女神?
明けましておめでとうございます。今年も書いて行きますのでよろしくお願いします。
ログインしました。ログアウト前まで在ったアメジアの露店がありません。ログアウト中かな?
そうそう。ログアウトで思い出した。お昼ご飯中に、謎の動きが遅くなる現象の事を家の姉妹に聞こうと思ったんですが、いませんでした。残念。
あ、そうだ。置き手紙がありました。今日の夕飯は、各自で自由! ですって。皆初日はゲームに集中したいんですね。俺も速攻でカップ麺と箸と瞬間湯沸し器に水を入れて、部屋に戻りログインしましたが何か?
さて、どうしましょうか? お、ポーションが売ってる!! 今品切れの店ばっかりだから買わないと!!
いや~。無事3個も買えました! 1個お値段150ゴールド。うん。そうです。3個で精一杯です。持ち金があああぁぁぁ! はぁ。西平原で兎狩りに行こう。
空に浮かぶ紅と蒼の月に、溢れんばかりに埋め尽くさらた満天の星々が、淡い輝きを放ち平原を優しく照らしている。
月や星達のおかげであんまり暗くないんだな。それにしても? プレイヤーが少ない? なんでだろ?
昼間はところ狭しと居た筈の人達が、今はパーティー数個分しかいない。ま、いっか~。気にせず狩りましょ。あ、お金だ! ━━違った。兎だ!
「ファイヤーボーふぇ?」
突然兎が消えました。思わず変な声を出してしまいました。けど━━兎はどこへ?
「ぎゅぅぅぅうううううううううう!!」
おう。兎さんや、そんなところに居たのかい?
兎の断末魔のような鳴き声が聞こえて来たので声の方を向くと、灰色の狼の口に胴体が銜えられていた。
うん。このゲーム、食物連鎖があるんだな。マジで。あ、ヤバイ! 狼と目があった。
「ウウウゥゥ」
狼が口から兎を離し唸る。今の内に鑑定しましょう。
ウルフ Lv9『備考』主に森や野原に住んでいる普通の狼。兎を狩って食べる。
見たよ! 今見たよ! 兎さん目の前で捕食されてたよ。いやいやいや! 重要なのそこじゃなかった! レベル9ってなに? 勝てる気がしない。よし━━撤退。
刺激しない様にゆっくり下がる。あ、狼さんの脚に力が入った。
踵を返して走る。
「ガッ!」
ウルフの声が後ろから聞こえて来たが、とにかく振り返らずに走る。ただひたすらに走る。走る。走る!
「うぐぅ」
背中に強い衝撃を感じ体が地面に倒れる。
狼は!?
慌て仰向けになり辺りを見回すと、視界の隅に影が見えた。
「ッ!!」
咄嗟に転がると、狼が俺の倒れてたところに着地し、こっちを見て跳んだ。
ヤバい! 喰われる! え? なんか突然地面の感触がぁ?
「うわああああああ! 落ちてるぅううううううう!!」
俺の体は真っ暗闇の中に丸飲みされた。
狼からのピンチは出しましたが現在進行形でピンチです。
無事に着地しました。
ごめんなさい。嘘です。まだ落ちてます。3分くらい。
長い! っと、ツッコミを入れたら何だか落ち着いて来て、僅に残ってた薬草を取り出して食べています。残り3枚です。はっ! 急に3枚のお札を使って生き延びる坊主の昔話を思い出した。きっと、この薬草を使って生き延びろと言う事か!? うん。自分で言っといてなんだが、ないな。
「ファイヤーボール」
一瞬明るくなり、火の球が穴の底へと落ちて行く。
爆発音はしないか。ならまだまだ底は遠いいのか?
