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第050話 冥界(最終話)

「私は、馬鹿だった。何故気がつかなかったんだ?」

目の前にいる、生き返った元勇者パーティーと久々に会話して、気がつく。

自分ではパーフェクトだと思っていたが、間抜けた話だとヘデンは、落ち込んだ。


向こうの世界の仮想空間で作成された世界では、死者蘇生の魔法はあったが、こちらの世界では、その魔法は存在していなかった。


ハウスキーパーの時に、死んでしまったパーティーを生き返らせれなかった事を思い出したのだ。

だが、目の前には生き返った3人がいるのだ。


リュウジは、自分がいる次元の存在ではない事を、今ごろ理解した。

だが、この燃える恋心が。無駄な行動を取れと言ってくる。

目の前の神木と言われる、自分がサタンからもらって植えた桜の苗木も、この次元の存在から離れた存在である事が、鑑定でわかった。


現在の生命力が数値をオーバーフローしている....

最大生命力が、無限になっていた。

過去に、何があったのか?


調べると、リュウジが斬ったそうだ。

それと、同時にクロディアが、斬られたそうだが、数日前から突然姿を消したそうだ。


斬られる事で何が起きるのだろう?

受けたダメージを肩代わり出来る、時空魔法を知っていた。

過去に受けたダメージも引き受けれる仕組みだ。

神木が受けたダメージを私が引き受けたらどうなるか?

無駄な選択肢である。あるいは、最悪な選択かも知れない。

だが、ヘデンは、試したくなった。

「これも、リュウジの影響かな?」



冥界にある城をでる。


巨大で豪華な暗い雰囲気の城の外は、何もない漆黒の空間だった。


漆黒に城が浮かんでいる。


クロノスを倒すまでもなく、冥界に残された断片のような私の思念から記憶が少し戻ってきた。


3兄弟を思い出す。


「使役召喚 ゼウス」

冥界が光に満ちる。

多重魔法陣が出来て白い鎧をまとったゼウスが、現れる。

「早かったな、兄者...いや弟よ」

「予定された内容か?」

「私は、お前と違って時は渡れぬ。そこまではわからん。だが、未来視は出来る。ここまでは見えた。この先は、ハーデス次第だ」


「使役召喚 ポセイドン」

冥界が青く染まる。

多重魔法陣が出来て青い鎧をまとったポセイドンが、現れる。

「久しぶりだな、兄者...いや弟よ」

「予定された内容か?」

「私は、お前と違って大海で寝ているだけだ。そこまではわからん。だが、全ての過去は見通せる。ここまでは予測の範疇だな。この先は、ハーデス次第だ」


後は、クロノスを呼ぶ出すだけだが、呼び出す必要もない。


「クロノス、時は満ちた。いざ尋常に勝負」

「結果を知って言うかハーデスよ」

空間が裂けて3目の黒いピエロのような姿のクロノスが現れた。

時空の神であるクロノスは何処にでもいるのだ。


「じゃぁ、倒すぞ?立会いに、ゼウスとポセイドンは呼び出した」

「息子たちに看取られるのも悪くない」

「いつから、このシナリオを描いていたんだ?」


「私の力を分けて、お前を無理矢理召喚した際に、お前の生命力がマイナスだった時点だな。


存在して自我を持った時からの疑問だった。

全知全能の私が誰に生み出されたのか?


私は力で言えばプラスだが、この大宇宙は、虚無から生まれた。では、私のプラス分のマイナスは何処に消えたのか?


私が存在する以前からいた、何者かは誰なのか?


