未来のアナタへ…。
頭を空っぽにして頂き、ダメな作者と思って生易しい目線で、読んで頂けると幸いです┏〇゛
アナタへ
アナタの笑った顔をただ横で眺めているのも、笑うと目尻にシワが寄るのも、朝は無精髭が生えてチクチクするキスも、横から見ると後ろ髪が跳ねる癖毛も、頭の上にある眼鏡を探すアナタ、左耳の後ろと耳たぶの裏にホクロがあるのを教えたのは私、何かに集中し出すと左手人差し指でリズムをとる癖、太い腕に固い胸……。
上げるとキリがない、アナタの仕草………。
アナタの全てが私の宝物……。
好き? 愛してる?
言葉でなんて言い表せません。
アナタは私の全てなの……。
こんなにも、重い私の気持ちにアナタは気が付いて無いのでしょう?
だからね、教えて上げる。
私のアナタへの想いを、アナタが私をいつでも思い出せる様に…。
アナタは好きを1回しかくれなかったわ…。
だからね、私はアナタに沢山の『好き』と『愛してる』を贈ってきたの。
ふふふふふ、私は優しいでしょう?
だって、アナタに私の事を忘れさせたく無いもの。
綺麗な言葉のはずの、『好き』と『愛してる』でアナタの心の中に、永遠に小さな私を住ませるの。
アナタから、私を追い出さないね。
追い出されたら、私はどうするのかしら…?
泣く?
そうね、きっと一生分の涙を流して居ないアナタに縋るのね。
悲しいわ…。その時に、抱きしめてくれるアナタは私の側には居ないのだもの。
あぁ、アナタの横に私は居ないのね…。
想像もしたくないわ。
考えるだけで頭が可笑しくなるわよ。
アナタは、ずっと ずっと私のアナタ。
私から、アナタが居なくなるなんて、生まれ変わってもないのよ!
生まれ変わり?来世?の話しだなんて笑わないで。
アナタは、こんな言葉を残されてどう感じるのかしらね。
そんなアナタの顔を想像すると、心がフワフワするわ。
少し困った様に、眉を下げてバカにした様に笑ってるんでしょう?
笑って下さいね。
笑っていて下さい。
私の『好き』と『愛してる』は呪いなの……。
この呪いは、死ぬまで解けないのよ。
もしかしたら、死んでも解けないかもしれないわ。
だって私は、アナタに沢山の『好き』と『愛してる』を贈ったもの、この呪いは長い時間をかけてゆっくりと蔦の様に絡まって行くのよ。
解かせてなんて上げないわ。
私は少しだけ、アナタに意地悪をさせて貰うわね。
ごめんなさい。
私の全て。
笑っていて、アナタの笑う顔がとても好きだから。
愛してる。ずっと……。
永遠に変わらない、好きと愛してるを私のアナタへ。
アナタに逢える"その日"を楽しみにしてるわね。
――――――――――――――――――
私は、ふと思い付き曽祖父が残した古い書物を虫干しし本棚に溜まったホコリを掃除していた。
秋晴れの太陽の陽射しと少し冷りとはするが気持ち風が吹いている。
古書を干すには最高の日和だ。
畳に並べられた本を眺めながら、屈んでの作業で悲鳴をあげる腰を、ポンポンと叩きながら、一息つこうとコーヒーをカップに注ぎ飲み干し畳に転ぶ。
仰向けになりながら、曽祖父の残した古書を捲りつつ歳を重ねてから久し振りの重労働で疲れたのだろう、睡魔が襲ってきた。
時計見ると、11時47分
「15時前に本は片付けるとして…少し寝れるな」
昼食よりも眠い…。
風は冷たいか、太陽の光が気持ちいい。
食欲よりも睡眠欲が勝る。
捲っていた古書をテーブルの上に置き、椅子に掛けてあった上着をブランケット代わりに少し早い昼寝をする事にしよう。
町の喧騒に紛れた子供達の楽しそうにはしゃぐ声も、気にならない…。
自分も歳を取ったと思いながら瞼が重くなるのを感じた。
酷く肌寒さを感じ、目を覚ますと時計は17時近くになろうとしていて小さく
「はぁ」と溜め息が漏れた。
歳を取ると眠りが浅くなると聞くが、爆睡出来る事が少し嬉しくなり眉が下がった。
虫干ししていた本を片付け終わると、今度は腹の虫が泣き出す。