こんな状況で言うのは何ですが、暇です。なので俺の考えた生き延びる為の策を話します。え? やだ? でも話します。大丈夫短いです。
ごほん。え~、と言う訳でですね。まず火の玉を放ち爆発音がしたら感で浮遊を掛けて着地します。え? そんな上手くい━━おっと時間忘れてた。
「ファイヤーボール」
火の玉が弾け、目映い閃光が広がる。
「明るい━━」
て?! もう爆発するの!? 予想外で━━言ってる場合じゃない。
「浮遊!!」
おし! 浮かんだ。成功です。上手くいきました。
「ファイヤー」
火が扇の先端から吹き出し留まる。便利な簡易ライターっと、言ったところか。
さて、どんなところでしょ? バスケットコートくらいの広さの場所です。それにしても高いな。まだ三階くらいはある。このままゆっくり降りますかな。
降りれない!! 浮遊スキルって浮いてるだけだ! あ魔力切れた。
「うわああああああぁぁぁ! そうだ薬草噛もう! うぐぅ」
な、なんとか無事に地面に着きましたぁ。真っ暗で何も見えません。それに全身に違和感があります。右手以外の動きが遅いです。
動く手でウインドウを開こうと思います。おっとその前に目を閉じてウインドウの放つ光に備えとかないと。
5秒くらい経って目を明けステータスを確認したら、打撲と流血って状態異常が出てました。ケガ系って状態異常で出るんですね。初耳です。
そうそう。体力がの残りが3です。あ! 1減った! 流血のせいかな? 取り敢えずポーションポーション。うん。味がない。コメントのしようがない。
おお! あ、っと言う間に全回復だ。序に状態異常も治ってる。感動しました。
其れにしてもここはどこだろう。取り敢えずヘルプを見てみよう。お、マップの出し方がある。えっと、一つ前に戻り地図を押して下さいか。よし地図オープン。さて現在位置は、うん? う~ん。なんか??? と、表示されてます。この役立ずが!
あ、魔力自然回復が終わった見たいだ。あれ? そう言えばこれってどうやってレベル上げるのかな? スキル画面開いて確認してみよう。序でに他の成長具合も確かめるか。
《扇Lv5》《水Lv8》《火Lv9》《採集Lv7》《鑑定Lv15》《浮遊Lv1》
に成ってました。他のは成長してないです。うん? 魔力と魔力自然回復がない。え? どこいった? バグか? それとも変な称号のせいか?
すみませんでした。あれから10分探してたら、表示切り替えと言う文字を発見し、試しに押してみたら表示に変わりました。いつの間にか非表示になっていたみたいです。謹んでお詫び申し上げます。
では、気を取り直して、気になるステータスはこちら!
《魔力Lv14》《魔力自然回復Lv14》
でした。意外な高レベルでびっくり。
この成長度からして、魔力は消費すれば上がり、回復は文字通り回復アイテムを使わない自然回復なら上がるんだと思います。
ひと安心したところで辺りを確かめて見ますか。
「ファイヤー」
扇を閉じたままの状態で立てて唱えると、扇の先に火が灯る。
周辺しか見えないけど、さっきよりは遥かにましだな。じゃ、探索開始。
周囲の安全を確認しながら慎重に歩く。ただ広いだけで何も無い。多分ここは一本の道筋しかないのだろう。お? 横道発見。行ってみるか。
それにしても、モンスターが全然出ないな。横道に入って暫く経つけど何も襲って来ない。
思い反せばここに着いてから一度も遭遇してないな。ここは、そう言う地だと割り切ろう。お、何か明かりが漏れてるな。行ってみよう。
光に誘われる虫のように明るい場所にでた。眩しくて何も見えないな。お、だんだんと治まってき━━。うん。俺は何も見えないから見ていない。さて、引き返すか。
「うん? 人か? 珍しいな。おい! どこに行く! こら! 戻って来い!」
何か呼び止められた。正直あまり行きたくない。
「ほら、早く来い!」
く、行くしかないのか? いや、きっとまともな人だ。赤色の薄い服、ネグリジェかな? そんな感じの服で、銀髪の絶世の美女が縄で縛られて捕まっている。
「えっと何でしょうか? 用が無ければ帰りたいのですが」
このまま、ほったらかしにしていてもしょうがないので、掛けたくないけど、心の底から掛けたくないけど、声を掛けました。
「丁度いい。話し相手になれ。千年以上もここに封印されたままで退屈だったのだ」
想像以上にビックスケールな話しきたああああ! え? なに封印されたって、この美女さん悪いなにかなの?
