盲点
ログインしました。
「ぎやああああああ! 服が汚れてる! 後顔も!!」
直ぐ様ウォーターを使い洗い流し、ファイヤーで乾かす。スッキリ、リフレッシュです。
『蒼空、白夜戻ったよ~』
『お帰りなさいです(わ)マスター』
蒼空と白夜が弾丸の様なスピードで、森から飛び出して来た。あ、止まった畑の前で。
あいつら! 絶対汚れるのが嫌で止まったろ! 開いた腕をどうしてくれる!
蒼空が畑の前で、尻尾をふりふりして待っています。しょうがない外に出るか。
外に出て蒼空と白夜を心行くまでモフる。ふぅ。堪能しました。
『どうしますのマスター?』
『まずは、女神に連絡する。ストーカーになられても面倒だし』
『分かりましたわ』
フレンドリストを開いて、ルミリシアに連絡をする。出来れば出るな!
『遅いぞ! いつまで待たせるんだ!』
『ごめん。どのくらい明ければいいか分からなくて、今になった』
『そうだな。毎日! と、言いたいとこだが、2日に一回、最低でも3日に一回でいいぞ?』
『うん。分かった。じゃあね』
『おい! 出来るだけ私と関わらない様にしてるだろ? それに心の声を隠す為に、何も考えず即答しているな?』
あーあ。バレちゃったか。折角の名案だったのに。
『やっぱりか! トータ、お前の事はなんでも分かる。今狼と兎を撫でてる事も』
なんで、バレてるの!? 心を落ち着ける為に撫で続けてましたぁ? あれ? そう言えばさっきから━━!
『気付いたか?』
「蒼空白夜! 逃げるぞ!」
俺は2匹を抱え込み瞬間移動術を使い、一気に移動する。
『どうしましたの?』
蒼空の質問に答えようとしたら、むにゅっとした感触と、懐かしい気持ちの落ち着く匂いがした。
「そうか。落ち着くか。ならこのままでもいいな」
「良くないわ! てかなんで追い付く!」
「瞬間移動だ。本物のな」
あるんだ。━━瞬間移動。観れて良かった。これで対処出来る。
「まったく。畏れいる。今のだけで対処出来るとはな、トータを倒すには、初見が大事だな」
その言い方は辞めて欲しい。俺を倒そうとしてる様に聞こえます。
『マスター? 誰です?』
「慈愛の神、ルミリシアだ。蒼空や白夜とこうして話せるのは、彼女のおかげたな」
「そうだ。慈愛の神ぞ? 血逢いの神ではなくな。わっはっは」
このギャグ毎回言うのかな? 反応すると面倒臭そうだから無視するけど。
『そうなんです? ありがとうございますです』
『えっ!? 確かにその件はありがたいんですけど! スルーしますか?! 白夜!?』
『なにがです??』
流石です白夜。残念枠は伊達じゃないな。
『もういいですわ』
『変な蒼空お姉ちゃんです??』
変なのは! おまえじゃああああああああ! 残念兎!! って、ツッコミたいけど! 凄くツッコミたいんだけど! 無駄な気がするので我慢します。
『ありがとうございますわ。マスター』
蒼空が俺の心を読んで、お礼を言ってくれました。なんていい娘なんでしょ! はい。親バカです。
「うむ。いい絆だな。信頼し合っている」
「すみません。それよりもそろそろ放してくれない?」
「いや、まだだ、トータから他の女の匂いがするぞ?」
女? て、言われてもアメジアかな? それとも姉妹だろうか?
「違う。私と同じ者だ。ふむ。この匂いは━━幸運か!」
え!? まさか!? 幸運の女神から称号貰ったのバレたの? ステータス視られたかな?
「ステータスを確認するまでもない。そのくらいは匂いで分かる。あの女あ! 私のトータに手を出すとはいい度胸だ!」
別に貴女のでは無いのですが?
「ほう? そんなにあの女が大事か?! ならばお前を殺して、私も死ぬ!!」
「別にあの女神のになった覚えもないけど、こえーよ! 素で考えてるところが、なおこえーよ!!」
本当! 何言ってるんだろうね! この妄想家は!?
「妄想ではない! 事実だ!」
だあああああああ! 心を読むから更に問答が続く! 厄介な!
「私のどこが厄介で面倒だ!? 言ってみろ!?」
「お前自覚してるだろう!? 自分が面倒だって自覚してるだろう!」
「知らん!」
「嘘付け! こら! 目を逸らすな!」
まったく。この女神は! 通常時は凄く凛々しいのに、勿体無い。
「そ、そうか? うむ。なら放そうかな? うん。放そう」
やっと解放されましたよ。では、自由に成りましたので、何があったか軽く話しましょう。あれ? そう言えばさっきから━━! の続きです。
視線を感じるな? と思い、顔を上げて見られている方を向くと、畑を売っていた小屋の上に、ルミリシアが立ってこちらを伺っていました。
━━恍惚とした表情で身の毛もよだつ薄ら笑いを浮かべて。
通り魔に遭った気がした俺は、蒼空と白夜を両脇に抱えて逃げ出したら、あっさりと拘束された訳ですね。以上です。
「凛々しいかあ~。じゃない! 本題だ! 改めて言うが連絡が遅いぞ? もっと早く連絡するように」
「えっと? 3日だっけ?」
「馬鹿者! 最低で3日だ! 通常2日! 出来れば毎日だ!」
「えー。面倒い」
「なんだと! なら私も一緒に行動しよう」
「ごめんなさい。2日に一回連絡します」
付いて来られたら、落ち着いて旅が出来ませんからね。
「なんか釈然としないが、まあいい。連絡忘れるなよ?」
「うん。分かった」
2日に一回連絡しないといけないのか? 忘れない様にしなきゃな。
「そうだ。トータ、忠告があるがどうする?」
うん? ルミリシアが忠告? 地底で話した限りでは、傍観主体な感じがしたんだが、もしかしたらこのままでは、不味い何かがあるのか? 素直に聞こう。
「うん? なんだ?」
「トータの予想通りだ。イベントに期限がある場合は、早く場所を特定した方がいい。全てが近場で起きるとは限らないからな」
そうか! 車とかが無いから、移動にも時間が掛かるのか! 厄介な!
