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雑談

「ふブゥウ!」


 朝起きると、逸夢が俺のベッドで快適そうに寝ていたので、なんとなくムカつい━━じゃなかった。起こす為におでこを叩いてやった。

 部屋着のまま階段を降りてリビングに入ると、舞依と美紀が朝食の準備をしていた。

 

「おはよう。手伝うよ?」

「おはよう! おにぃ!」

「おはようございます。お兄様。では、奈々夏さんを起こして貰えませんか?」


 挨拶をしたらそんな依頼を受けました。妹よ。普通は食器を運んでくれとかじゃないか? 確かに美紀が運んでるのもあるが。いや、約束した手前行きますよ? それは行きますけどね? うん。ま、いいや。どの道行く事になるし行こう。




 と、言う訳でですね。二階に逆戻りです。

 自分の部屋の隣にある星ねぇの部屋をノックする。返事はないようだ。

 扉を開けてずかずか入って行く。

 星ねぇの部屋は物が意外にも整頓されていて、細々した物がない。大人な部屋だ。

 二人して寝ているベッドの横に移動する。流石に逸夢のようにおでこを叩く訳にはいかないよな? 叩きたいけど。


「奈々夏起きろ。遅刻するぞ」


 軽く揺すって起こすも、まったく起きませんね。


「ほら、起きろ!」

「う~ん。後少し、あ! イタッ! なに? て! 翔!?」


 つい、おでこを叩いてしまった。ま、そのお陰で目覚めたし、よしとしよう。


「なななななんで! 翔が居るの? まさか!? 夜這い!? もしかしてこの痛━━あああああああああああい!!」


 なんかムカついたので、アイアンクローをして上げました。


「馬鹿言ってないで起きろ。遅刻するぞ」


 そう言って踵を返して、部屋を出て行こうとした時だった。


「この臭いは! 翔ちゃん!? 抱き枕になりに来てくれたの!? お姉ちゃん嬉しいわあああ!」


 と、某赤い服の人の様に、ダイブしてきたので、


「はい。お休みなさい」


 と、顔面を掴んでベッドに痛みの無いように叩き━━ゴッホン。寝かし付けて上げた。


「うわ! 良かった。あれよりましで、本当に良かったぁ」


 おや? なんの事でしょう? 俺は寝かし付けただけなのにね? さ、リビングに戻りましょう。


「用意終わったら降りて来いよ」

「星羅姉さんはいいの? このままで!?」

「問題ない。脳や身体に異常の出ないように寝かしたから、ま、この記憶は飛ぶ様にしたけどね」

「あ、そう、そっか」


 奈々夏の質問に答えると、俺はそそくさと部屋を後にした。なんか、奈々夏が引いてた気がするが? 気のせいですね。ご飯。ご飯。

 あ、そうだ。甘い恋愛関係を期待した方、こんな感じになってしまい、誠に申し訳ありませんでした。

 よし、謝罪も済んだし、それでは、階段を降りてリビングへ~。




 リビングに入り自分の席に着く。もう既に、逸夢と美紀は朝食を食べていた。薄情な奴等です。


「舞依。待っててくれてありがとう。さ、食べよう」

「はい。お兄様」


 今日の朝食は、食パンの上にレタスが乗り、更に上に目玉焼きが乗り、更にその上には焼きベーコンが乗り、最後に食パンで挟んである奴だ。はい。サンドイッチです。

 頂きます。と、挨拶をし一口かじると、サクッシャリカリ食感がし、バターの風味が優しく後を追う。

 うん? 自分は文句言っておいて、奈々夏は待たないのかって? 待ちませんよ。遅刻しちゃうし。


「おはよう! お待たせ! て、あああああ!? 先食べてる!? 待ってて欲しかった!」


 半分くらい食べた頃に騒がしく奈々夏が登場。時間が無いのでシカトします。


「おはよう奈々夏ちゃん!」

「おはようございます。奈々夏さん」

「うっす!」


 皆が挨拶をする中、俺は手を上げて答える。だってパンが口に入ってるからね。


「違うでしょ! 絡みたくないだけでしょ!?」


 はい。そうです。朝一であんだけ絡んだし、もう、良いかなって。


