夕顔の町
今、ぼくとミドリはレコード・プレイヤーの隣に座っている。音楽は掛かっていない。我が家にあるレコードはたった一枚だけで、ミドリはその曲が嫌いだったからだ。レコード・プレイヤーは退屈そうに、小声でとりとめのないことを呟いていた。
ぼくがこのレコード・プレイヤーと出逢ったばかりの頃、つまりぼくが人間になったばかりの頃、ぼくの家のレコード・プレイヤーは今よりずっと無口だった。レコードを掛けて電源を入れたって、歌い出してくれないこともあった。或いは、彼はぼくに対して人見知りしていただけなのかもしれない。それでも彼はぼくにとって、自分が人間になったことの象徴のような存在だ。それまでのぼくは単なるヒツジだったのだ。「メェ」と鳴く、あのヒツジだ。
ぼくがこのレコード・プレイヤーと出逢ったばかりの頃、つまりぼくが人間になったばかりの頃、ぼくの家のレコード・プレイヤーは今よりずっと無口だった。レコードを掛けて電源を入れたって、歌い出してくれないこともあった。或いは、彼はぼくに対して人見知りしていただけなのかもしれない。それでも彼はぼくにとって、自分が人間になったことの象徴のような存在だ。それまでのぼくは単なるヒツジだったのだ。「メェ」と鳴く、あのヒツジだ。
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