蓋も、人見知りですか?」


「あ・・・いえ、我らは、これがコスチュームなので」


「そうでしたか・・・残念でしたね・・・兄さん。

せっかく人見知り友だちができたのに・・・」


「・・・」


「因みに、兄さんはにゃんこ萌えなんです」

ほう・・・ロンド州には猫耳しっぽの封印の精霊・パシャさまが

いらっしゃいますから、もってこいな職場なわけですね。


「・・・」


「にゃんこ好き友だちになれるかな、って言ってます」

おぉ・・・さすがは三つ子。

通訳ができるのですね。


「申し訳ありません。わたくしはクロ殿下好きです。

因みに黛兄さんは、イヴ姫殿下愛に満ち溢れております」


「あぁ・・・」

黛兄さんが、力強く頷きます。


「へぇ・・・それじゃぁ、黒鳶さんは何殿下好きなんですか?」

いつの間にか、何殿下好きか・・・と言う

話になってきてしまいましたね・・・


「・・・」

黒鳶兄さんもしゃべりませんね・・・全く・・・


「黒鳶兄さんは、隠れたにゃんこ好きです」


「・・・!」

ルルカ殿がびくっと反応されます。

その瞬間、黒鳶兄さんが立ち上がります。


「・・・紅消・・・」

睨まないでください、兄さん。

それは“俺”も黛も周知の事実ですから。


「いい、お友だちになれますよ」


『・・・』

黒鳶兄さんは着席し、

何やらルルカ殿とアイコンタクトを

とっていらっしゃいます。

黒鳶兄さん・・・

友だちいないからなぁ・・・

是非ともいい三つ子友だちになっていただきたいです。


そして・・・


「遅くなりましたが、私の三つ子の姉のビアンカです。

順番的には、三つ子の真ん中です。

つまり、私は末っ子なんですよ」

おぉ・・・サイカ大司祭様も

私と同じく三つ子の末っ子でしたか。


「どうも、こんにちは。私はマリーン祭壇の司祭です」

おや・・・ビアンカ殿は、

エストレラ王国東部シュテルン州マリーン領の司祭様でしたか。

確かあちらでは、海の精霊さまを祀っていらっしゃいましたね。

ビアンカ殿は、顔立ちの整った美人でいらっしゃいます。

サイカ大司祭様をそのままロングヘアーにした感じの女性で、

服装はサイカ大司祭様と同じく、光系・・・ということは・・・


「・・・マッド・・・」

私が呟いた時・・・


「ヒーリングっ!!」

ビアンカ殿がお答えになります。

何故か、ルルカ殿がその隣で、

小刻みに震えたように見えましたが・・・


もう一度、この感動の出会いを・・・


『マッドヒーリングっ!!!』


「紅消・・・」


「どうしました?黒鳶」


「・・・今日・・・兄弟会議・・・な」

え・・・?何故でしょう?

よくわかりませんが・・・

まぁ、三つ子兄弟会議はいつものことですので、別に構いませんが・・・?


「じゃぁ、私たちもやりましょ?新作のマッドポーションがあるの!」


「いいですね、ビアンカ殿」


「・・・!?」


『マッドヒーリング!マッドヒーリング!』

そう連呼するわたくしとビアンカ殿に、

ふるふると、ルルカ殿が震えておられたのは・・・気のせいでしょうか?

ひょっとして・・・ルルカ殿も、

新作のマッドポーションが楽しみなのでしょうか?


「紅消・・・それは違うと思うぞ」

と、黒鳶兄さん。


・・・はて?

にゃんこ好き友だちの黒鳶兄さんと、

ルルカ殿ですから、互いに通じ合うこともあったのでしょうか?


さてはて・・・

そんなこんなで三つ子ちゃん会議も、

なんだかんだで普通のお茶会みたいになってしまいましたね。

それでは、本日はこの辺で。




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