第044話 元の世界へ
ヘデンは、天才だった。
何でも一回見るだけで記憶でき、処理能力も高く理解できない事がなかった。
生まれてから思い通りにならない事がなかった。
全てがくだらない。
そう、思いながら自分の心を動かす存在を欲していた。
6歳の時に初めて、未知との出会いをして、心が動いたが、それも10歳の時に、確かめて駄目だった事を悟って諦めた時に、さらに未知の知識の結晶を手に入れて歓喜した。
両方をくれた彼には、お礼をしたいと心の底から思った。
ここまで、自分に感情がある事に気が付いたのも彼のおかげ。
常に彼を観察するようになった。
彼は、不思議な存在だった。
あえて自分がマイナスになる方向へ決断を下すのだ。
何故、もっと楽をしないのだろうか?
何故、他人の目線を気にして生きているんだろうか?
綺麗事ばかりで自分だけが損をしている彼を見ると胸が締め付けられるのは何故だろう?
これが恋なのだろうか?
マイナスな、彼を一から作りなおしたい衝動に駆られる。
そして、勘違いが暴走していく。
ルシファー と私とセラフィムだけになった。
あちこち破壊された光の広場に、ヒビだらけの天界の門。
見ていると天界の門のヒビが少しづつ無くなっていく。
自己修復するんだな。
「ルシファー が、サタンだった時にハウスキーパーと、どんな会話をしたかが聞きたい」
「わかった。詳しく話そう。
サタンになった時に既に理性を半分ほど、失っていて天界を破壊しまくった。
だが、それは自分の力を削ぐことにもなって、神々を全て倒した時には、下位天使よりも弱くなってしまった。
急いで地上界へ逃げた。
その頃は、既に弱まった力の為にルシファーとしての意識を取り戻した。
地獄界へ向かう途中に、勇者パーティーと遭遇して、最後は、ハウスキーパーと戦闘になった。
戦闘中に『こんなイベントは知らないな』と言うハウスキーパーに違和感を覚えた。
『勇者召喚で向こう世界からやってきたのだったな、イベントは知らないとは、どう言う事だ?』
『向こうの世界で、こちらの世界の仮想空間を作ったのだが、その元になったデーターにサタンは存在しなかった』
『元になったデータ?』
『この世界の事を詳しく教えてくれた赤い宝石だ』
『それは!まさか!苗木をくれた少年か?』
『まさか!受け取って消えた少年?』
そこまで、戦闘しながら会話したところで、私が力尽きた。
最後に預かっていた苗木を、地獄界に保存していたが、物質召喚で呼び出し、お前に返して、あっちの世界で消滅するはずの私を、一度、助けてくれたのだからと納得して倒された」
「新しい事実がわかったのだが、ハウスキーパーは、私では無い.....」
「なんだって?確かに、外見が全く違う上に、君と魂が似ているが、作り物のような感じがした」
受け取って消えた少年?
消えた?
自分だったら、『いなくなった少年』と言うはずだ。
何故なら、ルシファーに再開するまで、消えた事は知らない。
謎を解くには、元の世界に戻るしかないのか?
「ルシファー、私が元の世界に戻る方法を教えてくれ」
「勇者召喚の魔法陣を逆にして、実施すれば良いだけだが、術者は爆発して死ぬ時がある」
「え?」
「勇者召喚が、外道で禁呪と言われているのは、強大な魔力を使う為に呼び出しを実行した術者が魔力枯渇で死ぬのだ。
ギルガメッシュを呼び出した時は、三人。ハウスキーパーを呼び出した時は、ニ人死んだと聞いている。
勇者召喚の逆の場合は、魔方陣から極悪な量の魔力が術者に流れ込み爆発するのだ。
私の時は、協力して術者をやってくれた天使が、2人ほど魔力過剰で爆発した。
天使が神々の教えに反して天使殺しを行えば、まぁ悪魔堕ちするよな」
「戻った後に、また戻って来る方法は?」
「それは簡単だ。転移で戻れるよ」
「へ?」
「ゴムを伸ばすような物みたいだ。伸ばすのは、力がいるが、手を離せば元に帰れる。
私の場合は、向こうに身体がなかった為に、不慣れな世界での拡散する意識体の維持と、実体化する力で精一杯で、転移する少しの魔力すら残されていなかった。
リュウジに会わなかったら、向こうの世界で消滅していただろう」
え??それって勇者召喚ではなく、悪魔召喚の失敗で呼ばれた私も、転移で戻れるのでは?
だが、戻っても事故で死亡していて肉体が無い可能性が高い。
お手上げではないか!
「そうか、リュウジは、何かしらの召喚で呼ばれたのだな?転移で戻れば、こちらに戻ってこれなくなるから、考えているのだな?
だが、重複させれば良いだけだぞ。実は、その後に、お前に苗木を返そうと計画していて、勝手に戻れる時限式の魔法陣を完成させてある。教えよう」
ルシファーが、魔法陣を出現させた。
「勇者召喚の逆さまの物にアレンジを加えて、向こうで魔力枯渇や死亡しても1時間で戻って来るようになっている」
ゲーム中で魔法陣を保存する登録があったはずだ。
半透明に見えるステータス画面を久しぶりに開いて探す。
「リーディング」
描かれていた魔法時が消える。
「ライティング」
消えた魔法陣が現れる。
「もう一回、ライティング」
魔法陣が二個になる。
うむ!完璧!
