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第27話 闇の帝王

<<あらすじ>>


ここは冥府、俺はここで罪人たちの審議をしている冥府の王。

このには罪人の亡者達が巣くう世界。


そこへ、新たにやって来た罪人の亡者。


それは、願いの水晶を使い地上からは姿を消したフレイアだった。

やはり、伝説の如く冥府へと堕ちたのか?


そして、冥府の王の審議が始まった。

その中で、願いの水晶のは願い聞き分けると聞く。


願いし者は代表者として評価され

その者の願いが拒否されると、世界をも滅ぼされてしまうとも…


冥府の王はフレイアの記憶の中になにかを見た。その中の1つがルイーズだった。

ルイーズにより、ガートの記憶を戻した冥府の王は、フレイアを連れて冥府を出る事に…


 フレイアは真っ白な世界に放り込まれた感じで彷徨っていた。眩しすぎて何も見えないのか、白一色で、その中に1点何かを見つけていた。それは先導する冥府の王であろうと思われる。その姿が真っ赤なファルコンと分かった時の驚きは隠せなかった。


 やがて出口と思われる境界が近づいてくると、そのファルコンは振り返りフレイアが追従しているのを確認していた。


 その眼差しは非常に優しく、一瞬であるが、彼女は赤いファルコンの姿ではなく別の姿を見ていた。恐らくそれが彼の真の姿なのであろう。


…まさか、あれは火の鳥(フェニックス)?…


 薄れる意識の中でフレイアはそう思っていた。朱い孔雀は人に幸せをもたらすと言う。またそれは、人によっては、鳳凰とも、火の鳥とも呼ばれている。


 火の鳥は、死を迎えると身体が炎に包まれ、その炎の中より再誕すると言われている伝説の鳥獣である。炎の中より生まれる事から、火の鳥と呼ばれるが、誰もその姿を見た者は無い。そして、死の度に生まれ変わる事から、何時しか不死鳥とも呼ばれていた。しかし、その鳥獣がなぜ…そう思う彼女にまた激痛が襲った。


 …か、身体が熱い…


 彼女の思考を止めるかの様に、身体中を光の閃光が次々と貫いて行く。身体がバラバラになりそうな痛みが彼女を襲うが、その極限を超えた痛みは、熱く感じられていた。その直後、彼女の意識は途絶えていた。


 時間の経過が全く持って判らない。何時しか、全身がポカポカと陽気を感じているのが判った。何も感じない冥府とは比べ物にならない、優しく、暖かな感触に身体中が喜んでいる感じである。その感触の中で、フレイアは意識を取り戻していた。


 …ここは?…


 ゆっくりとその場で起きあがる彼女。そこが何処であるのかは分からない。見渡す限りの草原の中に、彼女1人がたたずんでいた。そこでは、小鳥達の声が遠くに聞こえており、今までのは夢だったのかと、そう思う程、平和な世界であった。


 『ここは、デムールと大地の村の間に位置する所だ、分かるか?』


 突然男の声が掛けられた。だが、その声は何処かで聞き覚えのある声であった。辺りを見回す彼女の前に、突如、赤い光に包まれ現れたファルコンが現れた。突然の事に、フレイアは驚き後ずさりするが、ファルコンはその光の中で羽ばたくのみであった。


 やがて、光の中の光景に変化が見られた。巨大なファルコンの姿がどんどん小さくなり、人の形へと変化して行く。そして、赤い光が消え去った後、そこには、長身で体格が良く、まるで戦士の様な男が、旅姿で目を閉じて立っていた。


 男は目を開くと、手足を動かしてはその調子を確認している様子である。やがて、それに満足した表情をすると、彼は、何故か悲しげにフレイアを見つめた。


 「こうして人間の姿になったとて、中身は魔物だ…」


 そういう男に、フレイアはゆっくりと近づくと、再度自分の名を云った。


 「改めまして、わたくしの名は、フレイア・ギワールと申します」


 「俺の名は…」

 「ガート…ガート・プルートンだ」


 「プルートン?…」

 「あぁ、冥府の王様ね」


 ガートは、自分の名をさも言いにくそうな感じで答えていたが、彼の名前に、フレイアは笑顔で納得していた。ガートの冥府での姿は視覚を奪われたフレイアには判らない、魔物であった事は承知の筈だが、そんな事は気にも留め無かったようだ。


 「まず、礼を言わせてくれ、」

 「闇に取り込まれていて、自我を失っていた…あんたのおかげだ…」


 「あなたこそ、あの暗い世界から、私を連れ戻してくれました」

 「ありがとうございます」


 改まって礼を言うガートに、フレイアは明るく感謝の意を伝えるのだが… 彼女に礼を言われても、自我を失っていて何も覚えていないガートは少し照れくさそうにしていた。


 「ああ、そうだ、1つ言っておくことがあった…」

 「フレイア、あんた、水晶を持っていたな…」


 そう言われたフレイアは手を振り、もう持っていないことを伝えようとするが… 左腕にはまった腕輪の存在にその時気づいたのである。首に下げていた水晶は昇華した筈である。


 「これは何かしら…」


 「あり得ないのだが、水晶が進化を遂げた…」


 フレイアが腕輪を確認する間もなくガートはそう答えていた。その腕輪の水晶にはペンタグラム(星型五角形)が刻まれている。それと同じペンタグラムのアザがガートの左二の腕・内側にもある。


