第040話 マルティン港
β版の改良と修正が終わり、脳波を利用したゲームで疑似体験が出来るヘッドギアが完成し、ゲームが世界的に運用を開始した。
ファシリティのゲームシステムは、ゲームサーバに自宅のパソコンでアクセスして、パソコンで画面見ながらプレイする方法と、よりリアルに遊べるヘッドギアを使うバージョンと選べるようにしたのが、大当たりした。
画面を見ながらキーボード操作する人や、ヘッドギアにより脳波制御する人や、音声入力とマウスを利用する人など、あらゆる操作ユーザーを取り込んだ。
愛しのリュウジは、画面とマウスと音声入力だけと言う、古典的な操作方法でゲームをやっていた。
「せっかく脳波制御で、より実際に体験したようになるのに、もったいない」
リュウジを6歳の時から観察している、ヘデンはヘッドギアを気が付かれないように、リュウジに送るか悩む。
その後も研究が進んでいて、サーバーの中枢回路に取り込まれた赤い宝石は、別の世界の物で、その世界の座標と、その世界を覗きに行く方法も見つかった。
あとは、向こうの世界で、召喚が発生すれば覗きに行けるはずだ。
覗きに行けずとも、サーバーの中枢回路から向こうの世界で発生している記録が送られてきてゲームを構築して行く。
召喚される対象はランダムのようなので、テスト的にリュウジが使っているハウスキーパーと言う仮想空間のキャラクターを選択して待機している。
ミワ王国のマルティン港に到着する。
大きな港町が見える。
商業の国だけあって王都より港への出入りする人が多いんじゃないかな?
町に着くと、夕方だったので宿を取って寝ることにした。
「ブレカ、一緒の部屋でいいか?」
「はぁ?なんで団長の俺が、お前と一緒の部屋なんだ?」
「私を師匠と呼びなさい」
「ほぅ、今すぐ実力見せてもらおうか?」
相手してあげたいが、直接攻撃で回復させてしまう私では、戦闘にすらならない。
「わかった、別々の部屋で泊まろう」
中堅ぐらいの宿屋に泊まる事になった。
ブレカに、鍵を渡すと文句を言ってくる。
「いきなり攫われて金が全くないんだが?本当にリュウジは、何者なんだ?」
見栄を張って、金貨100枚の袋を渡す。
「皇帝に頼まれた教師みたいなもんだ。正体はそのうちわかるよ」
「うお!こんなに貰っていいのか!!見直したぞリュウジ。貧乏な商人だと思ってたけど、斧が刺さっても平気だし魔人か?」
「人間だ!」
お金を貰って、ニヤニヤしているブレカに、朝に部屋に集合する約束をして別れる。
暗くなって来たが、西の大陸へ行く方法を探しに冒険者ギルドへ行く。
途中の露店で、食料買い占めと買い食いしながら歩いていると、私の横を檻に入った人間が、荷馬車で運ばれていった。
結構、小さい子供も多かったな。
奴隷って奴かな?
帝国や魔国や法国で奴隷は、ほとんど見なかったが、国の守護天使がラファエルの奴なら推奨してやってそう......
冒険者ギルドへ到着して中に入ると、酒場っぽくなく、受付が一個あり、そこには40歳ほどの男が座っていて、受付前の空間には、机が何個かと椅子が乱雑に並んでいた。
大きい会議室の様な場所であった。
何人かの冒険者らしき人や依頼主らしき人が、会議をしていた。
掲示板がないようだが、依頼はどうするんだろうか?
受付の男に話しかける。
「クルト帝国から来た冒険者ですが、西の大陸へ行く方法ってあります?」
「依頼か?」
「まぁ情報が欲しい依頼ではあります」
「銀貨5枚だな」
銀貨5枚を渡す。
「週一回、港から貿易船が出ている。一人金貨10枚で乗れる筈だ。風にもよるが三日ほどで着く筈だ。次は、明後日に出る予定だな。」
西の大陸って、結構近いんだな。
「この町の冒険者ギルドの依頼は、どうやって受けるんですか?」
「ここは、特殊でな、依頼書を貼りださんのよ。依頼者は、そこの椅子に座って冒険者を待つ形になる。冒険者と話し合いで金額などを決めるシステムだ。コミニケーション能力がない冒険者は、仕事にありつけない感じだな」
商業の国らしいなぁ
「この辺りは、ダンジョンはないですか?」
「銀貨2枚だな」
銀貨2枚を渡す。
「港の沖合1km程の海の中にダンジョンの入り口らしいものはあるが、海の中で誰も入れんよ」
ゲームと違うな....海底都市ダンジョンの入り口は、町の中にあった筈だが、調べてみるか?