「別に悪い神だから封印された訳ではないぞ。一応は慈愛の神だからな。血逢いの神ではないぞ。わっはっは」
え? なんなの? この自称神? 寒いんだけど。因みに鑑定弾くから正体分からないんだけど? 寒いんだけど。あれ? もしかしてこの自称神、心読んでる? 寒いんだけど。
「これ、寒い寒い連呼するでない。興奮するだろ?」
あ、やっばり心読んでるのね。其れにしても罵倒したら興奮するっていわれた。面倒くさい。
「これ、神に向かって面倒とは何ごとか!」
帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。
「すまん。変な事言わないから他の事を考えてくれんか?」
しょうがない。許そう。
「神に向かって許そうとは━━」
帰りたい。帰りたい。帰りたい。
「すまぬ。わたしが悪かったから。もう言わないから帰らないでよ」
泣き付かれた! あ、やばい! 【神泣かせ】の称号が手に入れました。とアナウンスが。
【神泣かせ】効果・エクストラスキル 《耐神》が手に入る。『備考』神を泣かせた非道なあなたは、信仰深い者や真面目な聖職者から嫌な眼でみられる。
《耐神Lv MAX》効果・神気、威圧を無効化。神に対して攻撃が出来るようになる。※このスキルは任意で有効か無効を切り替えられます。
だって、なんか変なスキルも手に入れてしまった。エクストラスキル? 何それ? 取り敢えず無効にしておこう。
「で、何で捕まってるの?」
「うん? 純粋の神に封印された」
俺の質問に女神はしれっと泣き止むと真面目に答えてくれた。やっぱり嘘泣きだったか。己! またそのせいで変な称号を! てか純粋神って誰?
「あら? 半分は本気で泣いてるわ。そうそう純粋の神に付いてだっけ? 純粋の神は私の妹に中り、創世と破壊をする厄介な神ね。それより面白い称号持ってるの?」
く、答えてくれるのは有り難いが余計な事を聞くな!
「なら。直接見るわ。おお! 【波瀾万丈】じゃないか。へぇ~。あの娘のお願い聞いたんだ。私が言うのもなんだけど、よくあんな胡散臭い話し聞いたな。このゲームの話しなんてプレイすれば分かる事だろうに」
「えっ!? 直接見れるの? 違うんです。勝手に話し出したんです。それに聞かないとヤバい雰囲気があったので。って! えっ!? この世界がゲームだって事知ってるの!?」
住人がゲームだと知ってるって、何その設定! 驚きなんですが!
「知ってるのは神クラスと従者だけだけどな。それよりも、うん。NPCじゃなく住人っときたか。ならトータ。君なら大丈夫だ。本気でこの世界で生きようとしている。だから私から一つ忠告をしよう」
なんだろう? 又もや嫌な予感しかしない。
「この世界は生きている。実は天の声の住人の話しはヒントになっていた。ま、その話しはいいか。住人といざこざが激しくなれば最終的にどうなると思う? そのせいで私は今こうしてる」
なんだろう? 殺人が起きるとか、出入り禁止になるとかかな? よく分かりません。
「事は神にも及ぶと言う事だ」
神にも及ぶ。かぁ。うん? 純粋、破壊。まさか━━?
「そうだ。始まれば終わる。この世界の終わりだ」
「やっぱりか。まさか俺に止めろと?」
「うん? いや、自由に楽しめばいいんじゃないか? 別に」
は、恥ずかしい! 主人公のような気で言ったら違ってた! 今絶対顔赤いよ。
「真っ赤だぞ?」
指摘しないで!
「ふふふ。面白いな。気に入ったよ。そうだ! 私のお願い聞いてくれないか? いつかでいいからこの封印を解いてくれ」
「今じゃなくていいのか?」
「まだ無理だ。神のした封印っと言うか、正確には呪いだな。まだレベルの低いトータじゃ、早い」
と、言われても試しては見たいし。よし! 一端ログアウトして飯を食べてから決めますか。幸いここ敵出ないと思うし。
「ふふふ。チャレンジするその姿勢も私は好きだぞ? ここは安全だから安心して行って来い」
なんて言われた。神とは言え美人に好きって言われたから何だか凄い嬉しい! は! 茶化される前に落ちよう! ログアウトっと。