「それとイベントだけどな、ステータスからイベントを選択してみろ」
言われた通りにステータスからイベントを開くと、【想いを継ぐ者】と【想いは宇宙へ】が表示された。
「タイトルを選択して中に入ると、そのイベントに関する事が記入出来る。詰まりはメモ帳だな」
おお! それは便利ですね。早速記入しましょう。
ミーレアから聞いた情報を記載する。忘れる訳には行かないからね。う~ん、大分時間が掛かるな、よし、記入終わり。
「ルミリシア? この作業、自動にならないの?」
「ならん」
「うん。だと思った。あれでしょ? 社長の意向でしょ?」
「そうだ」
だと思ったよ。イカれているって言われた社長なら、このくらいはやるよね?
「よく分かってるじゃないか。その通りだ」
図星でした。
「うん。そっか、分かった。ありがとう。でも、教えちゃって良かったの?」
「イベントの事だから別に良いだろう。そもそも一定の条件を満たした者しか、イベントを受けられないし、ステータスにイベント欄すら表示されん。おっと、理由は話せんから気付いてくれ」
聞こうとした事を、先に言われちゃいましたね。なら考えて、自分で気付くとしましょう。
「それにな、私はこの世界の神。真面目に生きて来た娘の、心からの願いくらい、叶えてやりたい」
「ふーん。神見たい」
「神だ!」
そう言えばそうでしたね。出会いがアレでしたから半分忘れてました。
「まったく。トータは相変わらずだな。神をぞんざいに扱いおって! だがそこも好きだがな」
「あ、うん。そう? ありがとう?」
「なぜ疑問系なんだ!?」
えっ? あまり関わりたくないからですが?
「本当にお前は! まあいい。さて、そろそろ━━」
「帰るのか!?」
「嬉しそうだな! 満面の笑顔で!」
おっと、思わず笑みが、キリッ! っと、戻します。
「まだ帰らん! 殴り込みに行くんぞ! 教会へ!」
えー、まだ続くのコレ? 嫌だな~。
「そんな事で来ないでくれます?」
あ、金髪美少女神のソフィルの登場だ。
「ちょっと待てトータよ! 何でそいつには美をつける!?」
「えっ? 何となく?」
「そうですか? ありがとうございます」
あ、微笑みました。なんかそれ見てたら、モナリザの微笑みを思い出しました。澄ましたところが似てますね。あ! 幸運の神がピキッと氷付きました。どうしたんでしょう?
「うむ。やはりトータはトータだな。的確に急所を貫く」
はて、なんの事でしょう?
「ははははははははははは! まったく何を言っているのですか?! 慈愛の神は! 意味が分かりません!! わたくしは! 澄ましてなどおりません! これが素なんです!!」
あー、そう言う事か。うん。あるよね? 誰にも突っ込まれたく無い事って。
「幸運の女神さん。ごめんなさい」
「うむ。自分の非を認めて、謝るのは大事な事だ。幸運よ、神なのだから許してやれ」
「だ・か・ら! 違うんですううううううううううううう!!」
だ、大丈夫かな? 幸運の女神さん。肩で息してますが? 心配ですね。
「あなたの所為ですからね!」
「何を言う! 心配されるだけマシと思え! 私なんて純粋のに封印されていたのに! 心配なんてされなかったんだぞ!!」
ごめんなさい。あの時は変態だと思ってましたから。
「誰が変態だ!」
「だって、罵倒するな。興奮するだろう? とか、言われたし」
「バラすでない!! 幸運も引くな!」
何時の間にか幸運の神が、ルミリシアから距離を取っていた。
「無理! そんな変態だったとは思っていなかったんです!」
「私は変態では無い! お澄ましが!」
「誰がお澄ましですか!? 誰が!?」
「お前だ! お前!」
「五月蝿いですよ! 変態の神!」
「そっちこそ、黙ったらどうだ? お澄ましの神!」
言い争い始まった! どうすれば!? そうか!
「蒼空ちゃん。白夜ちゃん帰るよ~」
『『いいんです(か)!?』』
「うん。いいんだよ」
「「良くない(です)!」」
蒼空と白夜を連れて去ろうとしたら、ルミリシアに掴まりました。因みに幸運の神も掴もうとしたが、フレンドリストに入ってないので、弾かれました。今はそれを見たルミリシアがドヤ顔をし、幸運が悔しがってます。
「貴女何で掴めますの!?」
「フレンドだからだ」
「なら私もします!」
「させん。転移!」
掴まれた手が放されて、どこかに2柱が一緒に消えて行った。何しに来たんでしょう? あいつら??
俺は頬を掻く。ま、いいか。図書館探そう。