港に行くが、明後日ならないと西の大陸行きの船は来ないらしい。来てから手続きだな。
ゲームでの、地下都市の入り口があった場所に行くと、古ぼけた教会が建っていた。
入り口に、先ほどすれ違った奴隷を乗せた荷車が、止まっていたが、誰もいなかった。
イベントフラグを感じる。誰もクリアーしないから地下都市ダンジョンを誰も知らないんじゃないか?
透明化の魔法を無詠唱して身を隠し、教会へ侵入する。
中は、普通の教会に見える。
地下への通路を探すと、2階へ上がる階段と地下へ行く階段が普通にあった。
地下に降りていく。
これまでに人が、全然いないのが、少し怖い。
地下1階は、食料などの倉庫になっていたが、量がおかしい。数百人分以上の小麦やら木の実が置かれていた。
地下2階へ向かうが地下2階はなく、螺旋状の階段が永遠に地下へ伸びている。
一旦引き返して、ブレカを連れてくるか悩む。
だいぶ地下を降りて行くと大きな扉で行き止まりになる。
押しても引いても開かない。
明日もあるし、今日は一旦引き返す事にした。
外に出ると真っ暗で、月明かりで微かに見える視界である。
この港町は、街灯が極端に少ない。
港の灯台が、海を照らしていた。
あまりに暗く道に迷ったので、記憶を辿って宿屋の前に転移する。
魔石のランプではなく蝋燭が、宿屋の通路に点々とあり、ホラー映画にでも迷い込んだ気がする。
生温かい風が吹く。
部屋に入ったが、部屋に入るまでの廊下が、何箇所か濡れていたのが怖かった。
まさかと思うが、この流れってゲームのイベントの「クトゥルフ神話の半魚人」の流れに感じる。
ゲーム中では、地下都市の最終ボスがクトゥルフだったが、この世界だったら、この港自体がすでに眷属の支配下になっていてもおかしくないな...
冒険者ギルドも余所者が仕事が受けれる状態じゃなかったし、よく考えたら出会った人々は全員...インスマス面の無愛想で、どことなく陰気な感じをただよわせていたな。
『ブレカ!聞こえるか?』
同一マップ内で可能な念話らしきものをしてみる...
返事がない.....
マジか!!
ブレカの部屋に行くと、ドアが開いていた。
床が濡れていた。
ベットの横に金貨が入った袋があり、装備品が置いてあった。
裸で攫われたのか!?
濡れた床を辿って行くと、窓についていて下を覗くと海へ伸びている水路が見える。
助ける?いや!眠い!
マイナス生命力だが、状態変化は普通の人である。
寝る事にした。
自分の部屋に戻って、透明化の魔法を多重に重ねがけしてベットの下で寝る。
すぐに眠気が来て意識を失った。
朝起きるとベットの下だった。
部屋を覗くと、ブレカが部屋の椅子に座って待っていた。
「おはよう、ブレカ」
「リュウジ、おはよう」
ベットの下から這い出して、ブレカの様子を観察する。
ブレカ・ロキソ
性別 男
種族 人間
状態 洗脳
レベル112
生命力 2213/2213
魔力 1291/1291
攻撃力 751+52
防御力 359+232
スキル
小剣 レベル9
炎魔法 レベル54
体術 レベル61
装備
分厚い小手(補正52)
高価な皮の鎧(補正210)
鎖かたびら(補正22)
洗脳?どうやって解除すんだよ!
ゲームでは、そんな状態はなかったぞ。
「ブレカ、昨日の夜なにかあったのか?」
「なにもなかった」
部屋に、いなかったじゃないか...