今は、全て理解できる。

私がお前を生んで、お前は私を生んだ。お前は、何処にでもいるが、何処にでもいない存在であり、私は何処にでもいる存在。

ハーデスによって私もあなた様と同じ存在、シュデリンガーの猫になれるのだな」


「そうだな。プラスとマイナスが同量集まれば虚無になる。だが、プラスからはプラスしか生み出せない。マイナスは、マイナス同士をぶつければ乗算と割算でプラスになる。私は、マイナスの乗算でお前を産んだ」


「そう言う事か、人間で言えは卵が先か鶏が先かだな」

「タイムパラドックスだが、我らはそれを操作する立場だからな、さらばだ父よ」

「さらばだ、息子よ、いやまた会おう死神」


まるで全てが計算されている予定調和だったんだな。

唱える魔法すらわかる。


「エンドレスキルハーデス」


空間に無限の大鎌が出現する。無限のパワーをつけて乗算的に攻撃力をまして無限に近い生命力のクロノスに襲いかかる。

そして、クロノスが音もなく10分ほどで消滅した。


記憶が全て戻ってきた。


なんでも実現してしまう人が、自分そっくりな、なんでも実現してしまう人を記憶を消して過去に送り出す。

初めにいた、なんでも実現してしまう人は、同一人物だった。

誰が彼を産んだのか?


タイムマシンで未来から来た自分が、タイムマシーンを置いていった。予定に沿って未来で、同じように過去にタイムマシーンで戻って過去の自分にタイムマシーンを置いてくる。

誰がタイムマシーンを作った?


それを自分でやる事になるとはな。


「クロノスいるか?」

「お呼びですか?」

空間が裂けて3目の黒いピエロのような姿のクロノスが現れた。既に私の支配下になってしまっている。


「倒されて、どうなった?」

「失敗ですね。倒されて貴方様と同じ次元に達するはずが、死亡と言う事で貴方の一部になってしまいました。今いる私は、倒される前の私です」

私が、深くため息をついた。


「やはり、私は一人なのか...」

「そうではないかも知れません。別の空間で次元振動を感知してます。貴方が生まれた時に近い物です」

「本当か?ゼウス、ポセードン、この世界全体を管理頼む」

「「わかりました。生と死、存在と消失の神よ」」

ゼウスとポセードンが、深々と頭を下げる。

そして、自分達の場所へ転移した。


「クロノスは、既に存在していないが、過去の自分で私と同等の以上の存在の探索を頼む」

「わかりました」

空間が裂けてクロノスが消えた。


そう、思い出した。永劫の長い間、様々な死を見て行き、死と死を掛け合わせて生にして、多くの生命が増殖していく。


予定調和であった、自分の発生も終了した。

これから、本当の旅が始まる。


まずは、次元振動があった場所に行ってこよう。

死神であった事を思い出して、死者の全ての情報が手に入る。

全てを知る事は、大変な苦痛である。

「また記憶を消してから、旅立つかな」

「またですか?いない間の代行はしますけど浮気したら相手の世界を滅ぼすかも知れません」

いつのまにか、ペルセポネが横にいた。


「ペルセポネ...こっそり、今回の旅にいたでしょ?」

「きずきました?」

「気づくさ、最愛の人よ」

「なら、許します。次元振動は、エルフの里のへデン・パネッティーが、引き起こした様です。ギロチンの処刑からの貴方の記憶を奪って放置でします」

ペルセポネに、手を回されて抱きつかれ、キスをされる。

首が落とされる前の記憶まで戻って、エルフの里へ送られた。


目を覚ますと、偉そうなエルフと弓を構えたエルフに囲まれていた。

あれ?私は、王都で公開処刑されたはずでは?

「また、お前か!!クロディアは、留守だぞ!お前が連れてきた女が神木を切ってしまった!責任を取ってもらうぞ」

ヘデン何してんだ!


そして、死神は、記憶を封印しながら自分と同等以上の存在を探す旅を始める。

苦楽を共にできる人を探して....




読んでくださった方

ありがとうございます。


これで、死神のお話が、終わるのですが、複雑になってしまった感があり、読みずらいし理解しずらい点が多かったと思います。


次作からはもう単純明解を心がけて精進していきますのでよろしくお願いします。


とにかく、書けば技術も上がるだろうを信じて....

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