腹の虫を宥めようと、冷蔵庫を物色していると、玄関のチャイムが鳴った。
モニター確認しても人は居ない・・・。
悪戯と思い、モニターから目を外すとまたチャイムが鳴る…。
イラッとしながら玄関を開けると、
「トリック オア トリート!」
「お菓子をくれないと悪戯するよ!」
「いたずらゃ、する!」
目の前には、小さな魔女、かぼちゃ、黒猫の子供。
魔女のお姉ちゃんとかぼちゃのお兄ちゃんが小さな黒猫の両手をしっかりと握っている。
微笑ましい光景。
「お菓子が欲しいのかい?」
「うん!」と魔女
「悪戯するよ」とかぼちゃ
「ちょーらい」と黒猫
「少しまてるかな?」
「「「うん!!!」」」
小さな悪戯っ子達に渡すお菓子を探しに、茶棚を探す……。
ふと、昨日、仏壇に備えようと生前母が好きだった、飴と金平糖それに自分用にコーヒーのお供にと買ったチョコレート……。
お菓子が3つあってホッとしつつも、楽しみにしていたチョコレートへの未練…。
「仕方ない。」
また、買おうと心に決め、玄関へ向かう。
「遅くなって、ごめんね」
そう言うと、子供達の顔に笑がこぼれる。
「コレで良いかな」
魔女のお姉ちゃんがニコニコしながら手に持っていたエコバッグを開いた。
中にお菓子を入れつつ中を覗いてみると、今日の収穫物が入っていた。
小さな怪物達は、お菓子がバックに入ったのを見て、
「「「どうもありがとうございました!!! ハッピーハロウィン!!!」」」
と、元気よく挨拶をし手を振りながら、帰っていく子供達を見送り玄関の施錠をする。
仏壇に手を合わせ
「好物をごめん。でも子供達が喜んでたよ」
と、母に謝り立ち上がると
そこに、風が入ってくる。
パラパラパラっと軽く捲れる音が聞こえ、音の鳴るほうへと足を運ぶ。
昼寝前に呼んでいた本だった。
片付けし忘れたと、思い手に取るとページの間に少し隙間がある事に気がつく、さっきは無かったと不思議に思いつつも、その隙間のページを開く。
古い茶褐色のシミと黄ばんだ未開封の封筒……。
曽祖父か誰かの物かと思い、封を切る。
出て来た、手紙は封筒の古さが嘘の様に新品に近い便箋に書かれた手紙…。
開いて目を通す。
時が止まる。
心臓が、心が鷲掴みにされる。
懐かしい、あなたの字
文字から伝わる、あなた声
ただただ、涙が溢れた。
ある日、居なくなったあなたが私の手に収まる紙の上に居る。
あなたの声に1つずつ反論する。
「重くないよ」
「あなたが聞いていないだけで、あなたより沢山 好きと言ったのに」
「来世、呪い、何でもいいよ。」
「あなたに逢いたい」
自分の涙と鼻水であなたからの手紙が汚れない様に必死に拭う。
少し落ち着いて、もう一度手紙を開く
そっと、あなたをなぞる……。
「“その日"はいつなんだい?」
泣き疲れたのだろう、酷く喉が渇く…。
水をグラスに注ぎ一気に飲み干し2杯目を注ぎ、ソファーに腰掛ける。
あなたの名残りを胸に抱えながら、上を見上げ変哲もない天井を見上げる・・・。
「あぁ、今日はハロウィンだった…確か海外のお盆みたいなものだったかな?」
(ふふふふふ)
あなた声が聞こえた気がした…。
「そう言えば、君の曾祖母が西洋の人と言っていたね…」
「お盆まで西洋にする事無いのに…」
泣き疲れたのだろう、あれだけ昼寝をしたのに睡魔が押し寄せてくる……。
「ねえ、"その日“はすぐかい?」
ボーと天井を見つめながら、返事のない会話を続けた胸にあなたを抱きしめながら……。
睡魔に身を委ねる。
私の瞼があわさる瞬間…。
(ふふふ、好きよ)
私の唇に暖かい物を感じた。
その心地良さに、微笑み眉が下がる。
「いい夢が、見られそうだ……」
私は、重い瞼を閉じる事した………。
読んで頂いて有難うございます┏〇゛
初めて書くので表現、言葉など拙い点が多々あったと思います。
誤字脱字など、教えて頂けると幸いです。