面倒だ!生命力高いなぁ。即死魔法かな。
「デスハートクラッシュ」
ブレカの心臓が潰される。
グハ!!
「リサステイション」
ブレカが息を吹きかえす。
「うあああ!え?今なにが?」
「ブレカが洗脳されてたので、殺して生き返らせて洗脳を解除しました」
「は?リュウジが俺を倒せるわけないだろ!それより、この港は、やばいぞ!」
知ってるよ。
ブレカが寝ていると、突然、袋を被らせられて簀巻きにされて、水路に投げ込まれた。
息が吸えず気絶して、気が付いたら神殿らしき広い広場で、触手だらけの人型のような大型モンスターに全身を包まれて、頭に命令が入ってきた。
連れの捕縛に失敗した。
明日の夜には、捕まえたい。
お前を利用する。
夜寝る際に襲え。
触手から解放されると、神殿から歩いて出ていくと階段があって、登っていくと教会があり宿屋に戻ってきたということだった。
昨日の教会の扉の向こうが神殿のようだな?
「ブレカ、いまから神殿に行くぞ」
「二人でか?神殿で多くの港の人を見たから、この港全体がグルだぞ?」
「大丈夫、師匠の実力を見せてあげよう」
「よけい心配だが?まぁ、逃げるのは嫌いだから行くしかないか」
二人で、教会まで行く。
行く途中に、港の人をすれ違うが、昨日と違ってずっと見つめてくる...
教会に着くと、荷車が無くなっていて、教会の入り口に鍵がかかていた。
「どうするんだ?」
「昨晩、忍び込んだから余裕」
地下の開かなかった扉の前にブレカと転移する。
やはり、扉は閉まっており押しても引いても動かない。
「ブレカ、この扉壊せる?」
「壊しちゃまずいだろ?」
「いや...既に襲われたから壊していいんじゃないか?」
「そういう意味じゃない。人が集まってこないか?」
逆に、人に出会いたいが....
「バーンブラスト」
私の手から炎の渦が発生して扉にぶち当たる。
扉が溶けていく。
「行くぞ、ブレカ」
「おまえ、魔導師...いや、魔法使いだったのか?」
だめだ、第一印象が最悪だったのでブレカの私への評価が低い。
溶けた扉の向こうに、大きな神殿があった。
かなりの大きさで港町の地下のほとんどが、神殿の上なんじゃないか?
ゲームの海底都市も地下4階までしかなくて、めちゃくちゃ広いマップだったので類似していそうだ。
だが、人がいない...隠れているのか?
神殿奥のブレカを襲った触手の人型のモンスターを探しに行くと、地下へ行く大きな入口があり、ヌメヌメが地下に続いて床にこびりついていた。
「うあぁ、スゲーヌメヌメしてる」
足がヌメヌメに取られてブレカが愚痴る。
今回の私の仲間は、男子!私も男子!ヌメヌメは、お呼びじゃないんだが...
地下へと続く通路をかなり地下に降りていくと、壁に壁画が描かれ始めた。
なんか、もの凄い古い遺跡に迷い込んだ感じがする。
最下層に、祭壇があって真ん中にヌメヌメの触手だらけの人型がいた。
祭壇の前まで来たら、無詠唱の鑑定でサクッと調べる。
クトゥルフ
性別 両性
種族 宇宙人
状態 弱体化
レベル999
生命力 9999/9999
魔力 9999/9999
攻撃力 9999+99
防御力 9999+99
スキル
洗脳 レベル99
触手 レベル99
ヌメヌメ レベル99
装備
宇宙服 (補正 触手)
触手粘液 (攻防補正99)
宇宙人は、ゲームでも設定でそうなってたから納得だが、スキルのヌメヌメってなんだ!!
宇宙服の補正が触手ってなんだ?わからない事が多すぎる。
会話が成り立つか調べよう。
まずは、念話のようなもので話しかける。
『クトゥルフ、聞こえるか?』
『な!誰?話せるの?どこにいるの?』
物凄い動揺と焦った念が飛んできた。
『落ち着け、話せる。目の前にいる。何が起きている?困ってたら助けるけど?』
クトゥルフが、突然立ち上がった。
結構でかいな5m程ある触手だらけの人型である。
『ここに来て、初めて会話できるよ。一方的に命令を植え付けれるけど、話せなくて困っていたんだ』
『困っていた事ってなんだい?』
『宇宙船が壊れて、元の世界に戻れないんだ』
宇宙って..規模がでかくなってきた...