「もう! 舞依でしょ!? 翔を送り込んで来たの!」

「はい。そうですよ? 朝一でお兄様に起こされるなんて羨ましい限りです」

「嘘おっしゃい! 朝一はタガが外れやすいの知ってて、送り込んだわね!? 星羅姉さんなんて、昏睡させられてたわよ!? 正直怖かったんだから!!」


 ふむ。それは悪い事をしたな。メンゴです。


「そうですか? 善からぬ事を考えなければ、姉さん見たいにはなりませんよ?」

「な、なんの事かな!?」

「いいえ。何も」


 な、何か家の妹が怖いです。


「そ、そうだ! 何で兎があんなに強いのよ?! ビックリしたわよ!」

「俺も吃驚した。まさかブレスを吐くとは思わなかったよ」

「はぁあ。兎がブレスを吐くんですかぁ?」

「吐くのよ! 遺跡を少し破壊してったんだから!」

「ああ! 凄かったぜ! 強そうな猿を一撃で倒してた!」


 実はあの時、ちょっとドキッ! としたんだよね。もしかして、ペンダントも消しちゃったんじゃないかって。本当ドロップで良かったです。


「へえ~! なら! 闘技大会に掲載されてた特殊なペットって、おにぃのペットかな?」


 多分俺もそう思ってます。ま、美紀が思っている方じゃない狼さんの方だけどね。今蒼空と戦ったらどっちが勝つんだろう? うん。勝てる気がしない。


「そうかも! ブレス吐けるなんて、戦いようがないし!」

「そうか? どうとでも出来ると思うが?」

「それは、お兄様だから言える事ですよ? 普通は無理です」

「舞依も?」

「私は、半々ですかね? 事前情報にあれば、個人的にはなんとか出来ますが、チームを守るのは無理ですね」

「それは俺も無理だな。精々二人までが限界だな」

「いや、二人共、自分だけでも守れるのが異常だからな?」


 誰が異常者だ!


「逸夢さん失礼ですね」


 そうだ! 舞依! 言ってやれ! お兄ちゃんは応援してるぞ!


「お兄様と一緒にしないでください! まったく違いますからね!」


 まさかの裏切り! ちょっと舞依さん! と、非難の視線を向けると、


「だってお兄様は、咄嗟にでも後方に流しますよね? でも私は口を見て、開いた時にブレスの為に力を溜めていないか、見極めなくては躱せないですもん」


 なんて、言った。


「舞依ちゃん。力って何?」

「属性の塊ですかね? 火なら火の塊、水なら水の塊です」


 逸夢が尋ねると、舞依は悩みながら答えた。

 へぇ~。力ってそっちだったか。てっきり魔力だと思ってました。人それぞれ対処の仕方があるんですね。


「それ見て美紀は躱せる?」


 奈々夏が美紀に尋ねる。妹も同じやり方で躱せるか気になったらしい。


「無理! 直感で逃げるしかない!」


 確かに美紀らしい躱し方だな。直感が必要な場面もどうしても出て来るので、これが意外と馬鹿に出来ない。


「逸夢達はどうしてるの?」

「盾でガードだな。その為に皆盾を持ってる」

「逸夢と奈々夏の持って無い組は?」

「俺は美紀ちゃんほどじゃないけど、直感で躱すな。奈々夏は敵愾心━━ヘイトだけど、を稼がない様にしてるから、狙われないんだ」


 なるほどね。確かに狙われなければ躱すも何も無いか。と、まずい。そろそろ支度しないと遅刻しそうだ。


「そろそろ準備して学校行くぞ」

「え、もうそんな時間なの!?」

「おにぃまずいよ!」

「ゲキヤバだな!」

「お兄様! 支度の準備を! 皆さんは食器を持って来て下さい!」

「「「「了解!」」」」


 何か最後は軍隊見たいになりましたが、学校には無事に間に合いましたので、ご報告致します。




 ログインしました。

 学校? 直ぐ終わりましたよ? もう夏休みです! もう気兼ね無く遊べます! え? 今までと変わらないって、気持ちの問題ですし、時間を気にせず出来るのはありがたいですね。


「ただいま! 蒼空、白夜、ミーレア!」

『『お帰りなさいです(わ)マスター』』

「あ、お帰りなさいトータ」


 うん? ミーレアがなんか変だ。ペンダントに異常があったのかな?


