第022話 ステータス異常末期
日課の筋肉トレーニングをしている。
へリュークは、ご機嫌であった。
極悪非道な親父のレイモン公爵が何者かに殺された思っていたが、意外にも事故であった。
殺害の責任を取って一時期は、死ぬ事も考えていたが、スピード解決である。
あとは、腹違いの妹のナッチの幸せを考えるのみであった。
朝になった!
今日は、部屋に誰もいない....いた!
ネトが、よだれを垂らして私を見つめている。
食欲の方面であると、目が言っている。
食べられたらどうなるのだろう?
「リュウジ!腹減った!」
急いでアイテムボックスから食料を出して渡すと、貪り食べ始める。
危険は、回避したな。
まずは、ネムル法国の神殿へ転移する。
入り口で神官に、シハヤを呼ぶ用に言うと、箝口令の為に私の存在を知らないのか、そっけない。
「誰だ!シハヤ様が、お前に会うわけないだろう!帰れ!」
まぁ、こちらがお願いした事なので、無詠唱で透明になって、不法侵入する。
シハヤは、デカイのですぐに見つかった。
朝食をネビウと一緒に笑顔で食べている。
少しは、私が、この世界で役に立ったのだな。
ゲームだと秘密チャットだが、この世界だと念話で二人に話しかける。
『シハヤ、通行許可証できた?』
『うお、リュウジ様の声が!』
『リュウジ!?直接、頭に?』
『まぁ、気にしないでください。三人だけで話せるようにしてあります』
『凄いですな!許可証は既に出来てますぞ』
懐から4枚の羊紙に書かれた許可証を取り出した。
『私の署名も入れておきましたので、ミワ王国だけでなく、魔国でも、クルト帝国でも、中立のネムル法国の依頼でダンジョン探査が可能です』
『ありがとう!また来るよ』
4枚の羊紙をシハヤから取ると、羊紙も見えなくなる。
「消えた!!」
シハヤが驚く。
「もう、行ってしまわれたのかしら?本物の奇跡を見ましたね。さて、嘘も方便で、国を立て直しましょう」
ネビウが、笑顔でシハヤに話す。
まだいるけどね。
宿屋へ転移する。
ナッチの部屋に行くと、トイレに行けずに漏らしていた....
すぐに捕縛を解除する。
「リュウジ、責任とってね」
笑顔で言われてしまった。
怖えぇ!
次に、カブの部屋に行くと、さすが天使で自力で解除していた。
ただ、裸の男が2人いて一緒に寝ていた。
「リュウジか?あんな捕縛魔法は、初めてだ!お前に襲われて火照った体を....」
全てを聞かないでドアを閉めた。
襲った記憶はないぞ?
カブを放置して、食料調達と朝食をネトとナッチを連れて食事処をハシゴして食い尽くす。
「また!!あの子たち来たよ!」
「まずいぞ!材料の買い出ししてこい!」
どの食堂も、ネトとナッチを見ると大慌てで対応する。
一番食ってるのは、私のアイテムボックスなんだがな。
食事が終わり、出先で使用する皿とスプーンを買っていると、怪しい道具屋を発見する。
「リュウジ、ここの道具屋は、呪いのアイテム専門店で、恨みがある人に対する贈り物を買う所のようだぞ?」
ナッチが、入り口の注意書きを読んで教えてくれる。
ヤバイ、面白そう!
入って見ると、胡散臭そうな100歳ぐらいじゃないかと思われる、魔法使い風のお婆さんがいた。
いかにも呪いのアイテムが、所狭しと置いてあった。
髑髏とか蛇とか蠍の形のアイテムじゃ、呪いたい相手に送っても外見で既にバレるだろ!
色々物色して、素晴らしいアイテムを発見した!
死の指輪
装備者の生命力を自然回復を妨げて回復不能にする。
一度装備した場合、指を切断しないと外せない。
これで!自然回復の全身筋肉痛から解放される!!
しかも、外見も模様もないリング型の白銀の普通の指輪だ。
無痛の首輪
装備者のダメージの変動による痛みをなくす。
ただし、ダメージが2倍になる。
一度装備した場合、首を切断しないと外せない。
これも!!回復の時の痛みがなくなるぞ!!
外見は、女性用でちょっと男でするのは恥ずかしい。
って首輪かよ!!とるときに、死ぬじゃん!!
私の場合は、死なないかもしれないが、これは試せない....
狂戦士の腕輪
痛みが全てなくなるが、生命力が、徐々に最大値の1%になる。
痛覚以外の全ての知覚が10倍になる
一度装備すると腕を切断しなくては、外せない
これは!!!超掘り出し物だ!!!
だが、外見が、髑髏が輪になった形で、悪趣味過ぎる。
装備してると黒魔術にはまった奴っぽい。
装備して、フルプレートを装備すれば、見えなくはなるな。
普通の人だとゴミアイテムだが、私にとって、全て素晴らしい!!