『修理する方法はあるのかい?』
『あるよ!』
事情を聞くと、気が遠くなるほど昔に、ここに宇宙船で不時着した。
不時着のショックで、自分の体が壊れてしまった。
自分の体から物質を作り出す能力があったのだが、ヌメヌメしか作れなくなってしまった。
体が治れば、宇宙船を修理できると考えて、この場所に住んでいた半漁人を洗脳して住み着いていた。
そのうち、人間が攻めてきたので半漁人が擬態のスキルを持っていたので、人間の様な外見にさせて溶け込ませて隠れた。
体の回復が、芳しくなく全然と言うほど回復しない。
仕方がなく、各地で宇宙船の部品になるようなものを探し集めるようになった。
港が大きくなり、半漁人達も増えて、半漁人達に崇められるようになった。
『なんで、ブレカ襲ったの?』
『昨日来た人かな?人間に半漁人の事がばれると問題になるので、この港に来たよそ者は、半漁人に関して見ても忘れるように洗脳しておいているのさ。港を出ると洗脳は解けるけど半漁人と私に関しての記憶が無くなる仕組みだよ』
いきなり襲わなくてよかった。半漁人と人間の共存をうまくやっているのね。
『クトゥルフの体をすぐ治せるけど治す?』
『え?えぇ?本当?』
「チェーンサンダー」
バシュゥゥ!
クトゥルフが、高圧の電流で黒焦げになり倒れた。
死亡確認.....水を含んでいて威力が数倍になったらしい...一撃か...
水分豊富で凄い湯気だ...ヌメヌメのせいだな。
「リサステイション」
クトゥルフが息を吹きかえす。
焦げたクトゥルフの消し炭から、身長4m程のピンクの髪でピンクの瞳の長髪の16歳ぐらいの女の子が出てきた。
デカいよ!巨人族か?
しかも、裸だ!そんなでかい服もってないよ!
クトゥルフ
性別 女性
種族 宇宙人
状態 正常
レベル9999
生命力 99999/99999
魔力 99999/99999
攻撃力 99999+999
防御力 99999+999
スキル
洗脳 レベル999
創生魔法 レベル999
空間魔法 レベル999
体液 レベル999
装備
燃え尽きた宇宙服 (補正0)
体液 (攻防補正999)
ステータスが正常になったが、さっきまで見えてたのは宇宙服だったのか....
宇宙服が壊れて脱げなくなったって落ちなのか?
しかも、ステータスがおかしいほど強い...
スキルの体液が凄く気になる。
「本当だ!元の姿になってる!!」
4mの裸の女の子の声が、大音量で祭壇に声が響き渡る。
発音器官も復活したのね!
武器を持った半漁人が、3匹出てきた!
「お前たち!誰だ! あ!クトゥルフ様がいない!」
「クトゥルフ様は、どこ!」
「クトゥルフ様に、何をした!」
「ルック!メロ!モモメ! 大丈夫だ!私がクトゥルフだよ!そこの者の協力で復活したんだよ!」
「うそだ!クトゥルフ様は、ヌメヌメだ!」
「クトゥルフ様のヌメヌメがないではないか!」
「なんで、本当の名前を知っている?」
ヌメヌメが重要なのかもしれん。ヌメヌメしてないと乾燥に弱いもんな...
しばらく、半漁人とクトゥルフが、会話して納得したようだ。
「お前ら感謝。クトゥルフ様やっと旅にでれる」
「ヌメヌメがいなくなるのさびしいけど、やっとクトゥルフ様が故郷にかえれる」
「助かった。クトゥルフ様の悲しみを癒せるときがくるとは!」
横を見ると、クトゥルフの裸をみて、鼻を伸ばして赤くなってるブレカがいた。
「クトゥルフ、服を着てくれ。ブレカが興奮している」
「お、すまない。服を着ないのが当たり前なのだが、人間は服を着るのだったな」
口からエクトプラズムの様な物を吐き出して体に纏わすと服になった。
体液と創生のスキルが、これかな?