「どうしたの? なんか変だけど? 何かあった?」

「変な夢を見たので、少しボーっと、してました」


 う~ん。嘘を言ってる感じはしないな。取り敢えず様子見で。


「ヤッホー! トータ早いね!」

「おう。トータ!」

「おはようございます」


 蒼空と白夜を撫でてたら、ホーリースター組がログインして来た。


「話しはどうなったの?」


 実は学校が終わってからエレナとシンバとは、別行動を取ってたんだよね。ホーリースターの方針を話すって、言ってた。なのでその間に家に帰り、超早い昼食を食べた俺は準備万端です。


「取り敢えず街で合流してから決める事にした」

「そっか~。なら帰ろう」

「「「「了解!」」」」


 俺は声を掛けると、皆が頷くのを確認してから移動する。

 最終決戦? の部屋を出て、神殿を通過して通路に入り、2つ目の建て物のミイラと戦った場所に戻って来ると、ゾンビが蠢いていた。7匹くらい。

 ここはあれかな? アンデッドの憩いの場なのかな? ここでしか見掛けない。


「ゾンビなのに昼の方が遭遇するって、どうなの? 心無しか元気そうにも見えるし」

「ゾンビも、暖かい場所を探しているのですかね?」

「余計に腐りそうですよ?」

「確かにそうですよね? では、何で徘徊しているんでしょ?」

『上が日光に近いからだと思いますわ。マスター』

「なるほど! 太陽の近さか!」

「あー。納得ですね」


 一件落着。ゾンビの不思議が今! 無事に解明されました!


「ちょっと! トータ! 呑気に話してる場合じゃないでしょ!?」

「どうすんだ!」

「うん!」


 おや? 何か浮き足だってますね。もう、素手に! 準備完了です! な~んて。


「ファイヤーランス」


 左手に、先に溜め込んでいた魔力を乗せ、火の槍を左手に作る。

 火の槍は激しく燃え盛り、チリチリと辺りを焦がす。


「な、何でそんなデカいの!?」

「スキル」

「熱い!」

「我慢して。放つよ」

「待って! 下がる! そんなのに巻き込まれたら死んじまうよ?!」

「大丈夫。信じろ。別の教会に行くだけだ」

「それ死んでる!」

「鬼イイイイイイイ!」


 シンバとルナが慌てて逃げる。あいつ等も乗りいいよね。真面目な表情作って逃げるんだから。お、安全な場所まで逃げたな? ではシュート!

 左手から放たれた火の槍は、大きな矢印になりゾンビ達を燃やして進む。

 当然このままでは不味いので、魔力流動と変動を使い大幅に広がっていたのを細くして、反対側の穴が空いてる箇所を通して外に出す。意外とシンドイです。この作業。集中切らすと暴発しますからね。やる時は皆さんも気を付けて。

 ゾンビだけが綺麗に燃えている。あ、鑑定してないや! しよう。

 うん。鑑定結果は腐った人の死体。現在火葬中? でした。ゾンビとしては間に合わなかったです。で! 何でハテナマークが出るんだよ! 火葬中だわ! あ、黙祷してないや。

 慌てて祈りを捧げると、エレナ達も祈り出した。


「では、行きましょうか?」

「そうですね。行きましょう」


 俺とミーレアが頷き合っていると、


「て、俺とルナを巻き込もうとした件は!?」

「そう! 死ぬかと思った! でも、ダッシュは修得した! ありがとう!」

「えっ! マジ!? 俺も走る!」


 おや? 勝手に話がそれたな。ラッキー。

 では、先を急ぎましょうか。


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