 「あんたは、この水晶に刻まれた物と同じアザを持つ者と探すんだ」

 「一人目は俺だ、残りの者達とも出逢うのが水晶の導きとも云うべき次のミッションだと思う…」


 フレイアは水晶の導きと聞いて、シーウッドから聞いていたことを思い出していた。ガートの言葉にフレイアは頷くと、にこにこと仕出した。


 「じゃぁ、私もお供していいかしら…」


 「え!?、そ、そうか…」

 「それは、構わんが…」

 「…と、兎に角、俺はルーズと合流をするつもりだ…」

 「彼女に確認したい事がある…」

 

 女性の連れが出来るということは、悪くはない筈だが、そこは女性には無口なガートのこと。内心は困惑していたのであまり良い返事が出来ずにいた。それよりも、ルイーズにこのツーショットを見られて、焼きもちを焼かれない心配したのやも知れぬ。ただ、ガートはフレイアの記憶の中で見た事が気になっていた、ルイーズに確認したい事と云うのはその事であろう。


 「あ、わたくしも1つ言っておきたいことがあるのですが…」


 「な、なんだ?」


 「アルマティアさんのことで…」


 「ルイーズの?」


 「ええ…」


 フレイアの言っておきたいこととの言葉に、ガートは少し戸惑いを見せていた。フレイアは云いにくそうに前髪を人差し指に巻き付けながら、ガートを見つめていた。その()がガートを非常に不安な物にした。


 「…実は…」

 「記憶を無くされています…」


 「なんだと!?」


 フレイアからの思いも寄らぬ言葉に、ガートには後悔の念しか残らない。拘束後、拷問でもされたのだろうか、精神的に病んでしまったのだろうか、様々な事が頭を過った。


 兎に角、早く彼女に逢って無事なのをこの目で確認した。ガートの思いは一つであった。


+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+


『ガルディよ…』

『訊くが良い、ガルディよ…』


「おお、我が力の元、闇の帝王(ルシファ-)よ、何用ぞ」


 闇の中から、今にも生気を吸い取りそうな不気味な声が唸っている。それに、慌てる様に一人の男が駆けつけた。


 ここは、ヘルメス軍主ガルディの自室である。いや、今となっては、新制ライテシア王国、国王ガルディのライテシア城自室と言った方が正しい。だが、そのライテシア城が"中つ聖域"と呼ばれる区域の中心であり、聖なる地と知る者は無いに等しい。


 ガルディの部屋は暗く閉ざしてあり、床には大きなペンタグラムが描かれている。その陣には幾つかの燭台があり、長い蝋燭が立ててある。そして、その蝋燭の火が不気味に揺れる中、その声の主である黒い影が揺れ動いていた。


『良いか、ガルディよ…』

『あの光の女は封印(シール)された状態だ』

『我らにとって、光の女は封印(シール)からの復活がなければ恐れることはない』


 ガルディはいよいよ次期国王として、統治を始める準備も始めていた。このさなかに一体何の難癖を付けられると云うのかと、不満を募らせる。


『お前は水晶を確保しなかった』

『そして、その水晶は誰かが使用した』

 『水晶が発動すれば、四方位の聖地が厳戒状態になるのだ』

『聖地を治めるのは、我らと同じくダークな部分を持つ者達であるが』


『このままでは、そこを治める一族の(おさ)達が先に動き出すことになる』

『さすれば、光の女の封印(シール)を解除し、手を組む可能性がある』

 『あの女が魔族と組むのは問題となる』


『それを阻止できなかったのは痛手だ』

『この代償として、魔の契約通り、お前の魂は我が物となるだろう…』


 黒い影から、赤い目がギラリと光りガルディを睨みつける。闇の帝王ルシファ-と云うだけあって、その不気味さ、恐ろしさ、気迫といったらないであろう。


 どうやら願いの水晶を抑えなかったのが、ルシファーの逆鱗に触れているらしい。何事にも恐れず、何事にも屈した事の無かったガルディはその様子に反発心が起こるのみだ。

 ガルディが欲しいのは、闇の力であり、闇の帝王、魔の契り等はその手段に過ぎないのであるから。


「わ、分かった、ならば僧侶の娘を始末すれば良いか?」

「そのような事で、そう事を早まらなくとも良いではないか」


 大魔王サタン、ルシファ-に対してとっさに言った言葉は、ガルディに策があった訳でも無く、その場逃れから出たものであった。恐らく、ルシファ-にもそれは判っていたであろう。だが、ルシファ-はそれに対して、否定する様子は伺えない。


『5日だ、5日以内にあの僧侶の娘を始末し、水晶を確保するのだ』

『さもなくば…』


「じゅ、十分承知した、必ずや…」

「必ず…」


 深々と(コウベ)を垂れ、ルシファ-の気配が無くなるまで、頭を上げぬガルディであった。その気配が消えた時、ガルディの機嫌が悪くなったのは言うまでもない。


「ふう、冗談じゃない、こんな所で魂を喰われてなるものか…」

「ダリルっ! ダリルは居るかっ!」


「はい、先ほどからこちらに…」


「…ムッ…今の、聞いておったのか?」


 ゆっくりと無言でダリルは頷いていた。それを見て、己の恥部を見られた様な顔をするガルディであった。だが、直に咳払いをするや、ガルディの顔は悠々たる支配者に戻っていた。


「ダリルよ、飢餓の恐れのある貧しい村から順次焼き払い、皆殺しにするのだ」

「そして、その殺戮は、大神官の娘が我らの前に現れるまで続くと、告知するのだ」


「しかし、現れますかな」


「現れぬのなら、奴は僧侶としては失格ぞ」


「そうでございますな」

「早速、部隊を出立させまする」


 ダリルの顔が笑った、これから、この世で最も愉快な事が、数多く繰り広げられる光景が彼の脳裏に浮かび上がっていたのだ。

後書き


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