この世界の攻略の鍵は、自分自身を知ることである。
今のところ、わかっている事は、まだ少ない。
直接攻撃は、相手がマイナス攻撃力分だけ回復する。
武装している場合は、武器が攻撃している事にならず、逆にマイナス攻撃力分、武器が修復される。
直接防御は、相手の攻撃に自分のマイナス防御力を足した分だけゴボッと生命力が減る。
武装している場合は、防具が守っている事にならず、マイナス防御力分、防具が修復される。
間接攻撃は、通常通り
間接防御は、通常通り
状態変化は、通常通り
スキルは、全くない上に、攻撃力や魔力がマイナスの為か、使用した事にならずに、一切増えない。
ただ、この世界の魔法は、知っていればスキルが無くても知識と使用魔力の条件を満たしていれば、発動できる。
ゲームで、アイテム稼ぎ用に作った、ハウスキーパーというキャラで、魔法はコンプリートしたので、全部知っている事になっているようだが、忘れた魔法は、発動出来なかった。
同じ条件で、ハウスキーパーが、使っていた剣技も使えるかもしれないが、直接攻撃なので、回復させるだけの攻撃で無意味だろうと考える。
過去にハウスキーパーが、存在していて、私が過去にゲームで使用していたキャラである可能性がある。
不安要素は、まだある。
ダメージを回復せずに永久に受けていれば、いつかは爆発しそうな気がしてならない。
いわゆる、太陽がいつか爆発するような現象だな。
なるべく、回復していこうと考えている。
私のステータス異常は、バレないようにしよう。
何があるかわからない。
ナッチは、天然っぽいので、全て修羅の国では、当たり前!で通用する素晴らしい人材だ。
とりあえず、全部購入してみた。
指輪を付けて、ナッチに切断してもらおう。
「ナッチ、指切断して」
「はぁ??指なくなるぞ??」
「生えてくるから大丈夫」
「本当みたいね....リュウジ...なんか私、常識が崩れて行くよ」
真実の義眼で判定したようだ。
指を切断すると指輪が取れた。
血が出ていない切断された指を元の場所に付けると元どおりになった...
生命力は、僅かに減っていた。
既に人間やめてる身体だな....
うむ.....首輪は、試せない.....
疑問が出て来た。
「ナッチ、また指切断して」
「リュウジは、そっちの趣味なのか?」
ドン引きな目線で指を切断する。
切断された指を空中に投げて、無詠唱の初級ファイヤーボールを唱える。
ボシュウウ!
初級でも最大魔力で発動する為、空に巨大な火の玉が発生して、空に飛んで行く。
指は、火の玉に当たり、見事に蒸発した、瞬間に私の失った指が元に戻る。
うお!!ヤバイぞ!
状態変化ばかり気にしていたが、バラバラに切断されて各地に封印されると動けなくなるって事だな!
非常用に、身体がチリになるような自爆魔道具も必要かもしれん。
やはり、何かあった時に助けてくれる仲間を作っておくべきだな。
ステータスを見るとカブリエルを倒したせいで、とんでもない事になっていた。
名前 リュウジ・トリデ
性別 男性
種族 人間
状態 正常
レベル1027
生命力 −25231/−25190
魔力 −21723/−21661
攻撃力 −6219+0
防御力 −4236+1
スキル
なし
装備
ラフな布の服(補正1)
レベルが1000超えてる!!おかしいだろ!!
カブリエルは、どんだけ経験値高いんだよ!
待て、これって素手で相手殴ると6000近く回復するって事か?
試したくなってくる...
ナッチを殴ってみた....
「きゃぁああああ」
悲鳴をあげてその場に崩れる。
周囲の歩行者の視線が釘付けだ。
そもそも、さっき街中で空にファイヤボールをぶっ放した時点で、人が集まっていた。
「リュウジ....気持ち良すぎて立てない...も、もっと殴って...」
きゃあああああぁぁ
サドじゃないぞ!SMの要素が、両方揃ってしまった!!
考えればステータスが、逆の時点でSM要素だけしかないじゃないか!!
逃げるように、周囲の冷たい視線浴びながら、カブを拾いに宿屋へ戻る。
「何あれ、怖いわ」
「見ちゃいけません」
「街中で信じられない」
「リュウジ、もっと殴って....」
走り去る際の、声が耳に残る...
私は、ノーマル...私は、ノーマル....
「リュウジ!待ってたぞ!」
カブが、宿屋の前でちょうど待っていた。
なんか、お肌ツルツルな気がする。生気でも吸い取ってきたのか?
ナッチが、足に捕まって引きずりながら、逃げてきたが、まだ周囲の視線が冷たい。
この場の視線を逃げたくて、急いで言ったのがまずかった。
「転移します。つかまって....」
すぐにカブが、抱きついてキスをした。
ネトは、相変わらず腰を潰れるぐらいの力で締めてくる。
ナッチは、殴った拳に顔を付けて、殴ってくれアピールしてくる.....
フリクション迷宮へ転移した。
用語説明
アンデット系モンスター
瘴気=負の感情の塊
ゾンビ
肉体が朽ち果て、死体が瘴気によって活動を再開したもの
死体がなくとも瘴気によって実体化して増える場合もある
スケルトン
瘴気によって骨格のみで活動するもの
肉がなく骨のみであるため、刺武器には強い
グール
ほぼ人間に近いが、主食がゾンビであり知能が低い
肉体が瘴気で構成されていて、血液は人間のそれに近い
簡単な会話が可能である
マミー
乾燥保存された死体が瘴気によって活動する
結局、乾いたゾンビ
ワイト
ゾンビの元となる死体が、通常よりも強い場合
魔法も使う場合がある
レイス
瘴気が実体化せずに意識を持った塊
生命力を吸う事に固執して彷徨う
ファントム
瘴気が実体化せずに意識を持った地縛霊
場所を移動せず
そこにとどまりイタズラする
デュラハン
鎧に瘴気が取り付いて統一された意識を持ったもの
首無しだと思われがちだが、フルプレートがフェイス部分まであれば、首有りの場合もある
バンシー
瘴気によって妖精の骸が動き出したもの
リッチ
死霊使い(ネクロマンサー)が死後に復活する術式で、無限の知識を求める永遠の命を目指したなれの果て
吸血鬼
人間と同等以上の知性を持つ
血を吸った人間を下僕にする時がある
ノーライフキング
吸血鬼の王様もしくは王女
数千年に一度生まれてく非常に強い吸血鬼