「もう、覚えたのか?リュウジは、どうなっているんだ?そう簡単に覚えれる魔法陣ではないんだが....」
「ちょっと行ってきます」
「え?!」
「魔法陣の内容は理解しました。自分で起動して帰ってきます」
「普通、自分で起動しないぞ?爆破するぞ?」
「心配ご無用」
「あと、ここは天界だ。天界の門にぶち当たって失敗するぞ」
「忘れていた...危なかった。では、地上界へ戻ります。ルシファー は、どうするの?」
「リュウジのお陰で、もはや天界に私とミカエル以外で、まとめるものがいなくなった。天界を新たに、まとめてみるよ」
「私は、リュウジと一緒に旅がしたい」
「え?」
セラフィムが、キラキラした目で見つめてくる。
これは、断れない...だが、羽生えてるし、髪が燃えてるように見えるので一目で人間じゃない人連れて行くのは、どうだろう?
「セラフィム、羽しまって、髪の毛を私みたいに出来ます?」
「出来ないぞ!」
そうか....なんでもありって訳でも無いんだな....
クロディアも、そういえば髪の毛が重力に逆らって空に垂れてたしな。
そのまま、連れて行こう.....
「じゃぁまた!ルシファー !」
「助けられたのは、二回目だな。何かあったら召喚してくれ。なるべくサタンは、勘弁してくれ」
笑って別れた。
天界の門をくぐると、大惨事になっていた。
地上界の天界の門の入り口側の門壁に、ベルゼブブがめり込んで気絶していた。
手が届く範囲だったので、セラフィムと一緒に門から取り除いた。
身長170cmぐらいで、凄いエロいプロポーションの黒のボンテージ姿で、肌の色が紫だった。
銀髪で白銀の瞳で、髪は、地面に付くほど長い。
前回呼んだ時と同じ姿だな。
使役解除すると、少女になるのだったか?
地獄界でも地獄界にいない天使を呼ぶ時は、気おつけよう。
ベルゼブブが目を覚ます。
「ん?んん?」
周りをキョロキョロ。
「すまない、天界で悪魔を呼ぶとどうなるか試したくて召喚してしまった。天界の門にぶち当たる事を知ったよ」
「ん!リュウジ!」
思いっきり抱きつかれそうなので、回避したが避けられなかった。恐るべしベルゼブブである。
この後は、キス狙ってくる筈だ。
回避行動したが、やはり無駄だった。
コイツレベル幾つだ?サタンに近いのか?
あまりの吸引に、息が出来ない...
身代わりの指輪が割れていく。
なんか、状態変化を同時にかけてきている!
壊れた同時にアイテムボックスから、どんどん身代わり指輪を、装備していく。
20個近く壊されて、やっと唇を離された。
「さすがリュウジだな、麻痺から毒に石化に魅了などかけたが全部弾くか。それでこそ永遠のマスターだ。好きにするがよい!」
ベルゼブブが、脱ぎ出した....
意味がわからん!
使役召喚を解除する。
.......姿が変わらん....
「驚いたか?既に回復して、地獄界は既に我のものじゃ!共に来るのだ!」
全裸で誘って来る。
セラフィムの蹴りがベルゼブブの背中に入った。
ベルゼブブが、裸で彼方に飛んでいく。
「リュウジは!私と旅をするのだ。邪魔するな!リュウジ、あの口と口を合わせるのはなんだ?試してよいか?」
「あれは、同意のあ...」
セラフィムに口を塞がれた!
しかも、息を吹き込んできた!
見事に肺が破裂して、爆死した....
すぐに再生していく....
「なんかドキドキした!」
「やり方が。間違ってますよ。吐くのではなくて.....」
「どうやるんだ?」
セラフィムが目を輝かす。
「だから同意の....」
セラフィムに口を塞がれた!
しかも、凄い吸引だ!ベルゼブブは、手加減してたんだな!奴の方がマシだった....
見事に内臓が口から放出し、セラフィムに飲み込まれて食べられて私の身体が萎んでいく。
消化された場所から、すぐに再生していく....
「ゲプ!!リュウジに喉越し感じた」
すぐ答えたかったが、まだ肺が復活しない...
復活!
「やり方が。間違ってますよ。食べないでください.....」
「どうやるんだ?」
セラフィムが目を輝かす。
コイツ!わざとか?
ベルゼブブが、セラフィムの後頭部を蹴り飛ばしセラフィムが、メイド服で彼方に飛んでいく....
「この野郎!邪魔しやがって、消してやる!」
飛んで行ったセラフィムを追って、ベルゼブブが、彼方に追いかけて行った。
遠くで魔法の爆裂音が聞こえる。
天空の城が揺れる。
どちらが勝つは興味があるが、今のうちに、調べてこよう。
ハウスキーパーと言うキャラクターを作成してから向こうの世界では、数年だったが、こちらでは千年経過している事から、戻って来る時にかなりの時間差が出そうだな。
「ライティング」
勇者召喚の逆バージョンで、ルシファーアレンジ魔法陣が現れる。
サタン召喚で、数千万ほど、まだ魔力がマイナスである。
どんなに魔力が送られてきても過剰になるわけがない。
魔法陣の中心に入って起動!
魔法陣が光り出し、光が私に集まって魔力が凄い勢いで回復していく。
500万程回復して、私がこの世界から元の世界に転移した。
500万回復って....通常の減ってる程度の時だったら結構危なかったな....
人物紹介
※注意 最終回のネタバレになるので嫌いな方は読まないでください。
クロノス
性別 男性
種族 超巨神
形は存在しない。見るものによって形が変わる。
クロノスと妻レアーの間にゼウスとポセイドンを産む
ハーデスは、クロノスよりも先に存在したが、クロノスがきっかけを作った為に生まれた存在の為に、クロノスの子供である。
性格は、無感動で常に刺激を全ての時間で待機している。
何処にもいる存在だったが、ハーデスによって進化して何処にもいるが何処にもいない存在になる。