せっかく着てもらったワンピースなんだが、パンツはいてないからクトゥルフの4mの身長じゃこっから丸見えなんだが...
ブレカが、ますます興奮しているきがする。
「あと必要なものは?」
「修理は、既に部品を創生できるのですぐに終わる。あとはエネルギーかな」
「エネルギーは、なんですか?」
「オリハルコンが、あと10トンぐらいだな。既に20トン近く集めているが、なかなか集まらん。20トンでこの世界は移動できるので、西の大陸にある天空の城に沢山あると聞いているので行ってみる予定だ」
なんだと!なんて都合がいい!
「一緒に行って良いですか?」
「だめだな、私の宇宙船は人間では加速度に耐えられなくてつぶれて死んでしまう」
それなら、大丈夫だな。死なないし、ブレカは生き返らせば良い...
「かまわないので乗せてください」
「わかったが、死んでも責任はもたんぞ」
クトゥルフが、祭壇の奥の通路に行くので、ついていく。
背後からお尻が丸見えなんだが...
ブレカが、真っ赤になって目を伏せてついてくる...
今から死ぬかもしれんがスマンなブレカ....
1kmほど、歩くと大きな空間があって、いかにもUFOの形の宇宙船が止まっていた。
って、すごい小さくないか?自動車ぐらいの大きさだ。
「あと2個のパーツを組み込めば動くのだ」
クトゥルフが、突然小さくなって160cmほどになった。
空間魔法?
口から、エクトプラズムの様な物を吐き出して鍵のような形にした。
「あとは、眼鏡だな」
エクトプラズムの様な物を吐き出してサングラスの形になった。
鍵と眼鏡って修理じゃない....
乗り込んでみると、座席が3個あった。
クトゥルフが、運転席で、背後に2個ある。
残る座席に、私とブレカが座る。
「シートベルとかないんですか?」
「シートベルト?なんだそれは?」
「揺れたら椅子から弾き出ると思うんですが?」
「固定器具の事か?やったら人間だと死ぬと思うぞ」
「やめときます....」
想像できないが、縫い付けられたりするのかな?
「じゃぁ起動するぞ、いったい惑星の外に出てから天空の城へ降下するからな」
操縦席でキーを差し込んで起動した後に、サングラスをクトゥルフがかけた。
一気に天井を突き破って上昇して、既に東の大陸を宇宙から見つめていた。
ブレカを見ると、移動する際の加速でつぶされて血の液体と僅かな肉片になっていた...
私は、つぶされたが瞬時に再生してダメージはかなり減ったが、外見はふつうである。
だが、裸になってしまった。
「お!お前凄いな、やはり生きていたか。私と同じ存在なのか?」
裸の私をじっくり見つめる....
「どうでしょう?」
宇宙船のモニターに宇宙からの西の大陸が映る。砂漠が多いように見える。
緑が多い所の真ん中に、城が浮いているような場所があった。
「ここかな?一気に下りるから、天井にぶつかるから固定するぞ」
椅子から刺が出てきて全身を串刺しにした。
これは...殺人UFOだ...
一気に降下した。
過去の回想
白い鎧を装備して白馬に乗った男と、黒い鎧を装備した黒馬に乗った男が、天界の第5層を走っていた。
草原の中に多くの穀物が実っていた。
少し広場になっているところで、女性が天使と踊っていた。
実りの祭典だった。
黒い鎧の男が馬を止めて、白い鎧の男に聞く。
「ゼウス、あの女性は誰だ?」
白い鎧のゼウスも馬を止めて答えた。
「私の娘のペルセポネです」
「お前の娘か....」
「ハーデス、まさか?」
「運命の出会いを感じたが、口説いても良いか?」
「父親に、それを聴くか?」
ハーデスの顔が、真っ赤である。
「まぁ、お前は凄い奥手だったからな...私は構わないが、ペルセポネは、極端な性格だ。嫌われたら絶対に無理だからな」
「わかった」
踊っている、ペルセポネへ馬を走らせるハーデスだった。




